21話:訓練が完了しました。
「タンクですか?」
困惑するように聞いてくるエマ。
「うん。前衛で敵の攻撃を受ける役だな。ただ、危ないけど。
まさか、身体強化が防御力に振り分けられるとはね。
どうしようか?タンク適性があるとはいえ、危ないよな?」
「アンタが居るから良いでしょ?」
「まあ、そうだが。」
「良いんじゃない?私の攻撃が当たっても怪我が無いなら、
余程の事が無いと危なくないんじゃない?」
そういう、オリヴィア。
「分かった。じゃあ、頼むよ、エマ。」
「分かりました!ミナトさん。」
そういうと、抱き着いてくるエマ。やめて、めっちゃとげとげしい視線に
晒されてるよ俺。
「よかった。」
エマがそう呟いているので頭を撫でておいてやる。
「それじゃあ、戦闘の配置はどうしようか?
俺エマが前衛、リーザエルマが中衛、オリヴィアが後衛兼殿かな?」
「ええ、それが良いでしょうね?」
「そうですね。」
「そうだね。」
「分かった。それと、エマ、君の装備だけど盾は欲しいな。
あと、防御を優先して欲しい。攻撃は俺達に任せてくれ。」
「分かりました。」
「それじゃあ、今度実践とするか。」
「はい。」
「それじゃあ、夕食にするか。少し待ってな。」
そういって、お開きになった。しばらくして、皆で食事を済ませて、
明日に備えて眠る事にした。
「はあ、行かなきゃだめか。」
そう、朝のお話でエルマの部屋に行くことになっていた。
「おーい、エルマ。」
部屋をノックしたが、反応がないため。
「寝てるか・・・。そうか、じゃあ自分の部屋に。」
「起きてるわよ。」
部屋の扉があき、入るように促される。
「お、お邪魔します。」
「どうぞ。」
そういうと、部屋に入っていく。
「ここに座りなさい。」
「はい。」
案内された場所に座る。
「ねぇ、リーザと何話してたの?」
伏せておいたほうが良いだろう。
「特に何も無かったよ?」
「じゃあ、なんでリーザの部屋に居たのよ。」
「えと、それは・・・・。ほら、リーザ元気無かっただろ?それで、
元気付けようとして。」
「それで、一晩中一緒に居たんだ。へー。」
「怒っていらっしゃいます?」
「怒ってない!」
「すみません。」
沈黙が流れる・・・。しばらくしたのち、
「ねぇ、アンタ達って付き合ってるの?」
「へ?いやいやいや、付き合ってなんかないよ。」
「じゃあ、アタシの事は好き?」
「好きだよ。エルマもリーザもエマもオリヴィアも。」
「馬鹿。」
「じゃあ、今日は私と寝なさい!良いわね。」
「はい・・・・。」
そういうと、俺は横になり。エルマは抱き着いてくる。
「おやすみ。」
顔を真っ赤にして、俺の胸に顔をうずめてきた。
今日も眠れない夜になりそうです・・・・・。