二人の輪舞曲(ロンド)
少しリアルが忙しくなりました。投稿ペースが落ちると思います。
ただ数日間投稿しないといった事態にはならないと思いますので、今後も応援よろしくお願いします。
「おい、カナぼけっとするな!お前は、勇者だろ?!」
カナタが叫んだ。
ハッとしたカナは慌てて目の前の魔物を切りつけた。
先ほどから弱まっていた、超越者であり、勇者の証である虹色のオーラが再び強く輝き始めた。
良く見るとカナタもまた虹色に輝いている。
「ちょっと!なんでカナタがここにいるのよ!」
魔物を切り伏せながら、カナは叫んだ。その言葉には呆れと驚きと少しの怒気と、そしてどこか嬉しそうな雰囲気があった。
「良いから集中しろ!」
カナタも怒鳴りながらも、どこか楽しそう言った。
「あとでちゃんと説明しなさいよ!」
カナはそう言ってカナタに背中を預けた。
「後ろは任せる。お前も前だけに集中しろ!良いな?」
「分かった」
二人は背中を合わせて、魔物を屠り始めた。その姿はとても急場しのぎに合わせたような物には見えず、まるで二人で輪舞曲を踊っているかのような錯覚すら覚えた。
虹色に輝く二人の踊りは、見る物を魅了していた。
魔物の大軍勢は見る見る内に溶けるように消えていき、やがて二人の周囲には空白地帯が生まれる。
まだまだ生き残りの魔物は多い。だが後方からはグラン率いる遠征軍別動隊が、近付いて来ているのが目視出来た。正面からも歓声が聞こえている。どうやら遠征軍本隊もそう遠くはなさそうだ。
世界中の誰もが、この戦に勝ちつつある、いや、勝ったと思っていた。
だが、カナタだけは違う気配を感じていた。
おそらく世界でも彼と彼のパーティーメンバーしか知らない、独特の粘りっこい気配。狂気染みた嫌な圧力。
これは…来るな…。奴が…来る!
カナタは半ば確信していた。
あぁ、やはり。"ここが俺の死に場所となるのか"静かに覚悟を決めた、男の顔がそこにはあった…。
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