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はじめてのバトル

3月25日、人が絶えず行き交う駅前に彼はいた。

美しく整備された住宅街にほど近い、小さめだが白を基調とした美しい駅だ。


真新しい料理服、ブロンドの髪をたっぷりのジェルでオールバック

にし、特注のコック帽(1m)を被る。もちろん手には中華鍋としゃもじだ。


そして俺は今日も料理人の原石を見つけ声をかける


「ヘイ〇ァッキューメーン!」

「新生活オレと始めないか手助けするぜ、おまえのソウル、俺のソウル、ケミストリーから生まれるビートミーツ、今から始めようぜスーパークッキンターイム、イェー?」カンカーン


「え、な、なん…えー?」

「兄ちゃん無視していいよ!そいつ絡みたいだけだから!」

「駅員のおばちゃんの知り合いなの…?」


「ファッ〇ュプッシ!ア〇ルファッカ!」カーン

「ヘイカモーンメーン!」カンカーン

「サクセスしたけりゃフォロミー!」カーン

「お前とショウユー!、……」


料理人の原石は気付いたら消えていた

しゃもじで叩いた中華鍋の音が夕暮れの街に虚しく反響していた。


「迷惑なんだよ一昨日来やがれ!」バシャー


「てめっ!つめてっ!ファ〇キューメーン!一昨日も来たよ」


「私はおとこじゃないよ!オカマだよバカ!」


「ファッ〇ュー…メーン…?」


狼狽しているところに背後から肩をつかまれた。とても強くつかまれ、手の主の感情がすぐに伝わる。

「君、ちょっといいかな。」


怖い顔をしたポリスメーンが立っていた。


「ちょっと皆さんから苦情が出てましてね。しつこい客引きがうるさいと。」

「署の方で少し話を聞かせてもらえませんか?」


「刑務所までご同行してもらいなよ!」

「ファッ〇ューメー…ン…?」


「そういう言葉遣いはちょっとやめてもらえますか?お子さんとかもいるんでねぇ!」

「………」


完全に不当な扱いなんのその。

私はこのヤクザ警官にクールな提案をしたんだ。


「料理勝負をしましょう。」

「日本語めっちゃうまいな」


「1分あればあなたを殺すことができます、しかしそれは私の本位ではありまセーン」

「殺人料理人はクールに辞めました」


「その話、詳しく聞かせて…」


「黙れダボが!!!こっちが話してんだまずは聞かんかい!!!礼儀も知らねぇのかこの国の警官はよぉ!!!」


「………」


「…シツレイシマシータ、オユルシクダサイ。ブリティシュの悪い癖デース。」

「勝負は簡単、私がここで作る料理を食べてなお貴方が「私を捕まえる意味」を持ちえなかったら私の勝ちです。」

「要するに私の料理を食べたら捕まえる気も無くなるほど感動するということです。」


「しかし…」


「…受けてやんな、警官の兄ちゃん」


「いやしかしこんな馬鹿げた話…」


「外人の兄ちゃんも、警官の兄ちゃんも、本気なんだろう?じゃあやるしかないだろ?私が立ち会ってやる。やんな!」


「…分かりました。隆三さんがそう言うなら、見極めます。」


「やめないか、私はもうその名前は捨てた…いまはもうしがないオカマのJR社員、ミーちゃんだよ」


「勝負デス、ポリスメーンさん。勝負は10分間。そのあいだに貴方を骨抜きにする料理をつくりましょう」


「来い…隆三さんの前で負けるつもりは…はっきりいって無い!」


「ミーちゃんだっていってんだろおおぉぉぉ!!」


かくして私の伝説が始まる。

後に世界最高の料理人と呼ばれるこの私の伝説が。


次回「柔らか鶏もも肉のポン酢風ソースがけ」


お楽しみに!!

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