登場人物、用語紹介(贄の微笑み篇~幕間『動き出した世界』)
あけましておめでとうございます、Legeroでございます。
新年ですね。年内の投稿はできませんでしたね・・・もうちょっと早く書けるようになりたいのですが、ままなりませんね。
というわけで、本チャプターは人物紹介や用語の紹介となります。ネタバレが多分に含まれますので、該当のお話をすべて読んでから目を通すことをお勧めします。
人物紹介(誅世の書篇終了時)
・主人公たち
ゼロ
本名ゼロ・レルク。24歳。生まれの名はゼロだけであったが、諸般の理由で苗字を名乗るようになった。
長い黒髪に黒い目。長身。いつも真っ黒な外套を羽織っている。常日頃から無言、無表情ではあるがコミュ障というわけではない。
本作の主人公にして本作最悪の外道。というタレコミではあるが、外道というより慈悲と容赦がないだけな気もしてきた今日この頃。
金さえ出されればどんな依頼でも引き受ける。権力者による政敵暗殺の依頼も引き受けたことがあるらしく、相手にどう思われているかはさておき顔は意外と広い。
なお、それなりに魔術も使えるらしい。作中でしれっと披露した、空中を足場に跳躍する手法(所謂二弾ジャンプ)も魔術を使用しているし、異常な膂力は魔術による補佐を受けた結果である。
余談ではあるが、これだけ人を殺しているにもかかわらず彼が罪に問われていないのは、(作中でも少しふれたが)彼の非道が誰にも見つかっていないか、あるいは権力者によって行いの正当性を保障されているためである。とはいえ殺しは殺しなので嫌いな人はとことん嫌いだし、我々の世界の現代にゼロがいたらまず許されない。
ルー
本名ルリアナ・ハリンマ。作中で公表される予定はない。
一応10歳。年の割に精神が幼すぎ、体格も劣っている。長い銀髪に青い目。現状は言語能力に難がある。
ハリンマの次女ではあるが、魔力無しゆえに不遇な扱いを受けていた。普通の子供なら死んでいてもおかしくない、というかむしろ死んでいないとおかしいような状況におかれていたが、なぜかしぶとく生き残り、ハリンマ家の滅亡と同時にゼロの庇護下に入る。ゼロに異常なほど懐いているが、理由は不明。最近はゼロに新しい服を買ってもらってうっきうき。
不可解な行動、不自然な生き残りとゼロに対する信頼には一応理由がある、らしい。魔族の血が入っていないことだけは確か。つまり異能由来の不自然さというわけでもない。
・ゼロの知己
酒場のマスター
イオニアの帝都ドゥーラの端でひっそりと酒場を経営している男。初登場は贄の微笑み篇。
グレーの髪に黒い目。綺麗に切りそろえた髭には多分こだわりとかがあるんだと思う。
なんだかゼロとそれなりに長い付き合いがありそうな感じの雰囲気を出している。ゼロに恩義を感じているらしく、なんだかんだと彼の手助けをしている。情報屋というのも彼自身の過去と関係があるらしいが、詳細は現状不明。
リア
旅人らしい見た目をした女性。初登場は鈍色の執着篇。
茶髪に金の目。普段はさばさばした口調を心掛けているようだが、動揺すると育ちの良い素の口調が出る。元貴族、あるいはそれに類する立場の人間であったらしい。
ゼロに恩義を感じており、旅先で出会ったときは彼に知恵を貸したり力を貸したりしているらしい。余談だが、剣の腕はそれなり。攻撃魔術もそれなりに使えるらしい。
ロブという名の夫がいる。
アンジュ
ガルの鍛冶屋の一人娘。初登場は幕間の『ゼロとアンジュと幼い少女』。
傭兵ゼロとかいう事故物件にうっかりほれ込んでしまったちょっと可愛そうな女性。しかしそのお熱っぷりはかなりのもので、どれだけ邪険にされても全くひるむ様子が無い。ゼロといる時と、ゼロがいないときでは口調やテンションが全く違う。
何とかしてゼロの視界に(物理的にではなく)入りたがっていたようだが、少なくとも本人はその願いが成就したとは思っていない。ゼロはゼロでそれなりにアンジュのことを案じているようなのが救い・・・だろうか?
