表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「バン」から始まる英雄譚!  作者: こじましようこ(裏)
第一歩:便利なコト?
3/46

保護

自分には記憶がない。あるのは自分の名前である「ダイコ」位しか

覚えている物がなかった。最初は。


1週間前のことである。ふと目を覚ましたらそこは仄暗い一室に

一人佇んでいた。寝ていたのか、自分の意思でそこにいるのか

分からなかった。前の記憶がなく、なぜここにいるのかも分からず、

ただひたすらに。


どのくらいの時間か経とうとしていた所に、いきなり何か蹴破る音と共に

光が差し込み複数の人達が入り込む。

ギラギラとした細く鋭い棒?みたいなものを自分に差し向けて

警戒しながら声をかける。


「お前は…人間か? ここで何をしている??」


女…性…の声だ。ここで…何をしている…?

うん…自分が知りたい。


「ここで…? 自分は…ここで何をしているんでしょうか?」


はぁ? といいたげな顔をしながら細くギラギラとした棒?を

突き付けながら困った顔をしている自分に再度問いかける。


「魔物ではないようだが…意思の疎通にかけるな。

魅了魔法でもかけられたか…」

「おい、こんな深層に一人でいること自体異常だぞ。

トラップの類じゃないのか?」

「いやしかし魔物が人語を解することがあるわけなかろう。

どこかのチームからはぐれたか?」


よくみると最初に声をかけた細くギラギラした棒?をもった女性の他にも

数人いる。5人…いや扉の外にも何人かいる。


「君の名は?」


細くギラギラした棒?を鞘にしまいつつ、扉の方から差し込む淡い光が

女性の頬を照らす。

照らされた顔をじっと見つめ、蒼く澄んだ瞳を見つめながらつぶやく。


「綺麗な人だ…な」

「んっ?! な、名前を聞いておるのだ! 私は!」


想定していた問答の内容から逸脱した返答に、女は困惑し、声がうわずる。


「ダ、ダイコ…です。…多分…」

「多分…?」


いきさつというか、何も記憶のないいきさつを簡潔にはなし、

逆に困惑する女とその周りのチーム?と呼ばれる声が互いに行き交う。

怪しいが、そのままにしておくわけにもいかんだろうとの意見がまとまり、

保護される事となった。

そして自分が今どのような状況・状態にあるか知るには

そう時間もかかることもなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