アリシアの本心
やっと本題に到着です。
ここまでは全てネタフリでした(笑)
「なるほど、そうだったんですね」
アリシアはギルゴマの話を聞いて目を潤ませているように見えた。
「分かってくれたかねぇ。カミルが死んだのは悲しい誤解からなのだよ。そしてゴードンやエルフィンドワーフ族もまた、その誤解から私を糾弾しているのだよ」
ギルゴマは満足そうに頷いていた。
「これでお母様…いえ、カミル・エルフィンドワーフの死の真相についての話は終わりですか?」
アリシアは目を潤ませたまま媚びを売るような態度でギルゴマに問い掛けた。
「えぇ、話は以上ですねぇ」
ギルゴマはそう言ってアリシアへ返事を返した。
「そうですか、では…。みなさん。今です!」
アリシアはそう言って、素早く後ろへと下がった。
その瞬間、ギルゴマの背後から次々とギルゴマへと向けて、極大魔法が着弾した。
「ぐあ!」
ギルゴマは想定外の攻撃に油断していた。
ダメージこそ少ないが、完全に体を硬直させていた。
アリシアはギルゴマへの魔法攻撃を確認した後に自らも魔法を唱えた。
「アースウォール!」
アリシアは自分とギルゴマの間に土の壁を魔法で創り出した。
ギルゴマは一時的とはいえ、戦闘中としては致命的な硬直から立ち直り、背後からの攻撃に対応する為に後ろに振り向いた。
しかし、そこへ間髪入れず、ホレスがギルゴマの体へと手に持った剣を突き刺した。
剣はギルゴマの体を貫き、そして、そのままアリシアの創り出した土の壁へとギルゴマを縫い付けた。
「なっ、馬鹿な。いくら第五世代とは言え私の体を剣で貫くなど…」
そう言いかけたギルゴマであったが、自分の体を貫いている剣を見て驚愕した。
「これは、ルクレシアの剣!そうか、神格を持つホレスが使う事で…威力が増した訳ですか。なるほど、アリシアの問い掛けも計算の内という事ですかねぇ…」
ギルゴマはここに来てようやく全てが策略であった事に気が付いた。
「これは一本取られましたねぇ。もしかすると、アリシアの様子がおかしかったのも、最初から全て策略の内ですかねぇ?」
ギルゴマはアリシアへ質問した。
「はい、お父様。残念な事にアリシアは一度も会った事のないお母様や、育てて頂いた記憶もないお父様には何の感情も抱いておりませんの」
アリシアはニッコリと微笑みながら答えた。
アリシアの役割は、ギルゴマの気を一身に引き付ける事であった。
その為に態々ギルゴマにも声が聞こえるようにハイヴィジョンを通して演技していたのだ。
そして、アリシアは第二管理権限者の宣誓として、自らは質問が終わるまで動かないと約束し、仲間達にはギルゴマの話が終わるまで攻撃させないと宣言した。
つまり仲間達は動いても宣誓を破った事にはならないのだ。
アリシアの宣誓によってギルゴマは他の人間への注意を怠った。
その間に仲間達はここまでの作戦を練ったのだ。
全てはこの攻撃の為の布石であった。
第三幕、あるいは一人舞台と言うべきであろうか?
喜劇はこうして幕を閉じようとしていた。
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