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いきなり最終話(クライマックス)  作者: アルファ・D・H・デルタ
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カナとカナタの物語、その1~真実~

カナ視点でカナタの過去が明らかになります。

ねぇ?


貴女達二人はカナタの事をいつから知っているのかしら?


あぁ、なるほどね

それで納得したわ


貴女達は私がこの世界に召喚された後にカナタの存在を知ったのね


だからカナタが、どうして、あんなにも簡単に命を投げ出すような行為をするのか、知らなかったという訳ね


実はね、カナタは私がこの世界に呼び出される直前に両親を交通事故で失っているのよ


それも運転手はカナタ本人よ


あぁ、事故に関しては相手の居眠り運転が原因なの

突然、信号を無視したトラックがカナタの車に追突した

だからカナタに過失なんて無い


…と誰もが思っていたわ


でもカナタの想いは違ったの

カナタは意識こそ失ったけれど、奇跡的にかすり傷程度で済んだ


そして意識が戻った時にカナタが私に言ったのよ


「父さんが、危ない!って叫んだんだ。母さんも、悲鳴を上げた。だから俺は思わずブレーキを踏んだんだ。なあ?もし俺があそこでブレーキなんて踏まずに、走り抜けていたら。二人は助かったんじゃないか?…いや、そもそも俺が運転なんてしてなければ、起きなかった事故なんじゃないか?」


私がどれだけ励ましても、カナタはずっと自分を責め続けていた


私はカナタの事が心配でずっとそばに着いていた

本当にあの時のカナタは、死にたがっていたのよ

それが私には分かった

だから、片時も目を離さずにいたの


でもある日、私が目を離した隙に、とうとうカナタは自ら命を絶とうとした


その時はなんとか私が間に合って、一命を取り止めたのよ

でもカナタはその時、私に言ったの


「頼む、カナ。次は邪魔しないでくれ」


私はね、それを聞いてカナタの顔を思い切り引っ叩いて言ったのよ


「私はね!ホッとしたの!カナタが生きていてくれて!こんな事を思う自分はきっと地獄に落ちるわ!でもね、あんたが死ななくて良かったと、そう思ってしまったのよ!」


私がそう言った時、カナタの顔に事故以来、初めて表情が現れたわ

まあどちらかと言うと驚きや戸惑いの顔つきだったけどもね


「私も、おじさんとおばさんの事は残念だと思う。でも私は、もし二人が助かる代わりに、あんたが死ぬという選択があるとしたら、迷わずあんたの命を助けるわ!」


カナタは混乱したような顔をしていたけれど、それでも私は言い続けたの


もしかすると、この真実を言う事でカナタに嫌われるかもしれない


そんな事も考えたけれど、私は言わずにはいられなかった


「あんたは私の事を守ると誓ったんでしょう?!だったら今後は私の為に生きなさい!」


そう言って、私はカナタを抱きしめたのよ


それ以来、カナタは死のうとする事をやめた




…これが私達が召喚される約三か月前の話よ




その間に少しづつカナタは立ち直っていったように見えたわ


貴女達が知っているカナタは、ようやく立ち直りつつあったカナタの姿


でも本心ではどこかで死にたがっているあいつの姿だったのよ



ねぇ?

召喚に巻き込まれた時に私が思った、本音を言っても良いかしら?


私はね

召喚陣に包まれながら、こう思っていたの


「お願い神様、どうか今のカナタから私を奪わないで」






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