鍛冶屋の親父
アンジュの父親。初登場は幕間の『ゼロとアンジュと幼い少女』。
ゼロの刀を打った人。ゼロが大概無茶な使い方をしているにもかかわらず、彼の打った刀がダメになったことが無いと、かなりの腕を持っている。のちの『誅世の書篇』においても城の床を引き裂くという荒業をやってのけたが、やっぱり大丈夫だったらしい。
寡黙で不愛想だが、ゼロの稼業や、娘の若干不安になる男の趣味にも一定の理解がある。また、ゼロとの付き合いもそこそこ長い。
・魔族陣営
竜崎董千
第271代竜崎の巫女。長女。兄弟は無し。
黒髪黒目。ゼロより頭一つ分くらい背が低い。中性的な口調。
幼いころより神童と呼ばれていながら、その二つ名に恥じない努力を重ね、見事その才能を開花させた女傑。歴代の竜崎の巫女と比べても戦闘力は上位に位置し、あるいはゼロにも匹敵するらしい。特に魔術に対するセンスがずば抜けている。
作中においては、竜崎家の悲願たる誅世の書の回収を目的として活動している。他人を使うことに一切のためらいが無く、その人物が使えるか使えないかを物事の判断基準に入れるなど、実は意外と冷たい女性。とはいえ使えると感じた相手には相応に優しく、また他人に対する情を持っていない、というわけでもなかったり。冷静ではあるが冷徹になり切れない、という感じの認識で多分大丈夫。
異能は、『深蒼審理』。善いものは明るい色に、悪いものは暗い色に見えるという、適応範囲が広範な、強力な能力。しかし消耗が非常に激しく、また、善い悪いの基準が何を由来としているのかが分からないという弱点を抱えている。誅世の書篇でバータ家の翻意を見抜けなかったのもそのため。彼女には、バータ家は『善い寄りの者』として見えていた。
完全に余談ではあるが、彼女から見たルーはすごく明るい色をしているらしい。
鳴海蓮
竜崎董千に付き従う従者。初登場は誅世の書篇・・・ではなく竜崎の巫女篇。
銀髪に黒い目。丁寧な口調。
割と何でもこなせる天才肌。ただし魔術では董千に勝てないらしい。
仕事人間といった感じの人間(魔族)。忠誠心はおそらく作中トップクラス。やや冷たい印象を受けるが、内心としてはむしろ情熱的な部類に入る。
異能を持っていない。
鳴海小春
竜崎董千に付き従う従者。蓮の娘。
銀髪に黒い目。初々しい口調。初対面時の不自然な口調は、単にガッチガチに緊張していたからである。それも含めて、何処か危うい印象を受ける少女。多分14歳くらいだと思う。
何となく頼りない印象を受ける少女ではあるが、懸命に母の後ろを追いかける姿勢を董千に気に入られたらしい。
異能を持っていない。
その他
イオニア帝国第3皇子
贄の微笑み篇に登場したイオニア帝国の第3皇子。爽やか系の男で将来有望だったため、それなりに人気があったらしい。
自分は皇帝の器ではないと思っている。ある意味ゼロとは似ている部分があるのかもしれない。
今はイオニア帝国の首都ドゥーラの、そのまた近くの林の中、皇族所有の屋敷で軟禁生活をしているらしい。
パン屋の少女
贄の微笑み篇に登場した、イオニア帝国第3皇子の妻となった少女。自分に思いを寄せる幼馴染をあっさり切り捨て利用した怖い人。まあもともと心証は悪かったみたいだけど。
今はイオニア帝国の首都ドゥーラの、そのまた近くの林の中、皇族所有の屋敷で軟禁生活をしているらしい。
ドゥーラのとある青年
贄の微笑み篇に登場した、パン屋の少女と婚約関係にあった青年。
あらゆる意味で不憫な運命をたどってしまった、多分本作で現状一番かわいそうな人。多分第3皇子アンチに英雄扱いされてると思う。死んでからも利用されるって・・・。
