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いきなり最終話(クライマックス)  作者: アルファ・D・H・デルタ
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神のいない第二幕

更新が遅れてすいません。

私事でしばらくは週一くらいのペースになりそうです。

投稿は続けますので今後ともよろしくお願いします。

「ひとつ、質問がある。貴様は最初に、勇者召喚の儀式とは、単に優秀な遺伝子を持つ人間を選別して、召喚する儀式だ、と言ってたな?では今の魔王とは、元々は優秀な遺伝子を持つ、単なる人間だったと言うことか?」


「然り」


「では何故、今は魔王となった?」


「それは魔王召喚の儀式によって、単なる存在へと昇華したからさ。人の形を崩し、今や力そのものとなった」


「つまり、本来は、勇者となる人間を、単なる存在へと変え、過去へと召喚する儀式が、魔王召喚の儀式の正体だった、と言うことか?」


「ふむ、正確には少し違うが、概ねその通りだと言っても良いだろうね。かなり近い表現だよ。君は本当に頭が良くて助かるよ」


「あいつは…カナは、その魔王と対になる存在だ、と言ったな?何故そのような事が起きた?」


「そこはシステムエラー、とでも呼べば良いだろうかねぇ?実は私にも、よく分からないのだよ。そもそも、勇者召喚の儀式で、二人の人間が、同時に召喚されたのは、今回が初めての事でね。だがまあ、何故かシステムは、魔王を倒せる存在として、彼女を勇者だと認めた。これが今回の召喚の儀式で起きた真実の話だよ。どうかね?少しは楽しんでもらえたかね?」


「あぁ、想像していたよりも、ずっと、有意義な会話だったさ。お陰で、いくつか疑問を抱いていた事の謎が、解けた」


「ほう?それはどのような疑問だね?」


「まず、今回の勇者召喚の儀式は、俺も見ていた。そこで起こった出来事もな。だがそれは、今まで読んできた文献とも、ゴードンの残した手記とも違う勇者召喚の儀式だった」


「ほう?いつもとは違う結果が出たということかね?」


「あぁ、本来の勇者召喚の儀式では、あり得ない出来事が起きたからな。あれがお前の言う、魔王召喚の儀式のせいなのだとしたら、納得だ。過去からの介入が、あれの正体だったと言う訳か」


「クックック、ちなみに何が起きたのか、聞いても良いかね?」


「おっと、今の貴様の言葉で、またひとつ疑問が解けた。魔王召喚の儀式には、あれほど執着していた貴様が、何故、勇者召喚の儀式には、全く介入する事が無かったのか?ずっと疑問だったのだが、そうか、過去において確定した未来だったから、介入する意志すらなかったんだな?いや、むしろ邪魔されては困る儀式だった、と言う事か?」


「ふむ、少し違うね。正確には、邪魔をしても何をしても、必ずシステムが確定した未来として結果を出す召喚だった。これが、一番近い表現だろうねぇ。それで?君の言う、あり得ない出来事とは、何だったのか、教えてくれないかね?」


「良いだろう。教えてやるさ。今回の勇者召喚の儀式ではな、誰も何も失わなかったのさ」


「ほう?興味深い事実だねぇ。それは魔力すら失われなかったという意味で良いのかい?」


「あぁ、本来であれば召喚の儀式は等価交換が原則のはずだ。これまでは魔力がエネルギーとして変換され、地球へ送られた。だが今回は何も起きなかった。しかし、その代わりに何かが失われているはずだ。それが何なのかずっと調べていたが…どうやら貴様、魔王召喚の時にかなりの力を失ったのだろう?だからこそ俺ごときがここまで対等に戦えている。本来なら勇者召喚の代わりに失われる魔力まで貴様が補う形になってしまった。それも莫大な力を奪われた。違うか?」


「フム、まあ概ね正解だねぇ。勇者召喚に介入した時点である程度の覚悟はしていたが、君の指摘したように二人分の召喚とは想像以上に力を奪われるモノだったよ。おかげで現世降臨に、ここまで時間が掛かってしまったが、まあ、結局は誤差の範囲に過ぎないのだよ」


「クックック、誤差の範囲ね。その誤差が致命的だった。と思い知る事になるぜ」


「ほう?君は相変わらず面白い事を言うねぇ。では是非とも思い知らせてもらおうか。君には期待しているよ」


ギルゴマはニヤリと笑いながら答えた。



「あぁ、期待していてくれ。と、言いたいところだが、思い知らせるのは俺の役目ではないようだ」


カナタがそう言った瞬間、ギルゴマの背に魔法が着弾した。



「何?!」


ギルゴマは突然の衝撃に驚き後ろを振り返った。


そこには、渾身の魔法を放ったレイナの姿があった。


「遅れてごめんなさい。リーダー」


レイナは笑顔でカナタに言った。


「いや、丁度良いタイミングだったさ。助かったよ、レイナ」


カナタそう言って一瞬の隙を突き、ギルゴマの背後へと一撃を加えた。


「クッ、貴様ぁ!」


ギルゴマは怒りに任せて再びカナタへと振り向き、逆撃を与えようとした。


だが


「どこを向いているの?貴方の敵は教官だけではないですからね」


アリシアが死角から、痛撃な剣での一撃をギルゴマへと加えた。


「クッ、お前達は、結界に閉じ込められていたはずではなかったのか?」


ギルゴマが少し狼狽えたように、言葉を発した。


どうやらアリシア達の攻撃はギルゴマにダメージを与えているようだった。


これも第五世代の力であろうか?


「あれは無理矢理破ったさ。これも覚醒ってヤツのお陰だろうな!」


ホレスがさらに死角を突いてギルゴマへと攻撃を加える。


「グアッ!」


今度こそ目に見えてギルゴマはよろめいた。



こちらを睨みつけるギルゴマに対して、カナタは一度、パーティーメンバーを見渡し、そしていつもよりもっと不敵な笑顔でギルゴマに言い放った。


「さあ、ギルゴマよ。待たせたな、神のいない第二幕の始まりだ」






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