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いきなり最終話(クライマックス)  作者: アルファ・D・H・デルタ
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焦燥

カナタ最後の戦い前に、少しだけベータの心の中を覗いてみます。

ベータはこの物語のMVPだと思ってます。

今まさに覚醒しようとしている勇者の姿を見ながら、いつも通りの無表情ではあるがベータは内心、実は焦っていた。


ここまでは自分の目論見通りだった。

勇者の覚醒を促し、彼にも声を届かせる。


これでギルゴマにも対抗できるはず。


だがベータの予知には相変わらず彼の最後の姿が見えていた。

いつまで経っても新たな予知の変化は見えない。


何故?

どうして彼は一人で戦っているの?



ベータには彼が最後の瞬間まで一人で戦う姿が見えていた。


ここからは勇者も一緒に戦えるはず。

覚醒した勇者と二人なら、可能性は上がるはずなのに…。


そんな焦燥感がベータの思考を悩ませた。


しかし、やがてその理由を知る。


彼が勇者に対して転移魔法を唱えたのだ。


ベータは唇を噛み締めた。


どうして貴方はそんなに頑ななの?

どうして一人で戦おうとするの?


しかし、やがて彼の意識がメッセージとして流れ込んできた。


これでギルゴマに勝てる可能性は何%だ?

すでにこれは人智を超えた未知の話だ。

そんな賭けに、世界の命運を託す事など俺には出来ない。


だが、俺が死ぬ事を前提とするなら、この戦い、少なくとも負ける事はないんだろ?



ベータはそこに彼の覚悟を見た。


ああ、彼は知っていたのだ。

いや、知ってしまったのだろうか?


彼の意識が流れてくるように、私達の意識もまた彼へと流れているだろう。


ベータは彼に嘘を吐けない。

だが彼に告げていない真実はある。


この戦い、彼が命を捨てる前提で挑むのならば、それが最もギルゴマを倒す可能性が高いのだ。


だがそれを実行した場合、彼は間違いなく死ぬ。

己の命を犠牲にした。

云わば自爆攻撃のようなモノ。


彼は全てを承知の上で、この戦いに挑もうとしている。


ならば私達に出来る事は…。



ベータはもう一度彼の姿を改めて見た。



タナカカナタ、脆弱で矮小な人間。

ちっぽけな存在にすぎない男。



でも私はこの男より高潔で気高い存在を他に知らない。



カナタ。

あなたこそが本物のヒーロー。



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