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青の塔  作者: あきお
20/55

19   逃走






 馬を一頭連れて戻ってくるキアヒムを見ながら、茅乃は考えていた。


 ・・・・・キアヒム君は、強い?


 剣での戦いというものをはじめて目の当たりにした。威嚇をするような怒声を上げるレオトールの兵士に比べて、同じように声を張り上げるでもなく、静かに、いっそ作業のひとつのように戦う後ろ姿を茅乃は見ていた。三人の兵士の足に傷を負わせていたのは、追手をここで止めるためだろうか。最後のひとには容赦なく剣を使っていた。飛ばされた腕が放物線を描いて地面に落ちたのを見たときはほんとうに腰が引けた。逃げようとする本能を、動けば邪魔になるという理性で蓋をしてなんとかその場所にとどまる。

 かろうじて水路の傍から逃げ出すこともなくへたり込むこともなかった茅乃は、手の中に摑んでいた石をもう無用のものだと判断して足元に捨てる。そして、馬の手綱を手にして目の前に戻ってきたキアヒムを見上げた。

 どこにも返り血は付いていない。東の方、追手へと向き直ったときと同じ、その姿に新しい汚れは見当たらない。怪我のない様子に安堵する。その銀色の眼と眼を合わせれば、四人もの敵を倒してきたにもかかわらず、茅乃が汲み取れるほどの感情の揺らぎはどこにも見受けられなかった。尖塔やそこを脱出してからの、茅乃と会話をしていたときと変わらない表情。おそらくキアヒムにとって敵と戦うことと、茅乃と会話をすることは同列なのだろう。

 ・・・・・計り知れないひとだなあ。

 およそ同じような感想をキアヒムが抱いているとも知らず、茅乃はふとキアヒムの手にある巾着のような鞄を見た。

「それは?」

「これか。これは食料だ」

 そう言って絞られていた鞄の口を開けて見せてくれる。中は紙や布に包まれたものがごちゃごちゃと入っていて、どれが食料なのか、その中身がなんなのかさえ茅乃にはわからない。が、ひとまず兵士のひとが持っていたということで携帯食料のようなものなのかな、と考える。

 首を傾げた茅乃に、キアヒムは別の包みを開けて中身を渡してきた。

「こちらのほうがわかりやすいか」

「・・・・・」

 思わず受け取ったのは硬く乾燥した、茶色とも赤色ともつかない薄い物体だった。

「これは、なんです?」

「食べてみるといい」

 そう言ったキアヒムが頓着なく自身の口に放り込むのを見て、茅乃も手の中にある物体の端っこをかじってみる。

 見た目と触った感じのとおり、硬い。噛めない。そう大きくもないものなので、キアヒムがしたように、全部口に入れてみる。

 もぐもぐ、もぐもぐと咀嚼するとすこし強めの塩味を感じた。その後に来る、独特の旨味。これは、と茅乃は目を瞠る。

「・・・・・・お肉!」

「干し肉だ。保存食だな」

 もぐもぐ、と口を動かしながら茅乃は日数を数える。実にひと月以上ぶりに食べる肉類だ。あまりにも久しぶりすぎて涙目になる。

「おいしい・・・・・!」

「まだあるから泣くな」

 ほら、とおかわりの分を受け取って、それも口の中に入れる。無言で口を動かす茅乃を見て、キアヒムが小さくつぶやいた。

「ただの干し肉なんだがな・・・・」

「・・・・だって! ずっと食べられなかったんです!」

 美味しくない毒入りの肉料理を見ていれば、なんということはない干し肉を美味しいと思えることがどんなに幸せか。きれいに焼かれて美しく盛り付けられた料理がどう、という問題ではない。そろそろ切実に茅乃の体がたんぱく質を欲していたのだ。

「水分も摂ったら出発するぞ」

「わかりました」

 名残惜しいが、口の中のものを飲み込む。傍らの水路に手を突っ込んで水を掬い、飲んで振り返るとキアヒムが馬の鞍を外しているところだった。

「それは、いらないんですか?」

「ひとり乗り用だからな。あれば邪魔になる」

「へえ・・・・」

 なんとなくそう返事を返した茅乃は、鞍を取り払ったキアヒムが慣れた様子で馬に上がるのを眺めていた。そして馬上から伸ばされた手とかけられた声に、反応が遅れた。

「この手を摑んだら、引き上げる。鐙はないから、オレの足を代わりにしろ」

 ふむふむ、馬に乗れということだよね、と茅乃は受け取って、背中側に差したままだった釣竿をいちど抜いて手に持ち替える。

 反射のように目の前にある手にじぶんの空いた手を添えて、言われたとおりに摑もうとした瞬間、ギリギリのところで茅乃は思い出した。

「あっ」

「なんだ」

「キアヒム君、これは、危ない」

「なにが」

「わたしがキアヒム君の手を摑むと、キアヒム君の手が粉々に・・・・・」

 骨もろともほんとうに砕ける。力の調整ができないのだ。

 茅乃自身忘れていた怪力を思い出した。ほんとうにギリギリだった。うっかり普通に摑んでいたら取り返しのつかないところだった。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 無言になった茅乃とキアヒムの間、触れ合ったままだった手と手が離れる。

