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いきなり最終話(クライマックス)  作者: アルファ・D・H・デルタ
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俺の運命

は?

え?

なんで?


いや、だってこれは…"彼の物語"ですから。

カナタは痛みに耐えながらギルゴマをけん制しつつ、カナの異変に注視していた。

やがてパリンという音と共にカナを包んでいた虹色の光が黄金色に変わり、黒かった瞳も黄金色へと変貌していた。


これは…勇者覚醒か!?


カナタは伝承に残る勇者覚醒の話を思い出していた。



其の者、黄金色の衣を身に纏い。世界の声を聞き、世界の全てを視る者。人と世界を繋ぐ希望の光。




…そうか、とうとう本物の勇者になったか…。


カナタは感慨深げにカナの姿を見た。


この半年間、遠くからカナの姿を見る度に心配していたのだ。

何故あいつは覚醒しないのだ?

このままでは魔王には勝てない。

いやそれどころかカナは今の俺にすら勝つことは難しいだろう。


その不安は的中し、カナはこの程度の軍勢に囲まれただけで窮地に陥っていた。

だがこれなら…。



黄金色に輝くカナはゆっくりとカナタに近付き、黄金色の瞳をカナタに向けて言った。


「少し痛むのは我慢しなさいよ。まったく無茶をするんだから!止血!局所麻酔!それから…エクストラヒール!」


カナは立て続けに魔法を唱えた。

だがカナは本来であれば治療魔法も回復魔法も使えなかったはずだった。

ましてやエクストラヒールに至っては、今や伝承でしか残されていない、ロストマジックだったはずである。


カナタは驚きながら自分の左腕を見た。

局所麻酔魔法が掛けられているがそれでも若干の痛みが走る。

だがそんな事よりも高速で自分の左腕が再生していく事に目を見張る。


再生している?エクストラヒールは部分欠損まで治せるのか!?



「それと、これは鈍感なカナタへのメッセージよ」


そう言ってカナタの顔を両手で掴み、カナは自分の額をカナタの額にコツンとぶつけた。


その瞬間にカナタの頭に声が届いた。


「やっと繋がった」


ベータ?


「全く、お前はもう少し俺達の声をちゃんと聞ける奴だと思っていたんだがな」


これはホレスか?


「本当ですよ。やっぱり貴方は信用できない人なんだから」


レーナまで。


「もう、みなさん。素直じゃないですよ!教官!心配したんですからね!」


アリシアも。


「おかえりなさい。リーダー、我々も共に戦うわ」


アルファ。



そうか、みんな見てたのか。みんな一緒に戦ってくれていたんだな。


それに…この声は…世界の声?



カナタが世界の声に耳を傾けたと同時にまた再び、パリンっと世界が割れるような音がした。

今まで感覚的にしか分からなかった声が、視覚が、感覚が鮮明にカナタの意識に流れ込んできた。



そうか、みんなありがとう。本当に助かったよ。


実は自信が無かったんだ。



こんな凄い力を持った“こいつ”を今の俺で何とかできるものなのかどうか…。


だがこれなら…今の俺ならこの“じゃじゃ馬”をそっちに送れそうだ。




…みんなあとは頼む、成すべき事を成してくれ!




メンバーにそうメッセージを飛ばしたあとカナタは魔法を唱えた。


「強制転移魔法!対象勇者、位置情報、仲間の元へ」


カナの足元に突然転移魔法陣が浮かんだ。


「絶対結界!」


今度はカナの周りに絶対結界魔法が張られた。

これでギルゴマにも手は出せなくなる。


「みんな、カナ、すまない」


カナタは驚く全員に対して謝った。



だが…やはり、これは俺が片を付けるべき、俺の運命なんだ…。



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