確信
「ちょっと待てよ。面白い展開だぞこれ」
不意な狂犬の一言にリーナはびっくりしつつも嫌な予感がする。
「すまぬ。みんなどいてくれ!!」
強引にかき分けながら集団の最前まで進む。
そして驚愕の光景を目の当りにする。
「団長ちょっとまって…んしょ」
「どんどん野次馬が増えてくね」
リーナの後ろに並び立つ二人。そして
「あれ? そこにいるのって…ダイコくん??」
すぐに助けないとっ…そう思った矢先のかすかな違和感。
寝ているゴロツキは1・2…5人。まさかダイコが倒した??
すぐさまジャランとダイコは戦いを始める。
早く割って入って止めないと…だが心はブレーキをかける。
目にも留まらないジャランの高速ストレートを
躱す一方はまだまだ余裕を感じられる。
そこに繰り広げられる攻防はただのチンピラ同士のケンカじゃない
一流同士の高度な攻防戦っ!!
信じられない光景が目の前に広がる。
あれが…ダイコ?? 本当にあのダイコ?
相手は、あの赤蛇ジャラン
そっくりさんではない、蛇の精鋭、第一級冒険者。
煌めく魂と魂のぶつかり合い。
むき出しの意思がぶつかり合う。
「助けにはいんねぇのか? リーナ」
気が付くと傍に立っているガランが意地悪そうに問いかける。
「……バカを言え…」
この戦いに水を差せるのは…冒険者じゃないっ
ダイコがこんなにも…只者ではないとは思っていた。
不思議な事をいう人だとは思っていた。
だけどなにか凄いものを隠し持っている…そう本能が告げていた。
だからこそあんなに気になっていた。
けどこれは予想外だ。こっちの才は全く感じなかった。
意外性…心がギュっと鷲掴みされるような。
その刹那…
「動くっ!」
4人のクラン員は状況が動く瞬間を肌で感じ取る。
どう攻略する? 思いは交錯し、そして…
相手の力を最大限利用したウルトラカウンター。
言うは易しだが、タイミング何よりあのジャランの体技を見切る
動体視力。どれもが高度に持ち合わせてなくては発現できない。
才がある。今まで見たことのない、とてつもない才が。
逃してはならない……絶対に…




