第19話 青春と戦い
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第19話 青春と戦い
あらゆる検定資格や必要な能力を得て中学卒業後、俺は上位の高校に入学した。もちろんその中に
は千恵美やノエル、そして紀里谷や里桜たちもいた。
紀里谷「よう、久しぶりだな。小学生以来か。中学は地元のほうに通ってたからな。」
里桜「私は東久留米のほうに通ってたからね。」
千恵美「あら、紀里谷くん、里桜ちゃん、久しぶりね。」
ノエル「私も会えてうれしいわ。」
久々に幼馴染に会えて感動した。俺は部活に関しては水泳部を選ぶことにした。格闘技とかは瑠衣
那といつでもできるし問題ない。勉強は大学の分までこなしている。だからといって自堕落は許さな
い。一度努力を始めたら最後までやり通す。それが俺の美学である。
恵那羽「あら、みんな、久しぶりね。私は宮本恵那羽。小学生のころに初めて会ったよね、池畑く
ん。」
未生「はい、お久しぶりです、恵那羽先輩。」
俺たちの前に現れたのはさらに美しくなった恵那羽先輩であった。かつての冷たい態度はなく、友
好的になっていた。
恵那羽「そういえば、小学生のころ、よく一緒に水泳で競い合ったよね。あの時はいかに私が往生際
が悪かったか・・・でも競い合うライバルがいてくれてよかったわ。」
未生「それはなによりです。私も恵那羽先輩のおかげで思う存分水泳を楽しむことができました。」
恵那羽「だけど、君は高校でも水泳やるの?」
未生「もちろん、やっぱりスポーツ系といえば水泳ですかね。」
恵那羽「やっぱりそういうと思ったわ。今、水泳部は私が部長をやってるわ。男子部員が少ないから
池畑くんが入ってくれると助かるわ。」
未生「こちらこそ、高校でも水泳をやる機会が訪れてなによりであります。」
さすがかつてのライバル、こんなところで再会できるとは・・・いくら先輩といえど、そして女子
といえど手加減は無用!いくらでも競い合って見せる!
恵那羽「やっぱり池畑くんだったらそうくると思ったわ。思う存分私も戦うわ。もちろん100メート
ル自由形でね。」
いつも通りウォーミングアップも兼ねて俺と恵那羽のタイマン勝負が行われた。もちろん100メー
トル自由形で。
未生「惜しかったなぁ。さすがです、先輩。」
恵那羽「だけど池畑くんもいい勝負だったわ。」
この俺が負けただと・・・?さすが先輩、そして部長・・・それなりの実力をもっているようだ。
あの時よりも腕を上げたな。
未生「ともあれ、また久々に熱い勝負ができてよかったです。だけどまだまだこれからですよ。」
恵那羽「その意気よ。もっと頑張りなさい。」
こうして俺はかつてのライバルと共に学ぶことができるようになった。
千恵美「ねぇ、恵那羽先輩、昔よりもなんだか未生ちゃんに馴れ馴れしくなってるわね。」
ノエル「ここまで友好的になってもさすがに嫉妬しちゃうわ。」
未生「ん?どうした?千恵美、ノエル。」
千恵美&ノエル「なんでもないわ。ちょっとね、未生ちゃん、恵那羽先輩と仲良くなれてよかったな
って。」
確かに否定はしないが・・・こんなに素晴らしい女の子たちと練習ができるなんて幸せだ!それも
水着姿で健康的なボディーを拝みながら練習に励めるほど幸せなことはない!やっぱり高校でも水泳
部に入って正解だったぜ。そして帰宅後・・・
美玖「未生ちゃん、水泳部に入ったんだってね。もしかして、誰かかわいい子、いたのかしら?」
未生「かわいい子というよりはかつての先輩に会えたことが嬉しかったかな。恵那羽先輩と会えてま
た競い合うことができて。」
美玖「良かったじゃないの。かつての先輩と会えて。恵那羽ちゃんのこと、好きなんでしょ。」
未生「好きといえば好きだけど・・・まぁ、あこがれの先輩という立場の上ではね。」
あの恵那羽があれだけ人懐っこくなればもう何も言うことはない。そしてさらに美しさに磨きがか
かってなによりである。特に大きくなったおっぱいとか。それから翌日・・・
未生「おはよう、千恵美ちゃん、ノエルちゃん。」
いつものメンバーにあいさつをする。俺は朝からずっと自主学習をしていた。とにかく俺はやると
決めたらやる。他に何もない。
千恵美「相変わらず努力家ね。」
