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第13話 前回の失敗から得た自制

+α/ν'Game-Life(プラスアルファ/ニューゲームライフ)


第13話 前回の失敗から得た自制


 自身の身の回りを救済し、努力を重ねていくうちに時が進み、俺たちは小学校4年になった。リンネも小学校を卒業し、中学1年になった。1周目では俺は小学校4年のころが最も不甲斐ない人生を歩んでいた。なんてったって、小学校3年からあこがれていた人物への愛着が強くなりすぎてストーキングやオウム返し、しまいには好きである人物の体目当てで着替えをのぞいたりもしていた。今度こそTPO(Time Place Occasion)をわきまえないとな。


千恵美「あら、何か考え事?」


未生「ちょっとね、ゆうべとんでもない夢を見ていたんだ。僕が好きな人に対してつきまとったりマネをしたりして嫌われまくった夢をね。それで僕はね、もっと対人関係の方法を学んだりしないとなって思えるようになって。」


千恵美「へぇ、さすがだね。人間関係か。」


 そうだ、俺がいかに相手の気持ちに対する思いやりがなかったかが本当にわかる。だが今はそうではない。あれだけ先生に怒られまくったら嫌でも思いやりが身につくに決まってる。今度こそ絶対に恋心を乗り切って見せる!


ノエル「未生ちゃんも一生懸命なんだね。そういえば、美玖さんから聞いたけど、小学生のうちから6年までの勉強や中学生以上の勉強もやっているんだってね。」


未生「ちょっとね、将来のことを考えるといっぱい勉強をしないとって思えるから。いつか大学や警察学校に行きたいから。僕の夢は警察官になって悪い奴らを取り締まりたいんだ。」


千恵美「そっか、未生ちゃんって正義の味方にあこがれているんだね。」


ノエル「未生ちゃん、確かヒーロー系のアニメとか特撮を見ているとか言ってたわね。」


 1周目でもよく戦隊系作品を見ていた。果てには少年・少女向け、そして女児たちが見るような作品にもハマっていた。本格的にマニアの道に入り込んだのは高校からであった。そう、ある少女向けの人魚系作品を筆頭にあらゆる美少女系作品に手を出すようになっていった。そして社会人になってから本格的にオタク人生を歩むようになった。まぁ、2次元も悪くないし、今回の人生では2次元も3次元もマスターしてみせる!もちろん時と場合を考えた上で。


嶺吾「そういえば池畑、女の子が見るような作品も見ているんだってね。おとぎ話をモチーフとした女の子が主人公のアニメとか。そして魔法少女系とか。」


未生「それだけじゃないさ。お姉さんたちが見るようなイケメン系の作品とかもね。他にもオタクとかがよく好むような学園系とかも。」


嶺吾「なるほどな。って、イケメンって何だい?」


 しまった・・・前回の人生の癖でこの時代にない言葉を出してしまった。


未生「まぁ、イケてるメンズというやつさ。そう、メンズというのは男性を意味するんだ。イケてるというのはかっこいいとか魅力的とかを意味するんだ。」


嶺吾「そうなんだ。池畑って色々と物知りなんだね。」


 とりあえず説明はしておいた。さすがに時代を先取りするのはよくないな。そういうわけで引き際を考えておいた。

千恵美「そういえば、未生ちゃんって、部活とかはどうするの?もう4年だから入れるわ。」



未生「僕はね、水泳部に入ろうと思うんだ。スイミングで習ったりしていたけど、これでもういちい

ちスイミングに通う必要がなくなったよ。」


千恵美「私も未生ちゃんに続こうかな。というわけで水泳部に入るわ。」


ノエル「私も。未生ちゃんや千恵美ちゃんと離ればなれになるのは性に合わないからね。」


 俺たち3人は水泳部に入ることになった。そして放課後、プールにて、


伊臣「よぅ、君が池畑未生か。俺は5年の立石伊臣たていしいおみっていうんだ。よろしくな。」


未生「こちらこそ、私は4年の池畑未生と申します。」


千恵美「私は井上千恵美です。よろしくお願いします。」


ノエル「同じく大森ノエルです。よろしくお願いします。」


 3人の前に立つ男は5年の立石伊臣である。なんと、小学生でありながらなかなかの長身である。


伊臣「君はいつもスイミングスクールで泳ぎを習ったりしているとか言ってたな。俺と勝負してみるか?」


未生「はい、望むところです。」


 伊臣先輩は俺に対して泳ぎの勝負を申し出た。もちろん受けて立つ!それから準備体操や練習を行

い、ついに対決の時がきた!


伊臣「約束だ、俺と勝負しようぜ。」


未生「お互い本気でやりましょう。」


 俺と伊臣先輩との1対1の勝負が始まる。泳ぐ距離は50メートル、先に50メートルを泳ぎ切ったほうが勝ちである。


千恵美「すごいわね、あの2人。」


ノエル「未生ちゃん、泳ぐの早いわね。さすがスイミングで鍛えているだけあって泳ぎが上手だ

わ。」


 お互いがあらゆる泳ぎ方で前へ進み続ける。両者の実力は互角であった。俺も伊臣先輩も手を抜か

ず、最後まで張り合っていた。


未生「よし、ゴール!・・・そうだ、伊臣先輩はどうなった?」


伊臣「惜しかったか・・・さすがだな。」


未生「こちらこそ思う存分楽しめてなによりであります。」


伊臣「そうだ、来月かそれくらいに小学生の水泳の大会があるっていうんだが、それに出場してみるかい?」


未生「もちろん、僕も出てみたい!そしていっぱい泳ぎたい!そう思う次第であります。」


伊臣「すごい意欲だな。君みたいな部員がきてよかったよ。」


 伊臣は俺に敬意を払うようになった。次に戦うときはさらに強くなっているはず。俺もここで自堕落になっていられない!勉強も運動も努力を重ねてとにかく楽しみまくる!今度こそ後ろ向きにならずに前進あるのみ!


