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いきなり最終話(クライマックス)  作者: アルファ・D・H・デルタ
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君に幸あれ

すいません。私事で投稿が滞っています。

今後は日曜日に少しづつ投稿する事になりそうです。



カナは目の前の景色が変わった事に気付き、その場に泣き崩れた。

当然だが、そこにカナタの姿はない。


代わりにいるのは、先程までカナタの意識の中で一緒だった、アルファ達だ。


しかし彼女達も、今のカナに話し掛ける事がためらわれた。

何と声を掛ければ良いのか、その場にいる誰もが判断できなかったのだ。


カナタはたった五つの文字に、自分の想いを全て言葉に乗せて伝えた。


それは彼と彼女の思い出であり、記憶であり、歴史であり、彼の全てであった。


そこに込められた想いは余す事無く、カナへと伝わった。


カナは、これ程までに想いが込められた言葉を、今まで一度も聞いた事がなかった。


そして、これを見ていた全ての人間にも、言葉を超えて想いが伝わった。

言語の壁は意味を成さず、ただ想いだけがそこにはあった。


今カナタは世界と同調している。


奇しくも世界と同調したカナタの言葉は、思いが逆流する形で、強烈なメッセージとして世界へと伝わったのだ。


事の顛末を見ていた全ての人々が、どうかこの不器用な青年に幸あれと願った。



カナタ自身も、この舞台を用意したベータすらも想定していない、覚醒者の副産物である。


これは偶然だろうか。それとも必然なのだろうか。


運命の悪戯?


あるいは全てが何者かの企みなのか。




だが時に、一片の言葉が世界の理を動かす事がある。



この世界の人々はそれを魔法と呼び、あるいは祝福と呼んでいる。



カナタへと捧げられたこれまでの祝福が、言葉の魔法によって顕現しようとしている。




"世界"が、彼に祝福あれと何者かに祈る。



今、神のいない世界に奇跡が起きようとしていた。




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