ノエル「未生ちゃん、一度やり出したら歯止めがきかないからね。」
周りがうるさいのは特に気にならない。しかしどうもあんまりいい気分ではない。本当にこればか
りでいいのだろうか。まぁいいか。努力しないと後が苦しいから。そして授業が始まる前に突然爆発
音が鳴り響く。
生徒たち「何があった!?」
驚く生徒たち。そして俺は何かを感じ取る。
未生「来たか。タイムディスターバーだな!」
千恵美「まさかこんなところにまで現れるとは・・・!」
ノエル「仕方ないわ、迎え撃つとしましょう!」
俺たちはタイムディスターバーに戦いを挑む。
未生「見えてるぞ!」
ガルディス「さすがだね、池畑未生。あれから1年間でいっぱい鍛錬を積んだようだな。だが私には
勝てない!」
相手の剣を受け止め、両者は間合いを取る。
未生「そこか!」
俺は相手の動きを読み、攻撃をする。
ガルディス「なん・・・だと!?この私が読まれているだと!?」
未生「どうした?俺に勝てないんじゃなかったのか?」
ガルディス「くそっ、引き上げだ!」
未生「待て!!」
タイムディスターバーたちは撤退する。
未生「まったく、ずいぶんと人騒がせだな。そんなに1周目みたいに腐った世界に戻したいのか?残
念だな、本当に哀れだな、シャドーエルフというのは。」
俺はものすごくあきれていた。せっかく俺が住みやすい世界にしようとしているのに。シャドーエ
ルフめ、絶対に許さん!そして部活・・・
恵那羽「どうした?池畑くん、顔色悪いけど。」
未生「それが・・・なんだか最近、あちこちで色々と大変なことがあって。」
恵那羽「確かタイムディスターバーだったかなんだったかそんな奴らがいるととか・・・そういえ
ば、エルフたちが人間と共存するようになったとかいってたわね。エルフたちに世界を修正されてシ
ャドーエルフたちがそれを無理やり捻じ曲げようとしているみたいだわ。」
恵那羽先輩もさすがに頭を抱えていた。帰ったら未来予知で今後の物後を調べておこう。それから
部活を終え、帰宅後・・・
エノ「最近、タイムディスターバーの連中が騒動を起こしているみたいね。」
サーリャ「ついに奴らの動きも本格的になってきたわね。」
未生「ガルディスの奴め、何が気に食わないんだか・・・。まさか奴は・・・!?」
エノ「何か心当たりはあるの?」
未生「奴は1周目では俺が中学生のころの同期で健常者の中でもすごくタチが悪い奴だった。俺がや
ることにいちいち言いがかりをつけたり暴力を振るう奴だったから。そして生け贄の対象にされて仕
返しにシャドーエルフとして生まれ変わってあちこちで逆襲行為をやっているみたいなんだ。」
エノ「まさか・・・そんな奴がシャドーエルフに寝返るなんて・・・!」
サーリャ「卑劣ね。絶対に許せないわ。」
まったくだ。口が達者で細かいことでいちいち気に食わないとかうざったかったよ。生け贄にされ
てなおも俺に突っかかるとは・・・タイムディスターバーの残りの幹部もおそらく仕返しのためにシ
ャドーエルフとして生まれ変わった可能性は高いな。
未生「このままじゃまたアメリカでの大規模テロや2020年にプリズムウイルスが発生してしまう。奴
は1周目と同じ状態に戻そうと考えているんだ!」
エノ「だけどそのためにはアークディメンション内の中枢を守らないと!」
サーリャ「だが今行っても奴らに勝てるはずがないわ。仲間たちを呼んでまた特訓しないと。」
それから学校が休みの日・・・俺たちは緊急招集を受けた。
エルダール「皆さん、そろったわね。ここ最近、タイムディスターバーの動きが活性化しているわ。
奴らの動きは仲間のエルフたちがどうにか止めようとしていわ。その間に私たちはファイティングト
レーナーで実戦経験を積むわ。」
フィンダル「わらわはタイムディスターバーに戦いを挑むとしよう。」
蒼赤「僕もいるよ。みんなが特訓中の間は僕たちがなんとかするから。」
ロヴェーラ「よし、オレたちもひと暴れしてくるか。」
ネイヴァー「私も鼻が高いからな。ここは私たちに任せてくれ。」
俺たちが特訓している間、蒼赤さんたちがタイムディスターバーの動きを食い止めることになっ
た。いよいよ奴らの動きが本格化してきた。さて、これからどうやって奴らと戦うのか・・・本当の
闘いはこれからだ!
第19話 おしまい