 どうしたものかな、と茅乃は考える。鞍のない馬の乗り方はおろか、馬に乗るという知識さえない。手綱を手繰ったところで力に耐えられない手綱が千切れるか、最悪馬自体が引き倒される。かといって馬上にいるキアヒムの手を摑むこともできない。


 もしかして、ここで置いていかれるってことはないよね?


 そろそろ邪魔だと思われはじめているかもしれない、と茅乃は不安になる。キアヒムを逃がすつもりで尖塔に向かい、ともに脱出することができた。だがどう考えてもキアヒムはもう牢の中の身ではないし、キアヒムひとりだけ逃げたほうが速いし効率もいいと思う。

 もしそうなったらどうしよう、と茅乃は真剣に考える。

 無言で考えこむ茅乃に、同じく考え込んでいたふうのキアヒムからふたたび声がかかった。

「神子の力はよくわからないが・・・・」

「はい?」

「カヤノがオレの手を摑むことが問題なんだな?」

「あ、はい」

「オレがカヤノを摑むことには問題はないのか?」

 逆のパターン・・・・と、茅乃は考え、思い出す。

 茅乃が力を加えると、たしか異様な怪力が発揮された。潰せるし、丸められるし、砕ける。だが、言われてみれば昨夜打たれた頬は怪我は負ったものの大怪我には至らなかった。力を受ける、という点に関しては茅乃が考える通常の範囲であるように思う。

「そう言われれば、受ける、ということなら大丈夫かと・・・・・」

 頬の湿布に触れていたのは無意識だった。指先と頬に走った感触で、布に触れていることに気が付いて手を離す。布の上からでも触ると痛むのだ。

「そうか」

 短い返事が返ってきて、どうするのだろうと見上げた先でキアヒムが身をかがめるようにした。茅乃自身にキアヒムの影が落ち、そこからもさらに身を落としたキアヒムの腕が茅乃の両腕の下をくぐり、腹部へと回される。

 グイ、と引き上げられ、地面から足が浮く。両足が揺れたのもつかの間、すぐにドサリと衣擦れの音とともに馬の背へと引き上げられていた。

「・・・・・ありがとうキアヒム君。それと」

「なんだ」

「わたしは、結構重いと思うんだけど・・・・・」

「ひとひとり分の重さだろう。上げられないこともない」

「・・・・・・」

 そうなの? そんなものなの? と俯いてグルグルと考えるが、結果として今は馬の上に引き上げられている状態だ。顔を上げれば馬の後頭部と鬣、前を向いた細い耳がある。その耳がピンと動くのを見て、茅乃は自重について悩むのをやめた。どちらにしろ上げられた後であるし、手間をかけさせてしまったものの置いて行かれることにはならないようでよかった、と捉えることにしようと頷く。

「すこし馬を歩かせるが、体調が悪くなるようなら言ってくれるか」

「体調?」

「体が痛んだり、なかには酔うものもいる。休憩は挟めるだろうから、無理はしなくていい」

「わかりました」

 そう答えて、いまだにキアヒムの腕が腹部に回されたままであることに気が付いた。

「あの、キアヒム君、この腕は」

 放してくれないかな、と思いながら言った言葉に、あっさりとした否が返ってくる。

「馬の上は揺れるぞ」

「・・・・・・」

 たしかに、茅乃は馬の上にあって摑めるものがなにもないと気が付いた。手綱は千切れるだろうし、鬣はむしり取ってしまうだろうし、キアヒムの腕を摑めば砕ける。さすがになにもない手放し状態でバランスが取れるとも思えない。つまりこれは、じぶんが落ちないための安全装置だ、と考えた茅乃の口からつい言葉が落ちる。

「・・・・ジェットコースターの、安全バー」

「なんだそれは」

「あ、いえ、なんでも」

 言葉を濁した茅乃を気にするふうもなく、キアヒムから注意点を言われる。

「頼むから、揺れてもオレの腕を摑んだりはするなよ」

「き、気を付けます」

 両手に持ったままだった釣竿を、かわりのようにギュッと握りこんでとても重要な事項を頭の中に叩き込む。手にするのは、この釣竿だけにしなければ。

 そう考える傍らで、もどかしさも感じる。

 レオトールの後宮では他人との間に距離があった。触れることもなければ摑むこともない。そもそも日常を送っていればそれが普通だとは思うが、今は日常ではない。逃走している最中だ。その中で普通だと思うこと、普段通りだと思う行動を、取ることができない。あげくとっさに取ろうとした行動に制限がかかる、ということは地味にストレスだと感じる。

