最終決戦の朝、その2~波乱の始まり~
とうとう最初のシーンに戻ってきました。
あぁ我ながら長かった…。
さあ、ここからがいよいよ本番です。
彼らのパーティーは大軍勢を目の前に、遠征軍とはちょうど反対側の位置にいた。
まだ魔物たちは彼らの存在には気付いていない。
「なあ?俺達も遠征軍に合流しなくていいのか?」
ホレスが聞いた。
「駄目よ。これから一波乱起きる。私達はその時に一番動きやすい場所にいなくてはならないの」
アルファが答えた。
「それがこの場所ですか?」
レーナが聞いた。だがその問いかけには疑心など無く。ただ純粋に質問しているようであった。彼女もなんだかんだと言いながらもこのパーティーの仲間を本気で疑った事など一度もなかった。
「それで結局、何が起きるんです?」
アリシアは率直に聞いてきた。その質問にアルファが答えようとした時、遠くから戦いの始まった音が聞こえた。
大勢のかけ声と激しい剣劇が鳴り響く。
「始まったようだな」
彼が静かに呟いた。
「“それ”はいつ起きるの?」
アルファがベータに聞いた。
「今」
ベータが短く答えた瞬間。前線の方から絶叫のような叫び声が聞こえた。
そしてしばらくしてから。
「勇者、不明!突然の敵の転移魔法により勇者が一人でどこかに飛ばされました!!」
そのような伝令の声が戦場中に響き渡っていた。
遠征軍にはみるみるうちに動揺が広がった。
「まずいな浮足立っている。これがベータの予知した一波乱か?」
ホレスはチッと舌打ちしながら言った。
「そう、でもこれは始まりに過ぎない」
ベータが淡々と怖い事を言った。まだまだ波乱は続くと言うのか?
「私達も行きましょう!」
アリシアが全員に向かって檄を飛ばした。
しかし、その瞬間。
「みんなすまない」
…彼が絶対結界魔法を唱えた…。
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