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転生した主人公は世界を統一する  作者: ヤスキジュン
転生した主人公冒険者になる
51/90

51話:ダンジョン挑戦5F(その3)

 魔法を行使すると、爆散していた蠍は元の形を取り戻す、

しかし、魔力を帯びているように禍々しい存在に見えた。

「なに・・・。あれ、やばいんじゃないの?」

 驚きを隠せない様子のエルマ、そして無言の他三人。

「成功したみたいだが、やばいな・・・・。」

 俺はそう呟き、蠍の様子を見ていると、蠍は生者を探しているみたいで、

暴れまわっている。

「リザレクション。」

 試しに、他の蠍を蘇生してみると、ゾンビとして蘇生した魔法、

ゾンビにするから「腐死化」で良いか、まあ、取り合えずそうとしよう、

腐死化を掛けた蠍が、普通に蘇生した蠍を襲っている。


「うっ。」

 その光景を見て、迫りくる吐き気を抑えている皆。

俺は少しドン引きしている。

 腐死化をかけられた蠍は共食いを始めている、

そう、獣のように貪り喰っており、周辺には肉片が

飛び散っている。

「ミナトさん・・・。気持ち悪くなってきました。」

 もう耐えられないといった表情で、泣きそうなエマ。

「ごめん、こんなに酷いとは思わなかった。」

 俺は、エマがこの様子を見えないように抱き寄せ身体で

隠しながらそう呟く。

「良いけど、アンタ、危険な奴になりそうよね。」

「ミナトさん・・・・。この魔法は使わないようにした方が良いと思います。」

 ドン引きしながら、そう呟く二人。

「これは・・・・。誰にも言わない方が良いね・・・。」

 困惑しているオリヴィア。

「なるべく使わないようにするよ・・・・。」

 俺はそういう事にした。


 蠍は共食いし終わったみたいで、次の獲物を探している様子だ、

「バースト。」

 そう言うと、爆発四散した。

「もう一つの魔法、試して良いか?」

 ゾンビとして復活させるのではなく、自分の操り人形として復活させる魔法に

ついて試し撃ちしても良いか聞いてみると。

「・・・・・。このままなら。」

 抱き寄せたままのエマはそう言って了承してくれている。

「アンタの為だから、良いわよ。」

「私も、良いですよ。」

「良いわよ。」

 抱きしめている様子をジト目で見てくる三人、一応許可はしてくれている

みたいなので、俺は蠍に魔法を行使する。そうすると、蠍は禍々しい魔力を

宿っているが、さっきみたいに獲物を探す様子は見られない。

この魔法は「屍術化」とでもしておこう。


「こっちに来い。」

 そう命令すると、屍術化を行使した蠍はこちらに歩いてくる。

「リザレクション」

 もう一体の蠍を蘇生する。そして、

「アイツをやれ。」

 そう命令すると、屍術化した蠍は蘇生した蠍の元に行き、命令通り斃した。

しかし、ゾンビ化した時と違い、あくまできれいに、自分の尻尾を用いて

斃した。また、魔力がこもっていたみたいで、毒を注入するというより

魔法みたいなものを行使していたように見えた。

「魔法を使った?」

 遠目で良く見えなかったが、俺がそう呟くと。皆驚いた様子でこちらを見てくる。

「魔物が魔法を使えるなんて・・・。しかもあれはミナトさんの。」

「バーストに近いわね、急所を破裂させていたように見えるわね。」

 エルマとリーザはそう話す。

「どうやら、俺の魔法も使えるようになるみたいだな・・・・。」


「あり得ない・・・。聞いたことが無いよ・・・・。

 だって、ミナトさんの魔法がそのまま使えるようになったら・・・・。」

 今の様子を見て、驚きを隠せない様子のオリヴィア。

「確かに、蘇生魔法も使えるようになるのか・・・。」

「そう、まずいよ。だって死ぬこともなく戦い続けるようになるし、

 実質死なないようになるんだよ。」

「やばいな。」

 皆その様子を見て、ドン引きしているようだ。俺も非常に驚いている。

「あのー。」

 何か意見があるようで、俺に話しかけてくるエマ。

「ミナトさんそれって、魔法が使えないようにとか、ある程度制限して

 使えないでしょうか?」

 そう言ってくるエマ。俺は今までやられ役だった、蠍に魔法を制限した屍術化をかける。

そうすると、蠍は屍術化され蘇生した。


 二体を近くに呼び寄せ、お互いに転送魔法を使うように指示する。

そうすると、制限した屍術化した蠍のみが転送された。

「成功したみたいだな。」

「そうね。」

「屍術化魔法は、俺の命令を聞く人形になる代わりに俺の

 魔法の使用が出来るようになるみたいで、魔法の使用制限も出来るみたいだな。」

 俺がそう言うと、皆頷く。取り合えず分類するために、

屍術化は「ネクロマンス」、魔法の使用制限をした屍術化は「リミット・ネクロマンス」

としておこう。


「バースト、ネクロマンス」

 そうネクロマンスを使った蠍に命令すると、もう一体の蠍に魔法を行使する、

そして、魔法を受けた蠍は一度爆発四散し、復活した。

「蘇生魔法も使えるのか・・・。本格的にやばいな。」

「そうね・・・。アンタのその魔法は不味いわね。」

「ミナトさんなら・・・。悪いことに使わないですよね?」

「当たり前だ。」

「取り合えず、その魔法は外で使わない事ね。あと、皆必ずだれにも言わない事ね。」

 オリヴィアがそう言うと皆頷く。

「それじゃあ、先に進むか。」

「それらは?」

 蠍二匹を指差し聞いてくる、エマ。

「取り合えず連れて行こう。皆を守るように指示しておいた。」

 そう言うと、皆納得したみたいで頷く。

 そして、俺達はこの階層の砂漠の奥に進むために歩いて行くことにした。



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