はじまり。
ここは病院の森の奥。そこには1人の少年が病気の療養のために隔離されていた。
彼の名前はアルメ=フォーサイス。周りより少しだけお金持ちの次男として生まれた。
「ハァハァ…。」
アルメは重い体を引きずっていた。彼の瞳は透き通るようなグリーン、髪の毛は誰もが羨むようなブロンドで艶がかっている。端正な顔立ちは女性に間違われてもおかしくないほど整っていた。
そんな彼は飽き飽きした病院から、いっときの間でも自由を得ようと看守の目を潜り抜けて外に抜け出してきたのである。
「こんなに疲れるなら部屋で本でも読んでれば良かったな…」
そんな愚痴を零しながら近くの木の枝を杖代わりに歩いてると、見るからに危なっかしい道を見つけた。
興味を持ったアルメはその重い体を好奇心からくるアドレナリンによって動かし、一歩一歩ふみしめながら道に入っていった。
「疲れてきたな…。そろそろ帰るか」
道に入って20分程したころに、身体に限界を感じたアルメは引き返そうとしていた。病院に帰ろうとちょうど振り返る瞬間、アルメの瞼に一筋の光が一瞬だが差し込んだ。
「気のせいか…。でもここまで来て何も成果がないのはつまらない。最後に光った先を見てから帰ろう。」
そう考えたアルメは、最後の力を使い光った方向へ歩くとそこには、なにやら包丁のような刃物?が飾ってある扉がそこに存在していたのだ。
「さっきの光の正体はこれだな。こんなところに扉とはなかなか面白い…。しかしなぜこんなところに?」
不思議に思ってたが考えても仕方がないと悟りおもむろに扉を開けた。