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助けてヘルパーさん  作者: 塞翁が馬
20/23

助けて20話目

「だめと言ったら諦めてくれるのならよいのじゃが、どうせわしが何を言ってもやめる気などないのだろう? まったくだれに似たのか……」


「それは間違いなく父さまでしょ。でもそのとおりよ、父さまが止めても行くって私は決めてるから」


「旅に出るのは良い。ただしな条件があるぞ」


「条件って何よ?」


「1つは、旅の期間じゃ。今、お前は巨人族であって巨人族ではないが、いつの日かその身体も元に戻るのじゃろう。その時には、きちんとここに戻る事じゃ。もう1つはな。必ず生きて戻る事それだけじゃ。」


「それが条件ね。わかったわ父さま。身体が戻った時にはきちんと戻るから。それまで父さまもきちんと生活していてね」


 親子の会話だな。だが、これで旅の許可も取れたな。


「トシヤよ。娘の事を頼む世間知らずで一度言い出したら聞かん強情なところがあるが、根はやさしい子じゃからな」


「承知しました。この広い世界に絶対と言うものはないかもしれませんが、俺に取れる責任は可能な限りとらせていただきます」


「ちょ、ちょっと。何か変な話しになってない?」


 そのあと、ポコロが旅立ちの準備をしている間、タイクーン王とこの後の旅の予定などを話しをしていると巨人族の男が王の間に現れる。


「王よバードマンからの報告で、湿原に獣人族の姿があるとのことだが」


 獣人族? おそらくヒルデだな。


「すみません。おそらくですが、その獣人は俺の仲間だと思います」


「ほう。獣人族とも好があるか。本当にお主は、種族を問わぬのだな」


「どのような種族にも正しき者も悪しき者もいる事を知っていれば種族は関係ないでしょう。当然その中には、目的を同じとする者もいるのは道理ですからね」


「そうじゃな。お主の話しを聞いているとわしにもそう思えてくるからの」


「色々とお世話になりました。仲間とも合流できそうですので、俺もこのまま旅立とうと思います」


「なんと。もう行ってしまうのか?」


「これ以上いれば、情も強くなり、旅立つ際に後ろ髪をひかれることになりますからね。ポコロもそれで良いか?」


 後ろには、準備が整ったのかポコロが立っていた。準備と言っても巨人サイズの服も鞄もないから用意するものなんてないのだろうが


「私は、身体ひとつだからいつでも大丈夫! そうね、色々考えると時間かかりそうだから勢いも大切よね」


「ポコロも良いか。ならば、俺達は、このまま旅立ちます。これから、この山脈の西へと向かい、新たな種族たちに会ってみるつもりです」


「そうかもう行ってしまうか」


「父さまもお元気で」


 ポコロが挨拶を済ませると足早に王の間から退去する。


「本当にいいのか?」


「なにが?」


「俺について来ても何があるのかもわからんぞ」


「今更だよ。何があっても後悔はしないからね」


「そうか。じゃあ今日からポコロも俺の仲間だな。これを渡しておくよ」


 懐からマジックストーンを出してポコロに渡す。


「これが、話していた仲間の居場所がわかるって言うマジックアイテムね」


「ああ。それとなその石を持っていれば、ある程度他の種族の言葉がわかるようだ。あと、俺の側にいれば俺の特殊な支援魔法の効果を得ることができるようになるからな」


「特殊な支援魔法ってなに?」


「ああ。俺と目的を共有する仲間だけが対象になるようだが、俺の側にいると力や魔法なんかの効果が飛躍的に向上するっていう魔法なんだ」


「そんな変わった魔法があるんだ。じゃあ今もその効果があるのかな?」


「おそらくな。ポコロは魔法とかを使えるのか? 魔法を使うなら加減しないと」


「私は、魔法はほとんど使えないよ」


「そうか。これから会う仲間なんかは、魔法で身体強化したらとんでもない速さで動くことができるようになっていたからな。ポコロの場合は、どんなことになるかまだわからないけどな」


「そっか~。じゃあ、後で色々と試してみるね」


 これからの事を相談しながらヒルデのいる湿原へと進む。巡回中のバードマンが、案内する形でヒルデの場所まで誘導してくれた。バードマンが歩けそうな場所を教えてくれたので湿地にもはまらずに湿原を進むことができた。どうやら湿原すべてが歩けないわけではなさそうだな。


 俺とポコロの姿が、目に入るとヒルデが大きく手を振りかえす。


「おーい」


 ヒルデの声が聞こえるとポコロが


「トシヤの仲間って獣人族の女の・・・なんだね」


「確か話したような気がするけど?」


「獣人族ってのは、言ってたけど女の子とは言ってなかったよ」


 そういえば詳しくは言ってない気もするな。


「ヒルデって言うんだ。最初は、怪我してたところを助けたんだが、獣人族と人族は敵対しているみたいだから助けるのも一苦労だったんだ。まあ、その後誤解もとけて今は仲間になったんだけどな」


 ヒルデが駆け寄ってくる。


「やっと合流できた~」


 肩で息をしながら膝に手を付けヒルデが答える。


「女の一人旅って本当に大変なんだからね。で? 一緒の子は、トシヤの新しい仲間なのかな?」


「ああ。新しく仲間になった巨人族のポコロだ。ヒルデも大変だったと思うけど獣人族の方はもういいのか?」


「えっとね。詳しくはまたってことでいいかな。まあ一応許可は得てきたつもり。えっと私は獣人族のヒルデ、巨人族? のポコロさんよろしくね」


「ポコロでいいよ。種族が違えば年齢なんか関係ないだろうしね。私は、本当は今の10倍くらいの身体なんだけどちょっと事情があって小さくなっているの。あなたの事もヒルデって呼んでもいいかな?」


「ええ、それでいいわ。じゃあトシヤの仲間は、みんな呼び捨てで統一しましょうか」


「了解! そういえば、トシヤが来てから当たり前みたくなってたけど私たちの会話に支障がないね」


 そういえば種族が違うのに会話に支障がないな。


「ああ、マジックストーンの効果か俺の支援魔法の影響かで仲間内の会話には、支障がないみたいだな」


「よかった~。じゃあ通訳がいなくてもお話しはできるんだね」


「ああ。女の子同士仲良くしてくれよ」


「「はーい」」


 ようやく互いの自己紹介が終わる。身長180cmの人族の容姿をした俺、身長165cmくらいで狼型の耳としっぽがある獣人族のヒルデ、身長2mくらいで姿は人族と変わらないが実は巨人族のポコロ。


 種族は違えど、旅の目標に大きな違いはない。


「それでトシヤは、これからどこへ向かうの?」


 ヒルデの確認に


「さっき西に向かうって言ってたけど」


 ポコロが答える。そして、2人の視線が俺に集まる。


「一応、バードマンや巨人族のみんなにこの変の状況を聞いたんだが、あまり詳しくはわからなかったんだよな。ただ、西へ行くと湖があるって言っていた。水はどの種族にとってもなくてはならない物だからそこにはいくつかの種族が暮らしていると思うんだ」


「なるほどね。まあ、私はトシヤが行くならどこにでもついていくけどね」


「私も私も」


 どうやら舵取りは任されたようだ。新たな仲間と共に新たな旅へ向かう。


「さて、次はどんな出会いが待っているのか」



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