第17話 それぞれの意志と装備
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第17話 それぞれの意志と装備
ついに動き出したタイムディスターバー・・・そして我々は奴らとの対決に備え、それぞれの装備を整えたりすることになる。
未生「今日はどうしたんだ?」
エルダール「今日はミーティングも兼ねてみんなの装備や戦力も整ないとね。これからタイムディスターバーの動きが激しくなることが予想できてるわ。」
フィンダル「そうじゃ。わらわも色々と情報を調べていたのじゃが、この次元でもあらゆる負の事象
が広がるかもしれん。」
エルダールとフィンダルも今後の負の事象の拡大を危惧し、俺たちアビリティホルダーが呼び出さ
れた。
エルダール「そういえばこの前、タイムディスターバーの兵たちと戦ったときに武器を錬成したり聖
術を使ったりしたでしょ。そのためそれに見合った装備を考えようと思ってね。」
フィンダル「そのために皆にはあらゆる必要なステータスと装備を身につけてもらうことになるであ
ろう。覚悟はできているか?」
未生「もちろん、みんなここに来た時点で覚悟は決まってる。みんなもそうだよな。」
千恵美「当然よ。」
ノエル「覚悟はできてるわ。」
リンネ「私だって当然戦うわ。」
栗子「私もお兄ちゃんたちの役に立ちたいわ。」
エノ「みんなで戦えば怖いものはないわ。」
サーリャ「そうね、この世界でもみんなのために手を尽くすわ。」
アビリティホルダー全員も覚悟はできている。そのために俺たちはこの人類監視所に来た。
エルダール「まずは修練場に来て。そこでそれぞれの持つ者を身につけないとね。」
俺たちは修練場へ向かう。アビリティホルダーたちはそれぞれの思いをきっかけに自身に合った装
備を錬成することになる。
エルダール「未生ちゃんは大剣を使ってたわね。そして千恵美ちゃんは片手剣と盾による攻防一体に
よる戦術を身につけていたようね。そしてノエルが槍による広範囲攻撃重視、リンネちゃんが回復系
や状態異常攻撃等のトリッキーな戦術、栗子ちゃんがトラップワーク等の器用さ重視の攻撃、エノと
サーリャが聖術による属性攻撃重視といったところね。エノが炎・雷・天・風属性重視でサーリャが
氷・水・地・影属性重視というわけね。」
エルダールはそれぞれのイメージを読み取る。そして我々にそれぞれの武器を渡される。俺が受け
取ったのは大剣、千恵美が得たものは片手剣と盾、ノエルには槍を渡され、リンネには腕輪を、栗子
には二丁拳銃を、そしてサーリャとエノには聖魔丈という杖を渡された。聖魔丈と
いうのはいわゆるRPGでいう魔法のロッドである。それぞれの武器を持った我々はそれぞれのイメー
ジを描き、それぞれの武器にグレードアップすることになった。
未生「これが俺の新たな武器・・・!」
千恵美「剣と盾・・・まさに勇者ね。」
ノエル「新しい槍・・・これで心置きなく戦えるわ。」
リンネ「この腕輪は何に使うのかしら。」
栗子「これを使えば遠くの敵にも攻撃できるわね。」
エノ「この装備ならどんな属性攻撃にも適応できるわね。」
サーリャ「これならエノとも連携がとれるかもしれないわ。」
これで全員の武装がそろった。あとは武器名もつけたほうがかっこいいかも。
エルダール「武器のグレードアップは完了したみたいね。あとは名前もつけたいところだけ
ど・・・。」
千恵美「確かにかっこいい名前とかもほしいけど・・・。」
ノエル「どう名前を付ければいいか迷うわね。」
未生「それならうってつけの名前があるよ。曲のジャンルとかというのはどうかな?」
千恵美「曲のジャンルか・・・私、音楽とかそういうのはよくわからないけど。」
リンネ「それ、いいんじゃないかしら?」
栗子「私も賛成!お兄ちゃんだったらどう名前を付ける?」
未生「そうだな、僕の武器はこういう名前がいいかもね。曲のジャンルを由来とするならこうするか
な。よし、名前は決まった!曲の激しさだったらユーロビート、ガバ、そしてビジュアルロック系が
ふさわしい・・・そこでこういう名前を思いついた。名付けて「ユーロ・ガバロック」である!」
千恵美「いいんじゃない?私だったらバラードとかポップ系とかが悪くないかなと思うわ。それなら
私はこう呼ぶわ。剣のほうは「ブレイブポッパー」と名付けるわ。そして盾のほうは「ホーリーポッ
パー」と名付けようかしら。」
ノエル「ドラムンベースとかもかっこいいと思うんだけどね。それを考えたらこんな名前も悪くない
と思うんだけど。そこで「ドランサーベース」という名前にしようと思うわ。ドラムンベースとトラ
ンスの組み合わせよ。」
リンネ「この腕輪は回復術や状態異常攻撃がメインということでこういう名前がふさわしいと思うん
