46話:ダンジョン挑戦4F(その1)
4階にたどり着いた。4階は木々が生い茂っていて明るい部屋だった。
「しかし、暑いな・・・・。」
「そうね・・・・。」
「・・・・・。」
気温の体感が40℃くらいはありそうな感じがしているぐらい暑い。
直進し続けているが、皆暑さで少し参っているみたいだった。
部屋というか、木々で囲まれた場所に出たが、特に何も見当たらない。
慎重に周りを調べていると、猿型のモンスターが現れた。
リーザが火魔法を放つと、モンスターに命中し、黒焦げになるのであった。
「猿型のモンスターか魔法は効くみたいだな。」
「そうですね。」
「取り合えず、引き続き辺りを探索しよう。」
「分かったわ。」
もう一度、慎重に調べる。しかし、何も見当たらなかった。
全員探索を終え、中央に集まり話し合う俺達。
「行き止まりみたいだな。」
「そうね。」
「どうしようか?木を切り倒すか?」
「そうだね。仕方ないから。」
「ミ、ミナトさん。」
少し困惑しながら話しかけるエマ。
「どうした?」
「あの木動きませんでした?」
少し恐怖を感じているみたいだった。
「え?本当か?」
全員振り向くが、ただ揺れているだけだった。
「気のせいじゃないの?」
エマにそう言うオリヴィア。
「今動いたよ。風もないのに。」
「ちょっと調べてみるか。」
そう言うと、俺はエマが指示する木に近づく。
すると、木は急激に動き出し、俺に何か植え付けてくる。
「リ、リザレクション。」
念の為に、先掛けしておくが、激痛が走る。
「いってええええええ。」
「ちょっと大丈夫?」
「何か植え付けられた。」
悶絶するほどの痛みに耐えながら絶え絶えの声でそう言う俺。
そう言うと、青ざめた顔をしたオリヴィアが一言。
「トレントの胞子を埋められた・・・・。」
「どうなるの?」
「脳に寄生した胞子は、宿主の動きを激痛と麻痺で支配して、
生命を停止させ、最終的に自身の養分にしてしまうのよ。」
顔面蒼白にしている全員。
「皆・・・・。逃げろ。」
俺は皆にそう言う。
「アンタを見捨てておいて行ける訳ないじゃない。」
「そうですよ!ミナトさん。」
全員俺を見捨てていくわけにはいかないと言っている。
しかし、トレントの攻撃にさらされてしまうかもしれない。
俺は悶絶するような痛みの中、この胞子の対処とトレントの
攻略法が無いか、考える事にした。




