41話:ダンジョン挑戦2F(その1)
「なんか、湿気が多いな。」
「そうですね。」
辺りは1階よりも薄暗く、不気味だ。慎重に通路を進んでいくと、
今度は円形の部屋に出た。
「何も無いな。」
通路もなく、ただただ部屋のみだったので、壁周りを調査する事にした。
壁を触ったり叩いたりしていると、他と音が違う箇所が一か所あった。
「なぁ。」
皆に話しかける。
「ここだけ音が違うんだよ。」
「そう。そこの奥に空洞でもあるんじゃない?」
「そうだな。」
少し離れてと言いつつ、壁の所に魔法で穴をあけると、
部屋らしきものが見えた。
「向こう側に部屋があるな。」
「他に何か見える?」
「分からない。」
「じゃあ、取り合えず行ってみましょう。」
「そうだな。」
そう言うと、隊列を組んで、壁に魔法で穴をあける。
そこには、どろどろした液状の魔物が居た。
「アシッドスライムね、触れるとまずいわ。」
「そうか、じゃあエマとオリヴィアは下がってて。」
そう言うと、リーザ、エルマと俺が魔法を使い、
スライムを消滅させる。
「魔法は効くみたいだな。逆に物理攻撃は辞めたほうが良いな。」
「そうね、弓を撃っても意味なさそうだし、剣は腐食しそう。
私とエマは役に立ちそうにないわね。」
そう言うオリヴィアは、少しくらい顔をしている。
「まあ、さっきは俺が役に立ってないしお互い様だよ。
じゃあ、殿はエルマ頼んだ。」
そう言うと、隊列を直し進んでいく。
しばらくすると、部屋に出てきたが、案の定スライムが居た。
魔法でスライムを消滅させると、魔法陣が現れた。
「え?これだけ?」
拍子抜けしている皆。
「いや、魔法職が居ないとここは踏破出来ないようになっている
みたいだな。剣士だけだと確実に詰んでいる。」
「そうね。」
「じゃあ、今日はここで一泊するか?」
「そうね。」
そう言うと、野営の準備を始める皆。
と言ってもテントなどは持ち込む必要が無いので簡易的に
焚火を作り、眠る用意をする。
食事を済ませ、眠る事にした。
眠っていると、ガサガサする音がするので、皆を起こし
音のする方を見ると、さっきの3倍はある大きさの
スライムが現れた。