特才学園相談所
かの有名な、シェイクスピアの格言の中にこんなものがあります。
You gods, will give us. Some faults to make us men.
[神は、我々を人間にするために、何らかの欠点を与える。]
ならば私は欠点を補いましょう。
そうこれは
There is nothing either good or bad, but thinking makes it so.
[物事によいも悪いもない。考え方によって良くも悪くもなる。]
ということなのです。
皆様の考え方を変え幸せに導く、それは私の使命なのです。
――――特才学園の相談所――――
僕のいる特才学園は国内で一番規模が大きい学園だ。というより
学園自体が国なのである
秀でた才能を見つけ育ててゆくための広々とした環境を目的としているだけなんでもそろっている。そして、ここを卒業する者には世界に羽ばたき輝かしい未来が約束される。
学園にいる学生の年齢は10歳から28歳までと幅広いため
クラスなどはなくランク制度だ。ランク1から6まで胸にランクの数だけ星の紋章がつく。
僕はランク3…ランクの基準としては才能がどの程度かということ。功績をあげればランクはあがっていく。功績じゃなくとも
僕のように家が大企業であったりすれば星2つは必ずつく。
その特才学園にはランク6の学生が主として活動する部活なんてものも存在している。
僕は今日その一つの部活に用事があった。
「こんにちは…誰か居られますか」
僕は特才学園南にある建物の扉をたたく。挨拶したが返事はなく
部屋を覗いてみる。
「うわ…凄いな 本が沢山ある…KING LEAR?」
目にとまった一つの本を手に取る。
「リア王の話知らない?」
ふいに後ろから声をかけられた。
いつの間に後ろにいたんだろうか、そこには小さな女の子がいた。
「リア王が三人の娘に国を分割して与えるんです。そして、リア王は三人の娘に自分への愛を上手く言葉に出きるかという対決をするんですが…あ、ごめんなさい。何かご用があったんですよね」
その本の内容であろう説明を途中でやめ、少女は私の目を見つめる。
「ここは特才相談所であってますかね?」
僕は図書館なのではと思い場所を確認する。
「ええ、あってますよ。そうだわ!自己紹介が遅れてしまいましたね。私はここの室長を務めております特才学園ランク6[ラクモリ スピア]と申します。どうぞお掛けください。」
スピアは丁寧に自己紹介をし僕をソファーへ促す
こんな小さな女の子がランク6だったなんて自分の目を疑った
「僕はランク3[ササハラ アン]です。女みたいな名前ですよね…」
「そうですか?素敵な名前だと思いますが。それに…あ、また話がズレてしまいますね…そう、ご用件を聞きましょうか」
彼女は話の続きをしたそうな表情をしていたが本題を要求する
本題…そう僕はここに相談しに来たんだ。
「…無理とは分かってるんです、ですが!僕をかくまってもらえないでしょうか」
当然断られるだろう。初対面の人が急にかくまってほしいなんて怪しいとしか思えな…「いいですよ」
「え?」
「だから、いいですよって言ったんです」
「なんでですか?僕のこと怪しいとか思わないんですか」
「事情があるんでしょう?」
事情があるにしてもどうなんだろうか、彼女は動揺している僕の顔を覗きこむ
「そんなに驚かなくてもいいんですよ?そうだ!受け入れやすいように条件付きで、というのは如何でしょうか」
スピアは手を合わせ閃いたようにいった
「私のサポートをする、というのはどうでしょう」
つづく。