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「バン」から始まる英雄譚!  作者: こじましようこ(裏)
第一歩:便利なコト?
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料理人ダイコ?!

12時30分を回った居間には至福の顔をした父娘が横たわる。


「おいしかったぁ…」

「これで死んでも文句はでねぇな」

「言い過ぎですよ」


初めて見る食材が瞬時に覚えている食材に変わる。やっぱり覚えていた。

名前は違うというとこが引っ掛かる。もしかして自分は違う場所で

生活してたっぽい。

ここではない。もっと遠くの…


今回作った昼ごはんは夜用にとっておいた鳥っぽいお肉を使った唐揚げに

ねばねばしたとろろのような食材があったため、とろろ芋揚げを作り

サラダもドレッシング(今までは塩のみ)を和風ドレッシングにかえる。

バンを見たときからなんとなく頭の中でもやもやしていたが、

いまははっきりとわかる。

これはナンだ。じゃあ…唐揚げと挟んでいただくとするか。


こんな感じで自分としては雑多な食だとは思うが

どうやらこの二人には何か感動するものがあったらしい。


それは同時にこの世界ではない何かを

自分は持っているという証なのかもしれない。



時刻は15時を回っている。

ちょうどインダストリー商店から東に15分ほど行ったところに

ある中規模な市場にグランジーナと一緒に来ている。


ここ中央街には北側に最大級の中央市場がある。

そこで仲買人が仕入れ、こういう中小規模な市場に卸していくという

大元の市場だが、ここから中央市場はそもそも数時間かかる距離

というのもあり、都市ということもあってか、こういう小さな市場が

街の至るところに存在する。


中規模とはいえ品ぞろえは豊富。一家庭なら十分なものである。

野菜だけでなく、肉・魚も豊富に取り扱っており毎日の献立を

悩む奥様方にとってはとても心強いお店でもあった。


「いろいろあるなぁ」

「ダイコさんごめんなさい」

「いやいやもういいって(笑」

「お客様にこんなことさせちゃって…」

「料理作るだけで家も何もない自分をいさせてくれるわけで、

こっちの方が助かってる。」

「むしろ私たちの方が得しかしてないっていうか…」


「これは麦…? 小麦??」

「あ、これはバンの原材料であるバクです」

「あぁバク…ね」

「挽いたものは向こうにありますよ!」


大きな丸いカゴに粗く挽いた粉から細かいものまでいっぱい並んでいる。


「いっぱいあるな」

「主にバンにつかうのはこれです。」

「サラサラの粉。まさしく小麦だな…」

「これもらおう」

「毎度!」

「それからバンを作らせるときに膨らませる…菌というか酵母というか」

「なんだそのキンってのは」

「あ、いや…そうだな…これだけ小麦があるってことは

色んなバンあるんだろ?」

「色んなバンねぇ…ここの小麦はバンのみのために

あるわけではないんだぜ?」

「まぁそうだろうけど。」


「でも他にもってんならあるけどな。東の方で作られるバンだけどな」

「固く、たしかに膨らんだバンだが…味の方は大味で塩味が強い」

「そのバンはどうやって作るんだ?? 教えてくれ!」

「あんちゃんが買ったそのバクでは作れねぇぜ?」

「あぁ。わかってる」

「そこの黒く粗いバクあるだろ? それを水で練って…」

「これと一緒にくるんで生地を1日寝かせて、形を整えて

焼けば出来上がりさ」

「これって…輝石??」

「あぁ。屑石だけどな。」

「屑石ならなんでもいいのか??」

「なんでもってことはないが。主に青みがかった輝石が使われるな」

「その輝石売ってくれ!」

「あぁいいけど。20カッパルだ」


……お金の単位がわからない。20カッパルは安いのか高いのか。

振り返りグランジーナを見る。すぐにうなずいて財布から

代金を取り出す。


「悪いな」

「いえいえ!安かったし、それに…またおいしいもの

食べられると思うと思わず…(笑」

「おいしいかどうかの前に再現できるかどうか…かな?」

「そうなんですか??」

「頑張って近いものは作ってみせるさ」


そうこういいつつめぼしいものを買い込み商店へ戻る。


「おぅ。意外と早かったな」

「思いのほか自分の記憶にある食材多くて早く終わってしまいました。」

「さっそく自分の理想のバン作ってみよう」


グランジーナは買ってきたもの整理しつつ補助に周る。

市場のオヤジに作り方を聞いたとおりに自分の中の薄れた記憶を頼りに

アレンジしつついくつかのバン生地を作ってみる。


「いろんな生地つくったんですね。」

「うん。いろいろと配分変えてみた」

「この余った生地はどうするんですか??」

「買った輝石の数と生地の量まちがえちゃったな」


ふとこの瞬間にピンとくるものが頭の中に走る。

輝石…オレンジ…


「オヤジさん! 朝見せてくれた輝石ってまだある??」


遠くから声がする。


「あぁあるぞ。どうした?」

「貸してくれ」

「おいその輝石は調理道具のエネルギーには使える代物じゃねえぞ」

「いやそうじゃなく、バンの材料として!」

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