決戦前日譚、その8~最後の晩餐~
急にシリアスに戻ります。
高低差で耳キーンとならないように気を付けてください。
あ、「決戦前日譚、その1」のペーターはこれを見たって事ですね。あと何気に軍事機密です。
パチッパチッと薪の火が爆ぜた。
今パーティーは明日の戦いについて話していた。
ベータはその様子をこっそりとヴィジョンで撮っていた。
すぐにアルファは気付いたが、ベータは口に指を当てて首を横に振りながら睨んだ。
それだけでアルファは何も言わずに黙った。
「明日は激しい戦いになる。この中の一人は確実に死ぬ事になる。だから今の内に言っておきたい。みんなここまで本当にありがとう」
彼が珍しく神妙な顔で言った。
その事実でメンバーは本当に明日は危険なのだと分かった。
「その…誰かが死ぬ事は確実なんですか?」
アリシアが遠慮気味に聞いた。
「確実」
ベータが簡潔に答えた。
「ベータが言い切ったって事は…予知か?」
ホレスも厳しい顔で聞いてきた。
「詳しい事は言えないわ。でも、そうねこれだけはみんなも知る権利があると思うわ。明日、人類の運命が決まる戦いが起こる」
アルファは少し悲しそうな顔で言った。
「そんな、嘘でしょう?」
レーナは信じたくないと言いた気な表情で聞いた。だが答えは残酷な物だった。
「明日は勇者か我々の中の誰か、どちらかが必ず死ぬそういう運命なんだ。勇者を救うには我々の中の誰かが死ぬ必要がある。そうだろ?ベータ?」
彼は片目を瞑りながらベータに聞いた。
「…嘘は言ってない」
ベータはいつもにもまして不機嫌そうに答えた。
「で、だ。そもそも我々の目的は何だった?」
彼がおどけて聞いた。
「勇者を助ける事だ」
ホレスが答えた。
「そうね、私達は最後の希望となる勇者を助ける為のパーティー。ここまでの冒険も全て、勇者の為だったわ、時々忘れそうになるけど」
珍しくレーナが軽口を言った。
「あの、本当に勇者しか倒せないんですか?その魔王とやらは…正直このパーティーなら…」
アリシアの言葉を遮るようにアルファが言った。
「駄目ね、残念ながら勇者しか魔王に対して有効な攻撃手段を持ってないの」
パーティーはシーンと静かになった。その沈黙を破るように彼は明るい声で言った。
「だから、今日は誰かの最後の晩餐って訳だ、さぁ飲もう!」
ドンっとどこから出したのか、酒瓶がみんなの前に出された。
下のボタンから評価をよろしくお願いします。