 なんとかしたいなぁ、と茅乃は考える。

 といっても、どうすればいいのか、今のところなにも案がない。この力のコントロールはできるものなのだろうか。力を込めれば発揮されるものだが、意図していないとっさのところでも力が使われては茅乃は怖くてなにも摑むことができない。

 普通の力でいいんだけどなぁ。

 そう考えていた茅乃を乗せた馬が、ゆっくりと歩きだす。カポ、カポ、と鳴る蹄の音はどこかのどかで、周囲を見渡す余裕が茅乃の中にうまれる。

 軽く上下に揺れる振動を感じながら、いつもより見通しのいい景色を眺める。最初に見たときよりもずっと近くなった神域と、相変わらず下草の生える大地。キョロキョロと視点を移動させていた茅乃の背後で、キアヒムの声がした。

「大丈夫そうだな。すこし走らせるぞ」

「あ、はい」

 答えたとたん、グンと体が持っていかれる感覚がした。若干のけ反った背筋が背後のキアヒムに当たる。緩やかだった蹄の音は力強く、地面を蹴る振動として茅乃に伝わる。


 舌を噛みそうな速度に、茅乃はその後、数時間耐えた。



 空にあった陽が傾くまでに、二度の休憩が挟まれた。追手の襲撃はこの日合計三度あり、そのたびにキアヒムの手で馬から降ろされ、離れたところからその戦いを見守ることになった。回を重ねても安心だという気持ちはどこにもなく、息を詰めるように見ていることしかできない。幸いどの戦いにおいてもキアヒムが負傷することはなかったが、これほど度々では疲れが溜まってくるのではないかと茅乃は考えてしまう。

 だが、戦闘のたびに食料を確保し、ときには馬を交換している姿を見ると要らない心配なのかとも思ってしまう。


 水路に沿って走る馬の上から、まるで水に沈むように太陽が地平線に溶けていくのを見届けると、キアヒムが馬足を緩めた。

 陽射しに細めていた目を見開くと、空の色が変わっていた。焼けるような色彩の色合いから、闇へと変わる前の頃合い。紺色を薄く伸ばしたような空を見上げると、背後でキアヒムの声がした。

「夜が来たな。しばらく追手はこないと思うが」

 そう言ってたいして音も立てずに馬から降りる。馬上の茅乃はキアヒムの手を借りて、というよりほとんど抱えられて降ろしてもらわなければ地上に立つこともできない。


 ほんとうに小さな子供になったみたいだな。


 とても手を焼かせている、と思う。

 ほんとうは、きちんと年相応に自立して、じぶんで行動するべきだと思う。だが、それができない。ジレンマのような、苛立ちのような感情を抱えながら、それでも今はそんな状況ではない、と気持ちを押し込める。

 地面に降りたら降りたで、体に力が入らない。生まれてはじめての乗馬に、全身が筋肉痛を起こしている。ガクガクと震える体は数歩も歩かないうちにクニャリと崩れ落ちた。

「大丈夫か」

「だいじょうぶ・・・・、歩けないだけで」

 草の上に蹲った状態のまま答える。唯一動かせる頭を巡らせてみれば、鞄からなにかを取り出したキアヒムが、それを地面に打っているのが見えた。木の枝のようなそれに、馬の手綱を括りつけている。とするとあれは杭だろうか。

「炊事に取りかかりたいところだが、火を点けると居場所が知られる。たいした食料もないのが痛いところだな」

 そう言いながら、鞄から取り出した茶色の小さな物体を渡してくる。震える腕でそれを受け取り、見つめる。

「これは、ご飯ですか」

「そうだ。携帯用だから美味くないがな」

 ふんふん、と匂いを嗅いでみる。強い匂いはなく、どこか乾燥した、香ばしい香りがする。

「食べられるならじゅうぶんです・・・・」

 パクリと口に入れると、ほろりと崩れた。小麦粉の風味がするが、なるほど、キアヒムの言うとおり味が薄い。ほのかな甘みを感じる。いうなれば甘さ控えめのクッキー、といったところだろうか。

 もさもさした物体を時間をかけて食べると、二つ目が渡される。それも食べ終わると、本日のメインディッシュが渡された。その茶色ともつかない薄い物体を見て茅乃の目が輝く。

