54話:休息中のお話し(その1)
焚き火を行い、食事の準備を始める。飯盒のようなものに食材を入れ、
水を入れ煮炊きをする。簡易的に作れるシチューだ。
なんか、ドライフードだよなぁ、これと、少し転生前の事を思い出し、
しんみりしていると。
「ミナトさん?どうしましたか?」
俺が少し落ち込んだような表情をしていたみたいで、リーザが心配して
話しかけてくれる。
「今日は色々あったなって思ってね。」
俺は転生前の話をするわけにはいかないので、今日色々あったなと、
思い返すようなことを言っておいた。
「そうですね、ミナトさんにあんな能力があるなんて思いませんでした。」
「うん、まさか傀儡にして蘇生出来るとは、更に俺の魔法を使えるように出来る
なんてな・・・。俺の魔法って、色々な使い道がありそうだな。」
「そうですね。」
「まあ、今度、もしくはこのダンジョンで試してみるか。」
「それが良いと思います。」
「後、人が見えるところでは使わないように気を付けないと、
最終手段にしないとね。」
「そうですね・・・・。ばれるととんでもないことになりますし。」
俺は今後の振る舞いについて再度、意識する事にした。
「ねぇ、なんの話をしてるの?」
寝床の準備を終えたオリヴィア、エマ、エルマがこちらに向かってきて、
話しかけてくる。
「いや、今日色々あったなって話をリーザとしてた。
俺の魔法についてとかね。」
「確かに、衝撃的だったわね。」
エルマがそう即答する。
「エルマには色々迷惑掛けてしまったしな。ありがとう。」
「良いわよ。」
俺は色々協力してくれたエルマに礼を言った。
「それと、屍術魔法だっけ?あれはかなり凄かったね。」
俺のネクロマンスがやっぱり衝撃的だったか、そう言ってくる
オリヴィア。
「まさか、俺も出来るとは思わなかったよ。
蘇生したものを使役して、しかも自分の魔法を使えるようにするなんて。
なあ、過去の屍術魔法について何か知ってないか?禁忌とされているのは
分かったんだけど、理由が知りたくてさ。」
「それは、聞いたことがあります!」
そう言ってくるのはエマ。歴史について少し勉強したこともあり、
教えてくれるみたいだ。
「屍術魔法、ミナトさんみたいに蘇生したものに魔法を付与しているのは
聞いたことがありませんが、ゾンビとして、死なない兵を制作する案は
昔・・・・。魔族に対しての軍隊として開発されるようになったそうです。」
「死なないから、いや、死んでいるから変えが効くし、死なない兵隊として
使えるって事か?」
「そうですね。ゾンビなら、死んでいますし、今生きている兵士の消耗もなく
それに、バラバラになってもまた直せば良いですし。」
「そうか、死なないし、元から居るから壊れても問題ないと。」
「ただ・・・・。禁忌とされているのはある理由があります。」
凄い困惑して、そして悲しそうな顔をして続きを話そうとするエマ。
「屍術魔法の実験台として、大量虐殺が行われたらしいです・・・・。」
その説明を受け、俺は衝撃を受けた・・・・・。