15話:貴族の家でのお話
広間に案内されると、オリマーと隣に少女が居た。俺達は案内された場所に
着席すると、オリマーが話を進めた。
「まずは、娘のエマだ。14歳になる。オリヴィアとは4歳離れている。」
「エマです、お姉さまお久しぶりです。また、皆様、よろしくお願いします。」
「エマ、久しぶり。」
「ミナトです。」
「エルマです。」
「リーザです。」
挨拶を交わす二人。
次に、俺から、話を進めた。
「まず、突然押し入って申し訳ございません。オリヴィアさんとは
冒険者として初心者の頃、色々お世話になりました。そのお礼に
お伺いさせていただきました。」
「そうか。」
「まだ、冒険者としては未熟ですが、ランクが上がった時は、お礼として。
貴族や、国に関する重要な任務をさせて頂きたいと思います。」
「分かった。私もオリヴィアの件がある。Bランク以上に依頼することが
あるから、君たちがそうなったときに依頼するよ。」
「ありがとうございます。」
「今日は、お礼だ。ぜひ楽しんでいってくれ。」
そういうと、食事が並べられ、歓談をしていた。しばらくすると、エマが
「お父様、私も冒険者になりたいです。」
全員が驚いていると、先に俺が一言
「貴族のお嬢様でしょ?色々あるんじゃ・・・・。」
「大丈夫です。縁談も断ろうと思います。大体お姉さまだってそれが
嫌で・・・。」
「な、なに言ってんのよエマ。」
「だって、私にそう言っていたじゃないですか。」
「そうだけど・・・。」
俺達が驚いていると、
「お父様、私も家出します。」
呆然としているオリマー、さらに続けて
「それにミナトさんなら優しそうだし。」
「えっ?俺の仲間になる前提なの?」
「はい。カッコいいですし。」
そういったとき、エルマ・リーザの二人から黒いオーラが漂っている
気がした。
「分かった。ミナトさん。」
「はい。」
「さっきの条件として、エマもオリヴィアも仲間に居てくれないか?
その代わり報酬は出す。住むところと装備一式を出そう。どこの馬の
骨か分からん冒険者より、君の仲間にして貰ったほうが良いだろう。」
「は、はい。」
「よろしくお願いしますね!ミナトさん。」
「リーザ、エルマは大丈夫か?」
「大丈夫です。」
「仕方ないよ。」
「よろしくお願いしますね!ミナトさん。」
微笑みながら寄ってきて、頬にキスをしてきた。
「ふぁっ?」
全員からジト目で見られている。オリマーさんは青筋を立てている。
「お父様。怒られるともう実家には帰りませんよ。」
そういわれると、気を落としながら。
「娘を頼みます。」
「分かりました。」
そういうと食事会はお開きになった。
「なあ、エルマ」
「今は話したくない。」
「なあ、リーザ。」
「ミナトさん、黙っててください。」
「オリヴィア・・・。」
「・・・・・。」
今日の俺は孤立してしまったみたいです・・・・・。
翌日、オリマーさんに礼を言って屋敷を出た。その時に、執事の方から
今後、拠点となる家に移動する事となっているので待っていると。
「ミナトさん」
そういって、エマが抱き着いて来た。3人はジト目でこちらを見ている。
「それじゃあ、行きますよ。」
手を繋いで俺を引っ張ってきた。
不穏な空気を纏いながら、エマの案内の元、家に行くことにした。