佐野SAストライキ事件から考える、「ストライキ」って悪い事なの?
覚えているだろうか。先月8月14日、お盆休みの最中、突如一つの高速サービスエリアがストライキを発表した事を。佐野サービスエリアストライキ事件である。
この事件はお盆休みの中での突然のストライキ決行ということでテレビに放映され大きな注目を浴びた。
ストライキは今月9月23日を持って、運営会社の経営陣の退陣を持って解除されたが、この事についてどう考えられているだろうか?
事件の原因は「人事の不満」があるということで、経営側に従業員側が反発しストライキに至ったと報道されていた。あと、エアコンが~、と何か付け足された理由があった様に覚えている。
しかし、その2日後には無事サービスエリアは再開され、名物である、佐野ラーメンの提供も行われているとの報道がなされた。
ここまでの経緯を見て、どう考えられるだろうか?
多くはこう考えられはしないか。
「お盆休みの最中にストライキなんて迷惑!客の事を何も考えていない!!」
「店を早くに再開した社長gj!!ストなんかやっている連中なんか首にしてしまえばw」
なるほど、これは確かにそうである。お盆の最中のストなんて非常識も良いところ、自分勝手で金の事しか考えていない頭お花畑の左翼の連中である。
それに比べて社長はどうか。身勝手で頭の悪い従業員の尻拭いに奮闘し、利用客の迷惑にならないように人を集め店にならべる品物を揃え名物である佐野ラーメンの提供に心を砕いた、何とも素晴らしく、心優しい名経営者ではないか。
かくして従業員側のストライキの野望は崩れ、佐野サービスエリアは無事に平穏を取り戻した、というのがワイドショーの放送であり、事件は無事に決着したというのが視聴者の感想である。
なら、何故今月に入ってから突如経営陣が退陣に追い込まれる様な事態になったのか。
そもそも、ワイドショーが前提としていた「人事の不満」というストライキの原因は本当に間違っていないのか。それに、ネット利用者が考えている「ストライキ=悪」というのは正しいのだろうか。
ワイドショーが放送していたストライキの原因は、あくまで人事の問題である。しかし、スト当事者やその他の報道(新聞、週刊誌、当事者のSNS)によると、随分食い違う。
ストライキの原因は運営会社の銀行新規融資中止であり、それを端に発する資金繰り悪化からくる経営不安。それが各商品納入会社に伝わりサービスエリアへの納入拒否、8月上旬にはサービスエリアに商品が無くなるという異常事態に発展し、窮状に貧した総務部長が経営陣と直談判した結果、取り敢えず事態は収集した。
だが、その翌日になって経営側は部長の解雇を決定。それを切っ掛けに従業員側はストライキに突入していく、という何とも複雑な事情があったのだ。
しかし、テレビでは「人事の不満」としか放送せず、そのまま事実として固定しようとしていた。
そのため、2日後のSA再開を好意的に報道していたし、それで事件が落着したように視聴者に見せかけていた。
が、待って欲しい。この様な事情は調べれば簡単に分かる事だ。
何故、それをせず、敢えて「人事の不満」のみを原因として放送したのか。
ここに「ストライキ=悪」という定義に対する疑問を問いかける事が出来るのである。
各放送局は揃えた様にストライキ潰しの報道を行っていた。普段、あれだけ弱者の味方を標榜している局も普通にストライキ破りの経営側のサービスエリア再開を賛美していた。
何故、テレビ局がここまで意思を統一してストライキ潰しを行ったのか残念ながら分からない。
しかし、一つ言える事は、ストライキを行うこと自体が左翼と言われる人々の支持を必ずしも得られるのではなく、左翼やリベラリストが支持、主導しているストライキがテレビなどで称賛されるのであって、所謂ネトウヨや保守を名乗っている方々が思っている様な「左翼主導の世の中に害を為す悪事」などではないということだ。
これは今回の件で露骨に現れた事例であり、けしてストライキや労働運動自体が悪事の様なものではないことを主張したい。
なら、何故ネトウヨや保守はストライキや労働運動、労働組合そのものを悪とみなして断罪したがるのだろうか。
これは、ネトウヨと呼ばれる人達が普段触れる情報、圧倒的に好む情報には「労働組合=悪」というものが多いからにならない。
その代表格といえば関西生○ンだろう。
しかし、翻っていえばこれらの運動が日本人の手から奪われている、だからストライキや労働組合や労働運動が他の国の連中の利権に利用されているのではないか。そして、それを見て見ぬふりに留まらず、そういった運動に追い込まれた人達をも一纏めにして非難する。まさしく、所謂左翼やリベラリストの思う壺ではないか。
時代は変わり、既にストライキを行うという行為自体が左翼の支持を集めるといった時代は終わった。一方で、これからこういった運動の中心となる若い世代はそれを怪訝な目で見る事しか出来ないでいる。
従来の野党はこれらの活動にほとんど興味がない時代。
だからこそ、これからの新しい保守、保守政党などには日本人の為の運動を支援するべきではないか。
また、新しい世代もそういった人達を調べ、支持に値する者を探し、自分達のためにも応援することが必要になっていくのではないか。




