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いきなり最終話(クライマックス)  作者: アルファ・D・H・デルタ
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カナとカナタの物語、その2~悪魔の提案~

これでカナとカナタの関係性が明らかになりました。

納得して頂けたでしょうか?

戦いまでもう少しお待ち下さい。

カナの話を聞いて、アルファが抱いた率直な感想は「あぁ、やはりそうだったのね」であった。


カナタは最初から、どこか自分の命を軽視しているようなところがあった。


だからカナタは、平気で無茶をするのか。

だからカナタは、あんなにも命懸けなのか。

だからカナタは、…彼女の為に死のうとしているのか。


その理由が分かり、なるほど、と妙に納得した。


カナタは決して無口な方ではない。


むしろ必要な事は積極的に会話をするタイプである。


しかし、何故か過去の話をする事には酷く口が重たかった。


だからアルファもベータも、カナタの地球時代の話はあまり詳しく知らなかった。


カナとカナタが幼馴染である事は情報として知っていた。

だが、実際にどのような関係であったのか、それについては想像するしかなかったのだ。


そして今、カナの口から真実が語られ、カナタの残酷な過去が明らかになった。


この事によって、アルファの中で以前から抱いていた地球の管理者である自分の母親、ルクレシアに対しての不信感がより一層増す事になった。


(お母様はこの真実を知っていたはずよね?いえ、知らない訳などないわ。なにしろ地球の管理者なのだから…その上で、カナタにあんな無茶な提案を行ったと言うの?それは、あまりにも…残酷で卑怯なのではないかしら?)


アルファは自分の顔が厳しい表情になっている事に、気が付いていなかった。


ふとベータの方を見ると、自分の半身である彼女もまた、一見、無表情のように見えるが、不機嫌な顔つきをしている事がアルファには分かった。


これはかなり怒っている顔だ。



しかし、カナには別の誤解を与えてしまったようだった。


「ごめんなさい。私も自分で分かっているのよ。私の行った事は、とても卑怯な事だわ。私はカナタの弱った心を利用して自分に依存させてしまったのよ」


カナは泣きそうな顔つきで二人に謝った。


「違うのよカナ。誤解しないで。私達が腹を立てているのは、お母様…いえ地球の管理者であるルクレシアに対してよ」


アルファは慌ててカナに言った。


ベータも横でコクコクと頷いている。


「いいえ、それでも…私が卑怯な女である事には違いないのよ。ねぇ?貴女達は知っている?実はね、私カナタの命を救った事があるのよ。いえ、救ったのかも知れない。が、近いかしら?」


カナは幼い頃にカナタの身代わりに事故に遭った話を二人に聞かせた。


「ねえ?あの義理堅くて妙に律儀なカナタが、この話を持ち出されて、私の提案を断れると思う?」


カナは自嘲するように二人に聞いた。


アルファは心の中で「絶対に断らないわね」そう思ったが、口には出せなかった。


そもそも、カナ本人がその答えを誰よりも知っているだろう。


そして当時のカナタの状況から、それが最善だと思い、仕方なく取った言動だとアルファには理解できた。


そして、それが分かるからこそ、ルクレシアに対して怒りが沸くのだ。


カナタは当時、結果的とはいえカナに依存していた。


そんな時にカナが突然行方不明になった。


その時のカナタの絶望感はどれほどだったのだろうか?


両親を失い、一度は死ぬ事まで考えた人間が、ようやく立ち直りつつあった矢先に、再び絶望に落ちた。


このような状況で、カナを救う為の提案をされれば、カナタは断る事など無いだろう。


これではまるで…悪魔の提案ではないのか?


アルファは自分の母親に対して、初めてハッキリと嫌悪感を抱いた。



これは自分が人間と関わり過ぎたせいであろうか?


管理者の視点から見ればルクレシアの判断は正しいと言えるかもしれない。


だが今の自分には酷く卑劣な行為に思えてしまう。


アルファの中にも確実に心の変化が現れていた。



この変化がどのような影響を残すのか、それはアルファ自身にも分からない答えだった。


たが、アルファはこの時に固く決意したのだ。



”私は、必ず。この不器用で、優しい二人を、救う。”







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