第零話 この世はパラメーター
ららりとです。
設定だけは思いつくものの、それを文章化できないポンコツ人間であります(-ω-)
処女作の『異世界に転移した少年は旅をする』の息抜き策、練習策として、第二作『この世はパラメーター』を書こうと思います。
では。
この世界の全ては『パラメーター』で決まる。
体力、筋力、素早さ、その他多数のパラメーターは、人間だけでなく、牛や豚などの全ての生き物に存在し、いわゆる熟練度として伸ばすことができる。
筋力を伸ばしたければ筋トレすればいいし、足を速くしたいなら走り込みをすればいい。幾つかのパラメーターに干渉する行為をすれば、体力も筋力も素早さも一気に伸ばすことができる。その行為には本人の資質も関係し、筋肉がつきやすい体質なら筋力を伸ばしやすいといった個人の特性がある。
また、それら能力値の上限は不明である。寿命までに下がることもあれば、上がることもある。ある意味、自分の死期を悟れるともいえる。
そして、これらパラメーターの存在について個人としての意見を言わせてもらえるのなら、『非常に効率がいい』と言える。
どのような行為がどのような能力を伸ばすのか。それが視覚化されているのだから。無駄な行為と分かればすぐに次の行動に移ることができるので当然だとも言える。
だがそれ以上に『非情』だ。
大抵の人間はどのパラメーターが伸びやすいのかを幼い頃から試行錯誤する。自分の長所を早い時期から伸ばすためだ。
そして彼らが育ち、働きに出るようになった後でふと思うのだ。
『ああ。あんな仕事もあったのか』と。
だが、思うだけで何かをすることもできない。まさか転職などとできるはずもない。誰もが幼少の頃から長所を伸ばす中で、一人だけそれ以外を伸ばすなど何の意味があろうか。能力値が劣っているものなど、ただ淘汰されるだけ。パラメーターが高い順にソートされ、自然と候補から脱落するのだ。
そう、この世界における『パラメーター』というものにはまたひとつの特性がある。
それは――。
――他人から参照することができる、ということだ。