奇跡を見る、その5~届く声~
ベータの仕掛けた機能が働き始めました。
彼はどう応えるのか?
「行け!もう少しだ!おい、勇者まであとどれぐらいだ?!」
観衆達が騒ぐ中、一人の冒険者が仲間に聞いた。仲間はずっと俯瞰視点から見ており、状況を仲間に説明していた。
「あと約1キロ!これなら届く!」
「勇者の様子は?!」
「もってあと数分ってところだ!」
「く、時間が…間に合うか?間に合うのかよ?!」
その時、一人の少年の声が響いた。
「危ない!」
みな何事かと周りを見渡した。
すると彼の後方100メートルほどの場所から極大魔法が放たれた。
先ほどの自爆攻撃にも匹敵する、周囲を巻き込んでの攻撃だ。
「まずい!あれは策敵範囲外だろ?!」
「くそ!あぶねえ!」
ドーンという音と共に爆炎が上がる。
しかし彼はその極大魔法の着弾に合わせて自らの体をワザと吹き飛ばし、一気に前進する事に成功していた。
「すげえ!見たか?今の!敵の攻撃を利用しやがった!」
歓声の中、彼がボソリと呟く声が聞こえた。
「誰だか知らないが助かったよ、ありがとう。少年」
その瞬間、観衆は理解した。
「おい、こっちの声が奴には聞こえてるぜ!」
「あぁ、どういう仕組みかは分からねえが…おい、戦況分析に長けた奴はいるか?!勇者までの最短コースを探れ!奴にメッセージを送るんだ!」
「おう!」
「任せときな!」
今、世界の心が一つになろうとしていた。
ただ勇者を救うために。
ただ彼のために。
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