ユーリ・スティテイア
純白の願い篇に登場した、セイヴァ征伐作戦に参加していた兵隊の隊長。同時にイオニア帝国の貴族でもあるらしい。
金髪碧眼。多分イオニアはそれが多いんだと思います。一応書いとくと女性。
清廉潔白で若々しい正義感に満ち溢れた、良くも悪くもまっすぐな少女。ゼロのことは死ぬほど嫌いで、作中でもかなり強硬な態度で言い争いを起こしている。作中ではイオニア帝国によるセイヴァの民への殺戮を何とか食い止めようといろいろしていたが、そこにゼロがいたのが運のつきであった。
トスク、カートン
純白の願い篇に登場したイオニアの兵士。それ以上でもそれ以下でもない。
ハリンマ一家
キャラが薄いので一括で。鈍色の執着篇に登場した、同作品におけるゼロのターゲット。ゼロに殺害され、燃え盛る館の中に放置された。
両親と娘の3人。ルー(ルリアナ・ハリンマ)の家族だが、ルーのことを虐〇していた。
実は昔は民のために身を粉にし働く、善良な貴族であったらしいのだが、もはやそれを知る者はいない。
秘書官
ロリコン。
・・・ハリンマで実質的なクーデターを起こした、鈍色の執着篇における黒幕的なポジションの男。のうのうとハリンマ領主代理に就き権力を掌握したが、唯一ハリンマの血を引くルーを取り逃がしてしまったので計画に陰りが出ている。頑張れロリコン。さっさと敗北してください。
マール、ジェイ、エリン
ハリンマの愉快な兵士3人組。初登場は鈍色の執着篇。
マールは一番まともで常識的だが、とにかく影が薄い。仲間内での扱いもそんな感じのようである。エリンの怖い発言にいつもビビっている。
ジェイは口調が荒く興奮しいで、皮肉を言ったり冗談を飛ばしたりするタイプの人。エリン相手に軽口をたたいてはもがれそうになったり引き抜かれそうになったりしている。
エリンは多分サイコパス。口調が丁寧なせいで余計に怖い。多分見た目もキラキラっとしてると思う。これが3人の頭脳担当って先が思いやられるなぁ。
作中でジェイが、王都育ちがどうこうと述べていたが、残念ながら3人ともリース・ヴィアラの王都育ちである。
作中では明言されていなかったが、あの口の軽すぎる会話はゼロに依頼されたという裏話がある。
ミサンダ、シック、ノイアス
致命の妄想篇に登場した、王宮付き兵士候補だった人たち。
ミサンダは3人衆の紅一点。ノイアスに恋をしていたが、彼が森に逃げ込んでしまったためゼロに依頼をかけることになる。
ノイアスは腰抜けのビビり。こいつがふがいないせいで悲劇が起こったと言っても過言ではない。というか事故とはいえミサンダを手に掛けたし。
シックはこのお話の中では一番影が薄い。好いた女性を殺したシックを殺め、そのまま自死を選んだ。多分責任感とかは強かったと思う。
本屋のおっさん
竜崎の巫女篇に登場した、董千による窃盗事件の被害者。元軍人で今でも結構強い。
一応結婚していたがとんだ外れを引いてしまい、散々荒らされ逃げられた末にその本人は後ろ暗い理由で死んでしまったという、結構可哀そうな人。本人は気にしていないが。
普段は気のいいおっさんらしい。
傭兵団『緋色の翼』
誅世の書篇に登場した王宮お抱えの傭兵団。ライバート、リィンヴァルナ、ラーナ、サリアの4人で1セット。
ライバートは茶髪の青年。傭兵団のリーダーであり、正義感が強くそれでいて度量も深い。若さゆえの全能感に若干支配されかけているものの、基本的に理知的。殺しを嫌うのが欠点だが、それを封印してもなお優秀な傭兵を名乗れる程度には強いらしい。得物は広い刃の大剣。