だ。名前はこうしよう。回復系はマイルドテクノ、状態異常系はワイルドテクノということでね。」
栗子「私的にはこういうのもアリだけどね。その名は「ブギルースロック」よ。由来はブギウギとブ
ルースとロックの組み合わせよ。」
サーリャ「色々とかっこいい名前が出るわね。私だったらこう名付けるわ。「ソウル・セレナーデ」
ね。」
エノ「こういう名前も素晴らしいと思うわ。私的には「タンゴ・セレナーデ」ね。」
エルダール「それそれ名前が決まったわね。これからその武器を使ってファイティングトレーナーに
て訓練を積んでもらうわ。」
それぞれの武器や装備がそろったところで我々はファイティングトレーナーで実戦経験を積む。
千恵美「ちょ、こいつ、かなり硬いわね。」
未生「ずいぶんとしぶといモンスターがいるもんだな。」
相手は甲殻系のモンスター。さすがに千恵美が苦戦している。
未生「硬い奴は僕が対処する。」
俺は甲殻系のモンスターを大剣ユーロ・ガバロックであっさりと倒す。
未生「くそっ、早いな。」
相手はオオカミ系のモンスター。スピードに優れる。パワー系の俺では不利だ。
千恵美「うりゃぁっ!」
千恵美は対象のモンスターを片手剣ブレイブポッパーで倒した。
千恵美「動きが早い相手は私に任せて。」
だがほっとしているのもつかの間・・・大量の敵が迫る。どうやら増援を呼んだようだ。
ノエル「範囲攻撃なら私が対処するわ。いくわよ!」
ノエルはドランサーベースという槍のリーチの長さを活かし、周りの敵を倒していく。
ノエル「片付いたようね。囲まれたときは私のほうが有利ね。」
未生「今度は鳥系のモンスターか。遠いな。」
栗子「遠距離攻撃なら私に任せて。いくよ!」
栗子は二丁拳銃ブギルースロックで狙い撃つ。そしてこの後もモンスターを倒していく一同であっ
た。
未生「片付いたな。だがダメージも受けたようだな。」
リンネ「そういうときは私の回復術が役に立つわ。」
リンネは回復術でみんなを回復させる。その後に・・・
未生「なんだありゃ・・・あのモンスターは無機質系か。しかも大型のスライム系のモンスターと
は・・・。」
サーリャ「ここからは私たちの出番ね。」
エノ「相手は水属性と炎属性、前者は私の雷属性で始末するわ。」
サーリャ「炎属性に対しては私の氷属性が役に立つわ。」
それぞれの弱点を活用し、無機質系のモンスターをやっつける。
サーリャ「やったわね。」
エノ「さすがね。」
こうして戦闘訓練をつんだ一同であった。
エルダール「お疲れ様。みんなよく頑張ったわね。あとはそれを実践で活かせるかどうかが問題ね。
それと、みんなが持っているその武器は聖英器といって、選ばれし戦士たちが所有で
きる装備品よ。あとはその装備品をどうやって持ち運ぶかどうかね。」
フィンダル「それならわらわに任せておけ。その装備品をクリスタルペンダントに凝縮すればどこに
でも持っていける。それぞれの武器や装備品を見せてくれるか?」
俺たちはフィンダルに装備品を見せる。それをクリスタルペンダントに凝縮することになった。俺
のユーロ・ガバロックは赤色のクリスタル、千恵美のブレイブポッパーとホーリーポッパーは水色の
クリスタル、ノエルのドランサーベースは紫色のクリスタル、リンネのマイルドテクノとワイルドテ
クノはピンク色のクリスタル、栗子のブギルースロックはオレンジ色のクリスタル、サーリャのソウ
ル・セレナーデは緑色のクリスタル、エノのタンゴ・セレナーデは藍色のクリスタルというように色
別に分かれた。
フィンダル「それと安心せい、その聖英器のペンダントは視覚防壁機能が常時発生しており、エルフ
とアビリティホルダー以外には見えず、触ることも不可能じゃ。これでもう荷物検査対策も万全じゃ
な。」
未生「それはありがたい。これならいつでもどこでも奴らと戦えるな。」
フィンダル「確かにそうなるが、あまり過信はしないことじゃ。そうでなければ自身が悪に染まって
しまう。それに気を付けるのじゃ。」
エルダール「あとはみんなに空間転移のアビリティを付加しておくわ。これでいつでも奴らがいると
ころに転移できるわ。ただし行ったことがある場所にしか転移できないからそれ以外の場所に行きた
いときは改変のアビリティで変えたりするのもアリね。あとは君たち次第だから頑張ってね。」
そして俺たちはタイムディスターバーとの戦いに備え、装備を調達し、実戦経験も積んだ。これで
いつでも奴と戦える。できればそうなってほしくないのだが。1周目で俺に危害を加えた人間全員を
生け贄にしておいてよかったが、まさかこの時世でも災厄が存在するとは・・・だがそんなものは根
絶してみせる。我々の手で。もうこれ以上自由を奪わせない!とにかく我々は戦い続ける!
第17話 おしまい