「お肉!」

 干し肉である。

「よく噛んで食べるように」

 食らいつきかねない茅乃の様子を見て、キアヒムが釘を刺すように言ってくる。それでも五つほどの塊を渡されて、茅乃はご満悦だ。

 ひとつ目を口に入れて、ゆっくりと丁寧に噛み、飲み込んでいく。なんども咀嚼しているうちに、三個目くらいで茅乃は空腹感が消えていることに気が付いた。

「お腹いっぱいです。これはまた明日にします」

 そう言って残りの塊を返却する。返却分を受け取りながら、キアヒムが手のひらの上の干し肉と茅乃の顔色を見比べるようにする。

「食べないともたないぞ」

「これ以上食べる方がしんどいです」

 答えて、水路へと向かう。掬った水を飲むと、体の渇きが消えた。全身の筋肉痛も若干和らいだ気がする。

 命の水、とつぶやいて茅乃はキアヒムの傍らへと戻る。

 陽光もなく、火種もない状態だ。星はあるが地上に届くほどその光の強さは十分ではない。それでも自然の現象のひとつとしてゆっくりと太陽が沈み夜闇が訪れたのと同じように、ゆっくりと茅乃の目も辺りの暗さに慣れていく。

 すべてをしっかりと視認できる、というほどではないが、なんとなくここに影がある、あちらの方に木立が見える、くらいの認識はできる。

 キアヒムの横で、たしかこの辺りに置いた、と手探りで細い枝のような釣竿を探る。パタパタと地面の上を手で触れていると、指先に、硬質な感触を捉えた。

「あったあった」

 手探りで慎重に針を外し、ふとキアヒムとの距離を測り、方向を考えて釣竿を振る。今までほとんどひとりのときにしか釣竿を使っていなかったから気にしたことはなかったが、誰かがいるときは針を投げる際に注意をしないといけない。

 怪我をさせないように、気を付けないと。

 せっかく追手との戦いでも無傷でいるのだ、こんなところで怪我を負わせるわけにはいかない。

 慎重に振った針はわずかな星の明かりを反射して一瞬だけ光る。その軌道を目で追って、誰もいないところにちゃんと投げられたことを確認する。

 地面に跳ね返される、と思った瞬間に、やはりというか針は地面の下に沈んだ。


 相変わらず、どうなってるのかな。


 仕組みも原理もよくわからない。けれどもこれがお務めであるらしいから、やっておこうか、というくらいの気持ちで茅乃は釣竿を手にしている。

 魚がかかるのを待つ釣り人のように、ぼんやりと竿先を見ている茅乃に、声がかかった。

「カヤノ」

「はい?」

「それは、なにをしてるんだ?」

「・・・・釣りですが?」

「ここには、川もなにもないよな?」

「・・・・・!」

 ぼんやりと、ほんとうにぼんやりと開いていた茅乃の目が見開かれた。

「―――ですよね!」

「ですよねってなんだ、どうしてそんな他人事みたいに言っている?」

「いや、なんだかこの釣竿はどこでも使えるみたいなんですけど、これが普通なのかと思っちゃって。キアヒム君がそう言うってことは、やっぱりこれは、おかしなことなんですね?」

「普通? 普通、水場のないところで釣りはできないだろ」

「わたしもそう思ってましたー」

 なんだ、やっぱりこれは不思議な現象なんだな、と茅乃は再認識する。

 不思議な世界の不思議道具だ、という認識くらいしか持っていなかったが、なにぶんこれまで釣竿を使うときにいるのはほぼじぶんだけだった。他のひとがいないところで使うので、いうなれば、この世界のひとの反応というものを見たことがなかったのだ。じぶんが見た光景を、こんなものなのか、とひとりで納得していたわけだが、どうやら茅乃が感じた不思議は当たり前のことではなく、不思議のままで良かったらしい。

 そっかぁ、と新しい発見をしながら、チョイチョイと釣竿を動かす。レオトールの後宮の中でやっていたときと同じように、針先がなにかに当たっている感覚はあるが、引っかかる気配はない。

 筋肉痛の名残がある腕で釣竿を持つのも限界がある。なにもかからないというのならこれ以上はやっても意味はないだろう、と針を引き上げることにする。


 今日も釣果は無し。


 調整をするように、と言われたけれど、これでいいのだろうかと毎回思う

 きちんとできているのかもわからないまま、揺れる頭を持ち上げて針を取り、テグスを巻き付けて留める。

 ルーティンのように行っていた動作をしていると、見かねたのかキアヒムから就寝を促された。

「寝ててもいいぞ」

 釣りを始めたときから揺れている茅乃の体を見たのだろう。半分落ちてきた瞼の下から茅乃はキアヒムの声が聞こえたほうを見る。

「見張りの、交代とか・・・・」

「期待していない。それよりも眠れるうちに眠った方がいい。追手が来たら起こす」

「・・・・そのときは、叩き起こしてください・・・・」

 強烈な眠気の中、そういえば昨日は寝てないんだった、ということを思い出す。

 グラグラと揺れる頭ごと、草の上に横たわる。

「おやすみなさい・・・・」

 就寝のあいさつをするのは、もしかしてこの世界に来て以来じゃないだろうか、と考えながら茅乃は眠りに落ちた。




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