リィンヴァルナは緑髪の少女。ライバートとは同郷の幼馴染。天然が入っていて無邪気な、傭兵団の癒し枠だと思う。ただし戦闘スタイルはゴリゴリのインファイト。しかもグラップラー。ライバート主人公のラノベ書くとしたらこいつがヒロイン枠、という認識で大丈夫。
ラーナは金髪の少女。聖騎士風の見た目であり、実際そうした攻撃も回復もできる枠。得物は片手剣。高貴だがそんなに高飛車な印象を受けない。生まれは実際高貴だけど。建国記念祭では年甲斐もなくはしゃいでいたらしい。姓はレベティリア。
サリアは紫髪の女性。メンバー最年長の魔法使い兼頭脳担当兼みんなのストッパー。得意属性は雷。老成した口調で話してはいるが、別に中身がおばあちゃんとかそういう設定はない。少数民族の出身で、フルネームがすごく長いらしい。
アルフレッド・レベティリア
ドリア王国第2王子。初登場は誅世の書篇。
本篇の中心となった、誅世の書の引き渡しを全面的に執り行った。その際に、人手を集めるためにと『緋色の翼』を招集し、戦力として宰相の一家を参加させるなど、人望に篤い人物。
『緋色の翼』の面々及び竜崎董千と個人的な友誼を交わしている。特に緋色の翼はかなり信頼し、重用しているらしい。
自信家で何処か楽観的だが、脅威を脅威として認めることの出来る人物。しかし心のどこかで、自分ならできると根拠なく思っている節があるようだ。
アルベルト・レベティリア
ドリア王国現国王。初登場は誅世の書篇。
長年にわたってドリア王国をまとめ上げてきた老獪な国王。堂々としているので気づきにくいが、心の中ではいろいろと策をめぐらせている。まあそれが国王の仕事みたいなところあるし。
竜崎董千と個人的な友誼を交わしている。
フラミア家
ドリア王国の宰相とその一家。両親と息子一人、娘一人。
一家そろって炎の魔術の使い手であるが、本篇中ではあまり活躍しなかった。相手が水属性だったし仕方ない。魔術的にはかなり強力な一家らしい。王との中も悪くない。
バータ家
ドリア王国にて『誅世の書』の封印、監視を担当していた歴史の長い一家。両親と娘一人。娘のみ後述。
百年強前に当時の竜崎、瞳爛によって送り込まれた一族の末裔。よって、人間の血が大分入っているが、魔族の家系である。
『誅世の書』の引き渡しに乗じてそれを奪い取り、己の理想がために利用しようとした。
ルヴァーサ・バータ
バータ家の一人娘。本篇中ではゼロ、緋色の翼、フラミア家全員まとめて大立ち回りを見せ、見事『誅世の書』を奪い取った。一応、書物によるバフは乗っかっているようだが、それにしても見事な運命力である。
本人の性格は生真面目。そして意外と肝っ玉。自分の腕を犠牲にしても生き残るというとっさの判断にしては恐ろしいことをしてのけた。
古の意思、とやらを感じていたようだが、果たして・・・。
・過去の人物
竜崎呉羽
第224代竜崎の巫女。長女。弟がいたらしい。
悪女の汚名と共に今なお大陸で語られる、最悪の竜崎。国を亡国に追いやり、神を封印し、何人もの人間、魔族を路頭に迷わせ、己を地位から追いやろうとする者は容赦なく追放し、ひどいときは消していたらしい。誘拐、拷問、洗脳すらも行っていたとまことしやかにささやかれているが、これらに関しては現代に残る証拠がない。
異能は、『???』。幻を操ることの出来る能力らしいが、具体的に何ができたのかは残念ながら伝わっていない。名称は作中未登場。
竜崎想耀
