24話:冗談はやめましょう。
「驚いたか?」
「ええ、少しは。」
「はい。驚きました。」
「嘘だって思ってる?実演しようか?」
「やめなさい。」
エルマが本気で怒っている。リーザもだ。
「ごめん、冗談だって。」
「ミナトさんふざけないでくださいね。」
鬼の形相で睨んでるリーザ。
「すみませんでした。」
全力で土下座する俺。
「で、実演って何しようと思ったのよ?」
「蘇生魔法掛けた状態で自分の首を切ろうかと。」
「アンタ馬鹿じゃないの?」
「ミナトさんやめてくださいね?」
この手の冗談は二度と言わないと誓います・・・・・・。
「いや、あの。この魔法は、前使ったことがあるし大丈夫かなって?
ほら、最初のゴブリンの討伐の時に首に矢が刺さったし。
だけど、ごめん皆に心配かけるって思わなかった。ごめん。」
「本当よ?次やったら許さないからね。」
「本当です。やめてくださいね。」
二人から本気で問い詰められる俺。本当にごめんなさい。
「ということで、この魔法は最終手段だから、エマ。オリヴィア」
「分かりました。」
「分かったわ。」
しばらくすると、日も暗くなりつつあるので、野営の場所を探す。
二人の機嫌が直ったみたいで、良かったです。本当に申し訳なかったと思う。
「あっ、そういえば。皆連れてテレポートできるから、野営する必要なかった。
今気づいたよ。どうする?エマのテントもったいないし野営する?」
「ミナトさんのテレポートって一度行った場所ならいけるんですか?」
「いや、土地勘が無いから怖いだけで、どこにでも行けるよ?」
「ええ・・・・。それってすごい貴重ですね。」
「だろうな。それでどうしようか?」
「私は野営してみたいです。」
「それなら野営しようか?」
「分かったわ。」
「分かりました。」
「ええ。」
ということで野営することにしました。
テレポートで荷物を取ってきて、テントをみんなで組み立てる。
そうして、食事の準備をし、焚火を囲み食事を始める。
「そういえば、ミナトさん転送魔法って言ってましたよね?テレポートとは
違うんですか?」
唐突に聞いてくるエマ。
「ああ。もうこの際だから言うけどテレポートは転送魔法の一部で。
任意の空間から空間へ物体や魔法を転送が出来るんだ。
例えば、」
そういうと、空気を枝の内部に転送し内側から破裂させる。
「こんな感じで、圧縮や膨張も出来るから。空気を転送して
破裂させることが出来るんだ。」
オリヴィアは過去俺にされたことを思い出し、震えている。
「お姉さまどうしました?」
「何でもないよ。」
「それって、凄いですね。色んな応用が利きそうですね。」
「ああ。ただ、代償として他の魔法がほぼ使えないんだ・・・・。」
「そうなんですね・・・・。」
「だから、皆が居てくれて心強いよ。」
そう言うと、全員赤くなり、沈黙する。
「悪い、しんみりさせてしまったか。これからも頼むよ。」
「分かったわ。」
「はい。」
「分かりました。」
「分かったよ。」
ここに居るみんなが仲間で良かった。そう強く思うんだ。
食事を終え、眠るための準備を始めるのであった。