未生「よし、いい感じだ。ビート版なしで100メートルも泳げるようになるとはな。」


 当然部活に入ったからにはしっかりと練習していっぱい技を磨かないとな。そうでないと水泳部に入った意味がない。だって、実力を発揮できて女の子たちの水着姿も見れるなんて一石二鳥である!こんなお得な部活が他にあるもんか。やっぱり水泳部最高!


伊臣「やっぱりお前も男だな、未生。女の子の水着姿に興味あるのかい?」


未生「はい、もちろんですとも。」


 そりゃそうだ、男だったら女の子の体に興味を持つのは当然である。特にあのお方は・・・えーっと、6年の宮本恵那羽みやもとえなは先輩か。おそらく彼女のバストのサイズはEに近いDか。未来予知のアビリティで見ると・・・Gカップか。


恵那羽「何見てんのよ、変態。」


 ですよねー。さすがにいやらしい目で見られたらそのような反応をするのも無理はないか。


未生「ご、ごめんなさいっ!私、宮本先輩にあこがれて、そして泳ぎもいっぱい楽しみたくて・・・この水泳部に・・・入りましたっ!」


恵那羽「へぇ、そうなんだ。悪いけど、あんたには興味ないの。じゃ、私は練習に戻るから。」


 なんだよ、感じ悪い。気に入らないのならちゃんとその理由を言ってくれよな。本当なら水の中に沈めて思いっきり頭を押さえつけてやりたいところなんだが・・・そんなことをしたら間違いなく裁判沙汰だな。


飛美佳「恵那羽ったら、またあんな不甲斐ない態度とっちゃって・・・ごめんね、恵那羽が迷惑をかけたみたいね。あいつ、ほっといていいから。」


未生「いえ、ありがとうございます。えーっと、松川飛美佳まつかわひみか先輩でしたよね。」


飛美佳「そうよ、あいつ、本当に協調性ないわよね。そんなんだから友達もできないのよ。」


 まったくだ。これじゃ1周目の俺と変わらない。俺が手加減できるうちにいい加減自身を改めてもらわないとな。そうでなければ裁判沙汰を覚悟してでも実力行使に出る!


飛美佳「暴力はダメよ。安心して、彼女は私がなんとかするから。あら?どこ見てるの?もう、エッチなこと考えちゃダメだよ。」


 だって、恵那羽先輩にも勝るその立派なモノがあったら・・・おそらくはEカップくらいか。未来予知ではHカップにも育つのか。


千恵美「あの宮本先輩とかいう奴、本当イラつくわね。」


ノエル「未生ちゃんにつらく当たっちゃうなんて・・・本当最低ね。」


伊臣「安心しろ、俺もあいつ、嫌いだから。」


 恵那羽先輩のツンケンした態度によって部員たちは不愉快に陥っていた。そこで彼女が俺と接触をはかろうとする。


恵那羽「池畑未生、私と勝負しなさい。君が勝ったら今後のことは考えてあげてもいいわ。」


未生「もちろんですとも。思いっきり本気を出させてもらいます。」


恵那羽「当然よ。場所は水柳園組合のグランドパークのプールで行うわ。そこで100メートル泳いで

先にゴールできたら勝ちよ。日時は今月の第4土曜日ね。受けて立つわ。」


 なんと、そこで宣戦布告とは・・・これはもう負けられない!ましてや水柳園のプールは何度もメ

イドたちと泳ぎまくってる。だがそれでも努力を欠かさない!恵那羽先輩に勝つために!


未生「ただいま、帰ってきたよ。」


美玖「どうしたの?ずいぶんと張り切ってるわね。」


未生「ちょっとね、水泳部の宮本恵那羽先輩がね、僕と泳ぎで対決したいっていうから。」


美玖「水泳部に入ったんだ。それでまた新たにライバルがあらわれたのね。」


未生「その通り。僕も負けてられなくて。」


瑠衣那「それなら僕に任せて。君をいっぱい育ててあげるから。」


未生「瑠衣那さん、お願いします、僕を強くしてください!」


 俺は瑠衣那さんに頼み込んだ。そして暇さえあれば練習を続け、恵那羽先輩に勝つために努力をしまくった。もちろん勉強も欠かさなかった。勉強に至っては今となっては小学校4年~中学校3年の勉強をするようになった。だが検定資格関連は中学から取得しようと思っていた。いずれも努力は欠かさないけどな。そして泳ぎのバトル当日・・・


恵那羽「来たわね。私と勝負よ。お互い実力を見せないとね。」


未生「望むところです。」


 水柳園組合のグランドパークにて恵那羽先輩と合流する。こうして俺にまた新たなライバルが出現

した。こっちもいっぱい練習しまくってたからな。これなら対等に、あるいはそれ以上にやれるかもしれない・・・だが相手は6年生、油断できない。彼女が冷たい態度をとるということはなにかしら裏があるはずだ。そのためにこのバトルに勝って真相を暴く!だからもう、俺は逃げない!進み続ける!前へ出るためには努力あるのみ!それだけであった。


第13話 おしまい

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