第225代竜崎の巫女。長女。兄弟は無し。
竜崎呉羽の孫。母親は竜崎の巫女の座に就くことなく死亡したという。
竜崎呉羽を失脚させ、殺害したとして現代では英雄視されている。27の若さで早世。
異能は、『??』。
竜崎瞳爛
第266代竜崎の巫女。長女。兄弟は無し。
不自然なほど現代に情報が残っていないが、無能であった、とされている。
ドリア王国にバータ家(霞流家)を送り込んだとされている。
異能は、『????』。作中未登場。
・大陸模様
イオニア帝国
贄の微笑み篇の舞台。純白の願い篇においても侵略者として登場。
広い国土を持ち人口も大陸でもっとも多いが、国土の大部分が山岳地帯であるが故に第一次産業が貧弱。半面山の資源には恵まれているため、それらを活かした軍事力は大陸最強クラスである。そのためか何かにつけて他国の侵略をしたがる困った国。ちなみに山の上の方は本当に寒いらしい。
ドリア王国とは同盟関係にある。多分食物も輸入してると思う。対価は武器とかじゃないかな。
隣国(国ではないけど)セイヴァの肥沃な土地を狙って侵略戦争を仕掛け、返り討ちにされた歴史がある。にもかかわらず本編中では懲りずにもう一度侵略を仕掛けている。今度はそれなりにうまくいっているようである。
皇帝は存命であり、3人の王子がいる。ただし贄の微笑み終了時点で第3皇子は失脚している。
伝統を重んじる国民性を持っている。婚姻前には互いの色を取り込んだアクセサリを相手に贈るという昔からの伝統があるらしい。誓いの証と呼ばれていたりいなかったり。
家は石造り、街も石畳で整備されている。町中の緑はそんなに多くない。魔導車の行き来は実は意外と少ない。山岳地帯だと魔導車は少し使いにくいんです。
金髪碧眼が若干多い。
セイヴァ
純白の願い篇にて登場した集落群の総称。集落ごとに差異はあれど、大体の集落が狩猟、農耕を中心としてつつましく暮らしている。
集落に住む人々は単純に『セイヴァの民』とひとまとめにして呼ばれるが、彼らは帝国とこれまで以上に親しくするべきだと考える親帝国派と、帝国との関係を断ち切るべきだと考える反帝国派と言った派閥に分かれている。全体的な傾向として、イオニアに近い集落ほど帝国に対する心証が悪い。
作中ではイオニアの襲撃を受け、反帝国派の集落はほぼ全滅の憂き目にあった。
家は木製、草ぶきの屋根。道は土。街の外にも中にも畑がたくさんある。魔導車はあまりいない。セイヴァの人は魔導車を使わないが、行商人が魔導車に乗ってやってくることがある。
リース・ヴィアラ王国
鈍色の執着篇の舞台となった大都市ハリンマを擁する、大陸の南西部に位置する王国。いろいろなものを持っているが突出したものが無い国。
石造りの家に石畳、街中の緑が多く山と隣接する街も多い。代表はハリンマ。
ハリンマ
リース・ヴィアラ王国に属する大都市。ハリンマ家が代々治める領地であり、年中を通して狂暴な原生生物の脅威にさらされている。とはいえ、先祖代々同じことを繰り返してきただけあり、その対処にはある程度慣れてきているようだ。
ガザレイド小国連合
致命の妄想篇から幕間『ゼロとアンジュと幼い少女』までの舞台。大陸中心部で大国のドリア、クレアーラ、ついでにリース・ヴィアラにも囲まれた、5つの小国が集まった連合。指と呼ばれる、それぞれの国の代表5人による連邦制で成り立つ国。
小国連合の首都ガルは鉄鋼と鍛冶の国、ザザルは魔力無しの国、レアルは難民たちの国、イアラは商人の国、ドーラは農業の国。
