1話:転生前のお話
初の執筆となります。まずは完結することを目指していきます。 見て頂けると幸いです。
「うっ・・・ここは?」
苦悶の表情で辺りを見回す俺。
「確か・・あの時・・・」
それは、少し前の事に遡る
~~日本・秋葉原~~
悲鳴を聞き、振り向くと首や全身から
血を流している男女と共に
「うぉら、てめーら殺してやる!!」
駅前で刃物を振り回し、暴れ回る中年の男。
「ひっ」
逃げることが出来ずに、その場にしゃがみ込む
15歳ほどの少女。
それを見て、不気味な笑みを浮かべる男
「お前もだ!!」
「これはまずいな・・・・くそっ」
小声でそう呟きながら俺は少女に向かって突進する
男からかばうように立ちどまったが
ドスッ
右肺辺りを刺されてしまう。
「うおおおおおおおお」
最後の力を振り絞り、男の顔面に裏拳を叩き込み
失神させる。
「チッ、息ができない・・・・熱い・・・・」
倒れこむ俺
「大丈夫ですか!?ごめんなさい」
泣き叫びながら俺の体をゆする少女
「ケガはなかったか?」
かすれる声でそう呟く俺
「はい、あなたのおかげで」
「よかった」
全身の力が抜けると同時に、彼女の悲鳴を聞いたのが
最後になった。
~女神の部屋~
「志田ミナト、聞こえますか?」
「誰だ?どうして俺の名前を知っている?」
「私の名前はイシル。この世界、ユスティアの女神です。」
「神・・様・・・?」
困惑する俺をよそにイシルは続けた。
「あなたは、元居た世界で死にました。そこであなたを
この世界に呼び戻しました。」
「死んだのか・・・俺は・・・あの少女はどうなった?」
悲しそうな表情の俺をよそにイシルはさらに続けた。
「それにはお答え出来ません。」
「なぜだ!」
怒気を含んで返す俺。
「他の世界の事は干渉出来ない為です、ただあなたを
呼び寄せた時他に魂が無かったためその子は生きている
可能性が高いと考えます。」
「そうか・・・・・。それで、なぜ俺を呼び戻したんだ?」
イシルに目を合わせる俺。
「ユスティアは今、魔族と人間が争いを続けていて消滅の
危機に瀕しています。」
「消滅って、消えるって事か?」
「そうです、争いののち星に生命も残らない可能性まで
あります。」
「そうか・・・・。」
「そこで、貴方には転生してもらい、この争いを止めて
ほしいのです。」
「なぜ、俺だ?」
「貴方が人のために自分を犠牲に出来る素晴らしい
御方ですから。」
微笑みながらそう返す女神。
「分かった、ただ期待はするな。」
「貴方のこれからを期待していますよ。また、
欲しい能力を授けたいと思います。あちらの世界では
魔法がありますので。」
「魔法か・・・・・。それなら、様々なものを転送できる
能力と回復・蘇生能力が欲しい。」
「分かりました。あと、これを」
そういって首飾りを渡す女神。
「それには私からの加護があります。これからの旅を
助けてくれるものとなるでしょう。」
「分かった。頂くよ」
「それと、自身の能力を確認したければ「ステータス」と
いえば確認できますよ。」
「分かった」
「冒険者として、これから転生させますあちらの陣に
御乗りください。」
そういって光っている陣を指差している。
「ああ。」
光っている陣に乗る俺。
「それではご武運を」
しばらくすると辺りが真っ白になった。