31話:やはり遠征先でも争いは絶えない。
「次の任務は魔族の討伐らしい。ここから離れた村に魔族が現れ、
焼き尽くしているらしい。直接人を殺すんじゃなくて、食料
麦などを狙っているみたいだな。」
「成功条件は何?」
「討伐だから、殺さないとダメなはず。捕縛でも大丈夫だと。」
「でも、捕縛すると、結局は拷問にかけられ殺されるんだよな。」
俺が少し嫌な顔をしていると、
「どうしたんですか?ミナトさん。」
「嫌、昔魔族の人に救われてな。それで、出来る事なら殺したくないんだよ。
まあ、襲ってきたら返り討ちにするけど、大量殺戮みたいなのはすきじゃない。」
「そうだったんですね。」
嘘を付いておく。この世界の人間にとっては魔族も魔物も変わらないみたいだから、
そういう事にしておけば、俺が一瞬ためらったときの言い訳になるしな。
「ランクアップの為にも、このクエストは必須だからな。それじゃあ行くか。」
「はい。」
「ええ。」
「分かったわ。」
「分かりました。」
そういうと、準備を済ませ、依頼先の村に行く。今回はその村に宿泊する為、
特に準備は不要との事だった。村長に挨拶を済ませ、宿屋に付く。宿屋は1階が
食事処になっているので、まず食事をすることにした。
食事を済ますと、部屋に案内されたが、また2部屋しかないらしく、
1部屋3人分のベッドがあった・・・・。
「なあ、部屋割りどうする?」
「仕方ないから、アタシが一緒の部屋になってあげるわよ?」
「エルマ?仕方ないなら、別に一緒じゃなくて良いですよ?私がミナトさんの
傍に居ますから。」
「お二人共?気を使わないんで良いんですよ?ミナトさん!私はそばに居たいので
一緒に寝てくれませんか?」
「皆、困惑しているじゃない。私がミナトさんと同室するよ?」
わーわー言い争っているので、俺が困惑していると。
「で?アンタはどうしたいの?」
「ミナトさん?誰を選びますか?」
「ミナトさん?私ですよね?」
「ミナトさん?」
皆から問い詰められ、悩んでいた。
「じゃあ、今日はリーザとエルマで、明日はエマとオリヴィアでどう?
多分長期戦の戦いになるから。それでどう?」
「仕方ないわね。」
「分かりました。」
「分かったわ。」
「分かりました。それじゃあ3日以上かかったら、私と二人きりになってくださいね!」
「はい。」
エマが何か言っているがスルーして返事をすると。
「ずるい!私も。」
「ずるいです。」
「エマだけずるい!」
「こ、交代だから大丈夫だって。」
そういって、皆とローテーションして眠る事になりました・・・・・。