目もくれなかった男
男の物語は、ある意味ではブレが無かった。
男は、次の移動に備え
量販店のフードコートで
早めの夕飯をとる事にした。
前のテーブルで、若いカップルが
戯れていた。
男は、そちらには目もくれず
次の舞台の事を考えていた。
そして一つが終わり
そして一つが生まれ
果てしのない
芸道に、想いを馳せた。
前のカップルが
相変わらず戯れあっていた。
男は、気にするそぶりも見せず
次の台本を、取り出した。
前のカップルが
やはり戯れあっていた。
男は、そちらを見る事もなく
役の事を考えた。
前のカップルが
何時迄も戯れあっていた。
隣のテーブルでは
女子高生が
大股広げて
ビビンバをほうばっていた。
男は、気にするそぶりも
見せず、、、、、、