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助けてヘルパーさん  作者: 塞翁が馬
23/23

助けて23話

「あ!あれが、湖じゃない?」


 身長が高いポコロが森の木の間に光る水の反射を見つけたようだ。3人は、その木の隙間を抜け湖の側まで進む。


「思ったよりも大きな湖だな。対岸が地平線のように遠い・・・あそこにあるのは中島かな?」


「あ、ほんとだね。湖の真ん中に島があるみたいね」


 しばしの間、湖を鑑賞する。まだこの世界では海を見たことがないから余計に感じ入ってしまった。ほどなく歩きだし、再び湖の西側へ向かう。湖を右手に見ながら森を歩く。


「途中でわざと音を立てて見つけてもらったほうが警戒を与えないかもしれないな」


「うーん。そうかもね~。あまり隠密行動とるとかえって怪しまれるかもしれないからね」


 ある程度西へ進んだ3人は、少し木々が開けた場所を見つけると一度周囲に聞こえるくらい大きな音を出すことにした。獣人族は、発達した耳を持っているからほどなく見つけてくれるだろう。


カーン カーン カーン


 一定のリズムで落ちていた太い枝を木に打ち付ける。乾いた音が森の中にこだまする。30分も交代しながら音を出し続けていると


「あら。ようやくお出ましのようよ」


 とヒルデが気配に気が着く。どうやら猫族で間違いないようだ、木の上や茂みに隠れるように音もなく近づいてくる。変な警戒をされる前にと


「あー。聞こえるか?俺達は、ホビット族の使いだ。猫族に用があってここまで来た。俺達に戦意はない会談を求める」


 最初は、警戒していたが、声を聞いた後は少しの間があってから


「話しは聞こえた。ホビット族の使者か・・・なぜ人族や獣人が混ざっている?」


「旅を共にしている。ホビット族に依頼されて使者を引き受けた」


 数人が相談しているのかヒソヒソと声が聞こえる。


「わかった会談に応じよう。ついて来い無駄な抵抗はするなよ」


「了解だ。こちらに抵抗する意志はない」


 事前に武器は見せないようにリュックにしまっておいたので3人共に武器は所持していない。猫族に囲まれながら誘導され、歩く事1時間・・・ようやく猫族の街へとついた。

 猫族の街には、かなり多くの家が建っている。概算だが、人口数千人規模か・・・。


「こっちだ」


 案内していた猫族の中でリーダーのような男が、指示する方向へ向かう。案内されて入った建物は、木製ながらしっかりと作られた10人くらいいても広く感じるくらいの木造住宅だ。


「ここでまて、今責任者を連れてくる」


 男は、3人を木製の家にとどめると外へ出ていく。見張りに2人の猫族が入り口に張り付いている。おとなしく責任者が来るのを待つと少し年長の猫族の男が入ってきた。


「待たせたな。お前達がホビットのよこした使者か?」


「ああ。ホビットに使者役を頼まれた。このように獣人の言葉を話せるからな」


「なるほどな。奴らも我らの言葉を知らんからな。それで、使者と言うが何を伝えに来たんだ」


 少し横柄な態度で話す猫族の男がそう聞いた。リュックから預かったブルーサファイアを取り出し見せるとその猫族の男の態度があきらかに変わる。


「こ、これは・・・」


「ホビット族の長老から「友好の証に」と伝言を預かっている。渡せばわかると言っていた」


「これを我らにか・・・」


 猫族の男が驚いた顔をしながらも考えている。そして


「なるほどな。そう言うことか・・・。わかった了解だ。我らの友好の証は確かにと伝えてくれ」


 どうやらこれで依頼は終了のようだな。


「そう伝えれば良いのだな」


「ああ。ホビットにはそう伝えてくれ」


 その後は、あっけなく猫族の街から解放されるように帰路につく。少し滞在したいと思ったが、どこかそう言った雰囲気にもならず、仕方なく街を出て帰ることになった。


「なんか少し拍子抜けね・・・」


「そうね。なんだかもっと色々なことがあると思ったんだけど」


 ヒルデもポコロも納得いかないようだ。俺も何かが気になっているが、それが何かがどうにもぴんとこない。猫族の街からの帰路は、左手に湖を見ながら来た道を引き返すことになる。それぞれが、三者三様に考え事をしながら黙々と歩く。ふと・・・


「うん?」


「トシヤどうしたの?」


 湖になにかいるな・・・。俺の視線を追うように2人も視線を飛ばす。


「あ!あれって」


「うん。たぶん間違いない。あれって人魚だよね」


 湖に浮かんでいるのか人魚が湖上に座るような姿で立っていた。


「ねえ?ひょっとして歌っているのかな?」


「ほんとだ。なんだろう・・・どこかすごく苦しいような・・・歌だよ」


 聞こえてくるのは、涙を流す人魚の歌・・・。3人は、気配を絶ちながらも湖上で歌う人魚の声に耳を澄ませる。


「私達の・・・返して・・・大切な・・・」


 3人は呼吸も忘れてその歌を食い入るように聞く・・・しかし、あまりにも身を乗り出しすぎてしまい、湖の上に転がしてしまった小石がジャボンと音を立てる


「誰?」


 歌がやみ、視線がこちらに向かう。


「すまない。驚かしてしまったようだな。信じてもらえるか自信はないが、怪しいものじゃないよ。あまりにもきれいな歌声だったので聞き入ってしまった」













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