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いきなり最終話(クライマックス)  作者: アルファ・D・H・デルタ
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残された時間の中で、その5~神はサイコロを振らない~

今回で色々な謎の答えが出たかと思います。

まだいくつか未回収のフラグはありますがもうそんなに多くはないです。

カナは、アルファとベータの話を黙って聞いていた。


途中、何度も驚き、呆れ、嘆き、悲しんだが口を挟むことは無かった。


話の最中に、ふと、カナタのパーティーメンバーの様子を見た時に、彼らもまたカナと同じように驚き、嘆いているように見えた。


カナタは良い仲間に恵まれたようだ。

その事だけが、カナには救いのように思えた。


ベータが最後に謝った時に、一番最初に声を上げたのはホレスと呼ばれていた青年だった。



「おい、今日の朝に言ってた俺達が生き残れないだろうって話は、その確定した未来で起きた話か?」


ホレスは怒ったように質問した。



「そうよ、カナタはこの戦いに臨む前、本当に気の遠くなるような時間をシュミレーションに費やしたわ。でも何度繰り返しても、結果は…良くてもアリシア一人が生き残れる事が精々だった。それも半死半生の状態でね。そこまでの犠牲を払って、やっと、カナタは佳奈さんの元に辿り着けた」


アルファが伏し目がちに答えた。



「あなた達は?あなたとベータは生き残ると言ってたでしょう?」


今度は青い髪のレーナと呼ばれている女性が聞いた。



「私達は毎回、脱出しただけ」


ベータが首を横に振りながら答えた。



「ベータ、それじゃあみんなには分からないわ。ごめんなさい、私達はお母様から非常事態の緊急脱出装置を魂に組み込まれているの。この世界から元の世界へと戻る最後の手段よ。これは私達の意思とは関係なく働く、自動装置だった。つまり、どちらにしても彼女の元へ辿り着けたのは彼一人だったのよ」


アルファはまるで自分達の責任だと言いたげな口調で答えた。



「つまり教官は、私達が死ぬ、と知っていたって事ですか?」


アリシアは既に泣いていた。



全員がだから我々を置いて行ったのだと理解した瞬間だった。



「でも、それなら何故カナタは一人であんな無茶な戦いに臨んだの?」


カナは始めて口を開いた。



「…まず、彼一人でのシミュレーションは行っていなかった。だから、これは未知の話。もしかすると最も高い可能性だったかもしれない。こればかりはカナタに聞かないと私達にも真意は分からない事よ。…それと、彼にはお母様から、いくつか、力を授けられた。と言ったわよね?その中の一つに…彼が死んだ時、彼が敵だと認識した存在を、まとめて滅ぼす装置が組み込まれていたの。彼が敵だと認識した上で、彼女の救出に邪魔となる存在は、全て排除される。これは彼も承知しているわ。正直な話、一体何人の人間が死ぬのかも分からない、恐ろしい装置よ。少なくとも…彼女の召喚に関わった人間は、装置の自動システムで敵だと認識されるでしょうね」



この言葉に全員が衝撃を受けていた。


つまりそれは、ここにいないユーリィも含め、パーティーメンバー全員が巻き込まれる可能性の高い話だった。


いや、もしかすると勇者召喚を望んだ者全てが巻き込まれたかもしれない。

その人数は桁違いの数になるだろう。



「神はサイコロを振らない」


ベータが無表情ながらも、どこか悔しそうにそう呟いた。



神とは完璧な結果しか残さないのだ。

神は賭け事などしない。

結論の出た、答えしか求めない。


地球の管理者たる、彼女達の母親は初めから勝てる勝負しかしていないのだ。



「これで私達の告白はおしまいよ。佳奈さん、みんな、本当にごめんなさい」



アルファが頭を下げ、再び顔を上げた時、彼女は涙を流していた。






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