57話:寝る前のお話し
それは、昨日に遡る・・・・・。食事も終え、体力を回復するために
身体を休めようとしていると、
「それで、今日はどうするの?」
突然エルマがそう言ってくる・・・・。多分寝る時どうするかだよなぁ。
「どうするって?」
俺はとぼけたように聞き返す事にした。
「誰と寝るの?」
「その言い方は辞めなさい。添い寝な!」
どうしてもそっち系を想像してしまった俺はあくまで添い寝であることを
示すためにそう言い返す。
「どうでもいいでしょ。で、どうするの?」
詰め寄ってくるエルマ。
「どうしますか?ミナトさん?」
笑いながらそう言ってくるリーザ。目は笑ってないが・・・・。
「私ですよね?」
アピールしてくるエマ、可愛い。
「どうするの?」
目が泳いでいるオリヴィア。どうしたの?
皆が迫ってくるので、俺は・・・。
「じゃんけんで。」
はい、選べませんでした。
「ヘタレ。」
「ヘタレですね。」
「なんで、選ばないんですか?」
「ヘタレだね。」
皆散々な事を言ってくる。俺が何をしたって言うんだよ・・・。
俺がそう言ったので、じゃんけん大会を始める皆。ただ、圧力が物凄い、
皆マジで怖い・・・。圧力を感じる。そして、じゃんけん大会も終わり、
エルマとオリヴィアが隣で眠る事になった。ちょ、リーザさん顔が怖いです。
笑ってるんですが、本当に目が笑ってないです・・・・・。
そして、皆横になる。エルマは腕を抱きしめ、オリヴィアは手を握ってくる。
俺は、動けないし、手を動かすと色々当たりそうなため、がちがちに固まった
状態で、寝る事にした。どうせあまり眠れないんだろうなぁ。
「んっ・・・・。重いな・・・。」
朝起きると、身体に重みを感じて、目を開けると、
(すやすや)
「エマ!?」
起こさないように小声で喋る。エマが俺に乗って抱き着いている。
腕は固められている為、動けない・・・・。
俺がどうしようと思っていると、
「ミナトさん?」
先に起きたリーザがこちらを見てくる、素敵な笑顔ですが目が笑ってないです。
「エマさん、起きて下さい。」
リーザがそう言ってるけど、エマは嫌って感じで抱き着いてくる。
ビキィって感じで青筋が浮かんでる。マジ怖いですリーザさん。
「アンタ何してるのよ!?」
俺達がそんなやり取りをしていると、エルマは起きたようで、そう言っている。
オリヴィアはため息をついているが、エマは嫌がって抱き着いている。
「ミナトさん?起こしてくれませんか?」
俺に満面の笑みでそう言ってくる。俺はその圧力に耐えられず。
「おい、エマ・・・。起きろ。」
ゆすってみると、眠たそうな目を開け、
「おはようございます。ミナトさん。少しこのままで。」
そう言って少し抱き着いてくる。
その後は、散々だったよ・・・・。リーザは怒ってるし、エルマは俺のせいに
してくるし、エマは抱き着いたまま離さないし、オリヴィアは焦っているし・・・。
まあ、少ししたら、皆機嫌を直してくれたみたいで、良かったけど。
そんなこんなあって、身支度し、進むことにした。