確信
カナタとカナは普通に入力ミスをしそうで困ってます。
もし見つけた方はご報告下さい
カナタはカナに覆いかぶさりながらもギルゴマの様子をつぶさに窺っていた。
グランの恰好をした体が膨れ上がりパンっと弾けた瞬間に、圧倒的な存在感が暴風のように吹き荒れた。
クッ!これが神ってやつか、なんて馬鹿げた存在だ。
カナタはその圧力に顔を歪めた。
この世界そのもの。この世界の最高神。
言葉では理解していたが、その存在はやはり神としか表現できないモノであった。
「起きられるか?」
カナタはカナに声を掛けた。
「大丈夫よ。それよりもあれって…もしかして」
「ああ、最高神ギルゴマだ。この世界の管理者…いや、神だ」
「そんな、まさかあんたの言ってた恐ろしいモノって…」
「あぁ、まさしくこいつだ。狂った神、自ら滅びを望むイカレタ存在。世界の滅びを望む最高神。笑えるだろ?こいつは自らの存在意義を否定しようとしているんだぜ?」
「じゃあ魔王は?私達は一体何の為にここへ呼ばれたと言うの!?」
カナの叫び声を聞いてギルゴマがクックックッと笑いながらゆっくりと立ち上がった。
「人を滅ぼすにはいくつかルールがあってね。たとえ管理者と言えども勝手に滅ぼす訳にはいかないのだよ、勇者様」
ギルゴマは嘲笑するかのように、カナに向かって言った。
「そんな、じゃあもしかして魔王は…」
「“アレ”は良い呼び水となった。人が自ら滅びを望んだと、システムを誤魔化せる程度には役に立ったよ。勇者様。アレのお陰で私は現世に降臨する事ができた」
そう言って、まるで虫でも払うかのようにゆっくりとギルゴマは手を振った。
「チッ!危ないカナ!」
カナタが怒鳴り声を上げながら、腕を伸ばし、カナの体を押しのけた。
次の瞬間、カナタの左腕が千切れ飛んだ。
「おやおや、でもまあこれでオアイコですかねぇ?」
ギルゴマはさして残念そうでもなく笑って言った。
それはまるでいつでも殺せると言っているかのようであった。
「いやあぁ、カナタ!カナタの腕が!」
カナは今まで見た事のない表情で泣き叫んでいた。
カナタは確信していた。
今、この時がまさしく自分が死ぬ時だと、そして…ギルゴマに特攻をかけようとしたその時。
「ゆる…さな…い」
カナが静かに呟いた…。
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