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助けてヘルパーさん  作者: 塞翁が馬
5/23

助けて5話目

「よっと!」


 倒した魔物をよけて僕は森を進む。ようやく身体の使い方もわかってきたので剣があれば狼や猪のような魔物は苦労なく倒すことができた。

 僕は、魔物を倒すことよりもむしろ倒した魔物を処理する方ができないでいる。どうにも解体作業は得意になれそうもない。

 1つ幸いだったのは、ヘファイにもらったリュックの中にあった水筒は、いくらでも水が出るマジックアイテムだった事とリュックにはとんでもない量の食べ物が腐ることもなく入っていた事だった。


 あと、色々試したけど僕には基礎的な魔法までしか使えないようで、一撃で魔物を倒すようなすごい魔法は使えないみたいだ。それでも使えないよりはましなわけで、牽制や調理には使えるから十分ともいえる。


 僕は、グリモールに来てから今日で4日目となるが、最初の日に会った獣人の女の子以外にまだ種族との接触はない。


「そろそろ会話できる相手も欲しいな」


 僕の願いもむなしく行けども行けども出てくるのは魔物ばかり。


 うん!?


 何かが、動いた。魔物じゃない……人型だ。


 僕は、気配をたどる。2、3、もっといるか……、気がついたらあきらかに囲まれていた。


 ヒュッ!


 僕の少し前に矢が刺さる。危ないな……。危険を感じた僕は、一気に前方に走り出す。どうにか囲みを突破しないといけない。素早く木々を抜けるとすぐ目の前に囲っていた人型の1人を見つける。


「リザードマン?」


 予想しないリザードマンの登場に驚くが、すぐに対処を考える。目の前にいた1匹を剣で切り捨て、さらに走る。途中で向きを変え囲みの外側と1人ずつ崩しにかかる。矢が飛んでくるがすばやく動く僕を捉える事はない。


 弓を持ったリザードマンを近づくと一刀で倒し、そのまますぐに駆けだす。できるだけ1対1で戦闘を行う。もう1匹のリザードマンを視界にとらえたとき


「や、やめろ。た、助けてくれ……」


 リザードマンに命乞いされた。リザードマンの言葉もわかるのか


「抵抗するなら殺す。武器を捨てろ……あと後ろにいる奴らも同じだ」


 僕がそう声をかけると言葉が通じたことに驚いたのか?


「わ、わかったから殺さないでくれ」


 と言って武器を捨てた。出てきたのは3匹のリザードマンだ。


「まあ、なぜ襲ったとは聞かないが……。他種族を襲っているのか?」


 と聞いてみる。武器を捨て投降したリザードマンは


「そ、そうだ。俺達も襲われるからな」


 なるほど


「それもそうだな……この近くに住んでいるのか?」


「この少し向こうに沼地がある。そこに住んでいる」


 思ったよりも簡単に教えてくれたことに驚くが


「襲ってこなければこちらに敵意はない。おまえたちの住んでいる場所に連れて行け」


「そ、それは……」


 連れていくのはまずいのか……


「言っただろ言葉もわかるし、敵意はないと」


「だ、だが」


「だめでも僕……俺はひとりで向かうよ……それなら案内したほうがいいだろう。お互いに犠牲をださなくてすむしな」


「ほ、本当に何もしないのか?」


「ああ。約束しても良い」


 リザードマンたちは、話し会いしぶしぶと言った感じで僕を案内する事を約束した。


「こっちだ」


 リザードマンの男?達に案内されながら森を進むと途中から湿地が増えていく。遠くに気配を感じるようになり、リザードマンたちが暮らしているだろう粗末ながらも家のような建物が見えてきた。


 リザードマンたちが、こちらに気付くと一斉に僕を囲む。


「敵意はない。たまたま森で襲われたのでそれを退けただけだ。少し話しを聞きたいだけだ」


 と声をかける。自分たちの言葉を話したことに驚いていたが、リザードマンたちのリーダーだろう者から


「人族が、何のようだ。我らを根絶やしにするつもりか?」


 敵意の籠った言葉にため息もでるが


「いや、俺は人族と言う意識はない。種族の融和と共存を求めている。襲われれば抗うが、こちらから仕掛けるつもりはない」


「ふん! 何が共存だ。我らを森に追い立てたのは人族ではないか」


「だから言っただろう。人族と言うつもりはないと容姿だけで決めないでもらいたいな」


 僕がそういうと。さっきまで案内していたリザードマンがリーダーのリザードマンに何かを伝えてる。


「ガルとドル、ワダルを……」


 どうやら僕が倒したリザードマンの名前だろう。


「声もかけずに矢を射かけられたからなそれに対応しただけだ……」


「それで、圧倒的な力を見せて今度は我らも殺すのか?」


「だから言っているだろう。こちらに敵意はないと……共存する道を探しているんだ。話しくらい聞いてくれないか?」


「話しなどするまでもない。さっさとここから立ち去るがいい。人族もこの前の獣人族も我らをただ蹂躙するだけの存在だ。これまでいったいどれほどの仲間がお前たちに……」


「なるほどな……おまえたちが敵対しているのは、人族と獣人族か? なぜ争いとなった?」


「我らは、奴らに一方的に追い立てられているだけだ。このような湿地ではなく、我らが住んでいたのは水の豊かな湖のほとりだった。それを人族が奪うように我らを追い払ったのだ……獣人族は、そんな逃げる我らを襲い小さな子供や女まで殺した。だから我らは被害者なのだ」


 話を側で聞いている他のリザードマンたちの中には、その悔しさからか肩を震わす者もいた。


「つらい話しをさせたな。すまない……僕は人族じゃないけど。同じ容姿をしている者として謝罪しよう」


 僕は頭をさげる。予想にない行動にリザードマンたちも戸惑うが


「わ、わかったのならさっさとここから出ていけ、この前の獣人といいお前たちは我らを不安にさせるからな」


「うん? 獣人も来ているのか?」


「昨日、獣人の女を捉えた。武装はしていなかったが、我らのテリトリーに入ったからな。捉えている」


 獣人の女……。まさか


「その獣人の女を僕に譲らないか? 代わりにと言っては足りないかもしれないがこの魔物を譲ろう」


 僕は、そういうとリュックに入れておいた魔物の死体を次々と取り出した。ごくり……と聞こえたような気がしたが、リザードマンたちの視線が魔物の死体へ向かう。僕はどうせ、解体もできないからな死体くらいいくらでもあげよう。


「い、いいのか? かなりの量の魔物だぞ?」


 リーダーの口調が変わった。


「おそらくだが、この場所では多くの魔物が狩れないのだろう? 本来、君たちは水の豊かな場所で狩りをするはずだからね。これだけあればしばらくの間、食べ物には不自由しないはずだ」


 リザードマンたちが小声で相談を始めた。一匹のリザードマンが奥の方へいくと獣人の女の子を連れて現れる。手は縄で縛られており、ぐったりとしている……かなり殴られただろうか顔には新たな傷もあった。


「よし、こいつの処分にも困っていたところだ……魔物との交換に応じよう」


 リーダーの申し出に


「ありがとう。あとな俺が倒してしまった仲間のお詫びに少し追加して渡しておくよ」


 と言い。さらに魔物3体分の死体を追加した。


「ほら、こいつをはやく連れて行け、変な恨みをかっても困るからな。それと人族は嫌いだが、おまえは信頼しておいてやろう……最初から襲わなければよかった」


 僕は、縄ごと獣人の女の子をもらい受けると


「リザードマンにも話のわかるやつがいるって覚えておくよ」


 僕は、礼をすると女の子を担ぎ上げた。



 

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