予感
お待たせしました。
やっと本編です。
おかしい…何かが妙だ。遠征軍も別動隊も簡単に近付き過ぎている。
これは…魔物達が退却しつつあるのか?
カナタは急に魔物達の密度が薄くなっている事に気が付いた。
カナタは意識を張り巡らせて、遠く大軍勢の端を確認した。
これは…当初よりも魔物の範囲が広がっている?
そうか、それで魔物の密度が薄くなり遠征軍が近付けたのか!
まずい、これが敵の策略だとすると、次は…。
カナタが思考を巡らしていると、突然、爆発音が連続で鳴り響いた。
音に驚き周りを見ると、遠征軍の方から炎が上がっていた。
魔物の自爆攻撃が始まったようだった。
反対方向からも爆発音と悲鳴が聞こえる。どうやら別動隊にも被害が出たらしい。
く、気付くのが遅かったか。
次は再び密度が増すぞ!
カナタの予想通り、その後ほんの数分で先ほどまでのスペースが嘘のようにみるみるうちに縮まっていった。
カナタとカナは再び敵中に孤立した。
だがカナタは冷静に戦況を見極めていた。
これは陽動だ。今は動くべきではない。
こちらのジョーカーはカナだ。
何が起きようと最後に狙うのはこいつの命、こいつさえ守り切れればこちらの勝ちだ。
カナタは静かに感覚を研ぎ澄ませた。
やつは必ず現れる。
さて、いったいどこから来る?
カナタは前後左右を見渡したが、新たな敵の姿などない事を確認できただけだった。
しかし先ほどからずっと続くピリピリとした感覚、誰かに見られているような気配。
ジワリ、と嫌な汗が流れる。
「カナタ、私達も助太刀に行った方が…」
「駄目だ、今は動くんじゃない」
カナが不安そうにカナタを見た。
「カナ、気を抜くな。忘れるなよ、お前が最後の希望なんだ」
「それは、まだ何かが起きるって事?」
「あぁ、飛び切りのデカい事が起きる。だから…」
カナタは振り向き、じっとカナの目を見て言った。
「お前は必ず生きて帰れ」
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