若干内部分裂を起こしかけているせいで国力は大したことが無い。周囲の国がどれも好戦的でないのがかろうじての救いか。
特にガルの鍛冶技術は大陸でも結構有名である。
技術はイオニアが少し劣化したくらい。石造りの家に石畳。緑はほとんどなく魔導車の量がえぐい。
ドリア王国
誅世の書篇、および幕間『動き出した世界』の舞台。大陸をトの字型に横断する山脈の、東西に広がるほうを隔ててイオニア帝国と隣接している。イオニア王国とは同盟関係にある。
温暖で安定した気候の街が多く、農作物などの産出量も多い。鉱山の類も北の山からある程度取れるが、加工技術は特筆するほど発展しているわけではない。
服飾はかなり強い。
過去に、『誅世の書』によってひどい目に合った歴史を持っており、例の書物及びその著者である竜崎呉羽を酷く恐れている。件の事件は『勇者の悲劇』と呼ばれており、民間人にさえ被害が出ていたらしい。またその際に、当時の王族を皆殺しにされている。王族のレベティリア家は二代目王族なのである。
街は石造り、石畳で整備されている。町中の緑が多く、魔導車の通行もそれなり。
龍慈手御渓谷
魔族たちが暮らす、西野山脈を越えた先にある渓谷。読みは「るのみてけいこく」。
中心を一本の大きな川が流れており、それに沿うように魔族たちが暮らしている。
家は木製。だが水と魔力も使っているらしい。火事がとても少なかったりとかなり良いものらしい。道は土。水をくぐらせた特別な布を使った服を着ていたりと、かなり文化体形が異なる。魔導車はないが、魔族全員が飛行の魔術を使うことができるため移動や運搬には事欠かない。
誰もが皆己が神を信じ生きており、神に尽くすことこそ生きがいというものが多くいる。
・その他用語説明
魔族
この大陸に暮らす、人間とは違う種族。見た目は人間と変わらないが、魔力量が高く、また『異能』と呼ばれる特殊な力を持っている。ただし異能は全員が持っているわけではない模様。
水の神、水龍神を崇めており、かの者のためならば己の身を捨てることすら厭わない、よく言えば敬虔な、悪く言えば厄介な者も存在するらしい。竜崎の巫女の独裁によって統制される。人間とは違う独自の価値観や文化形態を持つが、本作においては人間と敵対していない。
銀髪に黒い目をした者が多い。
竜崎の巫女
魔族たちを統率する者。同時に、彼らが信奉している水龍神の声を聴き、言葉を代弁する者。世襲制であり、また例外なく長女がその座を継いでいる。
神に近いからかそれとも別の理由からか、魔力も強く、強力な異能を持った者が生まれやすい。
誅世の書
千年前の竜崎である、竜崎呉羽によって書かれた書物。
本作で最も重要なアイテム。内部に何が書かれているのかは、現状では不明。『勇者の悲劇』の原因となった術式が記載されているのは確か。つまりロクなものではない。
竜崎董千とその部下たちは、竜崎想耀が残した『この世界にばら撒かれた、誅世の書10冊を回収し、全ての誅世の書を地下の祭壇に捧げること。誅世の書をこの世に残しておけば、そこに込められた千と八十の術が、竜崎呉羽の意思をこの世に体現するだろう。それは大いなる災いとなり、生きとし生ける全ての人々から、世界を奪うだろう。』という遺言に従って、これらの回収に向かっている。
魔導車
魔力で動く車。主に人間の国で見られる。
元々が馬車(この世界に馬いなさそうだけど、便宜上そう呼ぶ)の進化系であったため、見た目はほぼほぼ馬車の客車部分。御者席の部分にレバーとかがあってそれで操作する。
2024/5/12 フリガナ降ったり不正確な表現を消したりしました