消滅と融合
こんな過疎小説見てくれてありがとうございます。
よければ感想をください・・・。
サムライマンですが1つのシリーズは比較的短編で行こうと思います。
オリジンズはサムライマン誕生の話の一連の流れを描く予定です。
オリジンズが終わったあともサムライマンの登場はもちろんあると思います。
僕のヒーロー小説は世界観はすべて共有と思っていただくと幸いです。
サムライマン・オリジン
「ふおおお」
サムライマンは怪物を切り落とした。
だがトカゲの怪物の体は出血しただけだった。
サムライマンはつぶやいた。
「最近こんなの多いな」
今回の戦いももちろんサムライマンは勝利を納めた。
やることがないので怪物と戦っているが強さが徐々に衰えてきている。
研究者の田中はテスト機と1号機の残骸を回収した。
そして焼け焦げた機体から使えそうな部品を取り出して組み上げた。
「動かしたのは誰だ」
田中はつぶやいた。
「僕たちですよ!」
黒い影が現れそして喋りだした。
「どうにかしないと死ねない!って思ってたらなぜか3人死んだ場所にいて・・・どうにかこの事実を!!とおもってたら3人が1つの影になれるとわかって」
そう続けた。
「事情はわかった。不思議那古とがあるものですね」
田中はそういいながら外の合金をバーナーで熱した。
「塗装は剥げてますがこの合金なら元々必要ないものです」
田中はそういい研究所を出ようとした。
「冷静ですね!あんなことがあったのに」
黒い影は止めるようにそう話した。
「この事実に驚いているのはまちがいないですがそれよりも自分の人を見る目のなさに気づきました。それについて考えてるんですよね」
そういったあと彼はやはり言おうと決めたのかつぶやいた。
「テスト機のパイロットはあなた達の誰かにすればよかったですよ。西郷に任せたのがまちがいでした」
その言葉を聞いて黒い影はつぶやいた。
「西郷も僕たちのように霊になってるかもしれません」
それに対して田中は即答した。
「君たちにしか知らない事実をパスワードにして起動にロックをかけています」
「なるほど!」
そしてその日から街へ機械の戦士が戦いはじめた。
その戦士はトカゲの怪物をものともせず戦った。
「機械戦士と呼ばれるヒーローが活躍してるようですね」
リザードは腕立て伏せをしながらつぶやいた。
「ふむ拙者達も負けられないでござるな」
ケンゴロウはそう言った。
「霊体状態には悪人もなるはずだ。そうなるとやはり霊体の怪物も出てくるはず」
一条はつぶやいた。
「霊体を消す方法がなければイタチごっこになる」
一条はそう話した。
「霊体といえども消滅はするでござる」
ケンゴロウは即答した。
「そうなの!?でもあの世にはいけないって」
一条は驚きを隠せなかった。
「電球は電気が消えても残る」
ケンゴロウは真面目な顔で続けた。
「だけどその光は残らない」
ケンゴロウはそういって山へ下る山道に歩き始めた。
「拙者らの力がつきれば消滅もありうるかもしれぬ・・・最近頭によぎる」
一条は叫んだ。
「てことは戦ってもしエネルギーがなくなったら消滅ってことか」
一条は頭を抱えた。
「知識が流れ込んでくる度に頭を悩ませますね」
リザードはつぶやいた。
「つまり霊体相手でも倒しエネルギーを減らせば消滅する」
ケンゴロウは山道を歩き続け2人もそれを追うようにして歩いた。
「霊魂である以上覚悟はしていたがやはり都合の良い体ではあるはずもない」
ケンゴロウはつぶやいた。
「霊魂の欠片というのが正しいよね・・・僕たちが融合できるのもある意味真のないエネルギーだからこそだけど」
一条はつぶやいた。
「拙者は可能性を考えた。霊魂は完全に融合することで寿命を伸ばすことができる」
ケンゴロウは続けた。
「それを繰り返せばある意味寿命の長さは有限ではない」
それを聞いて一条は言った。
「徐々に僕の一部はどんどん消えていっているわけか・・・」
「常時そうなってるわけですし今さら意識するのもしょうがないですよ」
リザードの楽観的意見に二人は救われた。
倫理的に考えると一条達は常に死んでいっている。
つまりエネルギーが一時的に持った意識が一条やケンゴロウであるだけでそれを構成するエネルギーは徐々に死んでいっている。
「でも完全に同じ霊魂になるにはどうすれば?」
一条はつぶやいた。
「いやなれる方法もわかっているはずだ」
ケンゴロウは一条に問いかけた。
「確かに頭に徐々に浮かんでくる不思議なもんだよ」
一条は答えた。
「もしかするとエネルギーである私たちに知識が流れてくるのも私たちのエネルギーが抜け落ちると同時に世界の情報も入っているからかもしれません」
リザードは言った。
「水のなかにいれた穴の空いたボールみたいなもんですね」
リザードは続けていった。
「つまり僕たちの知識が段々正確で的を得たものになるほどそれほど命が消えていってるわけか」
一条は立ち止まった。
「やるならさっさとやろうどうせいきるとか俺じゃなくなるとか既にそういうのは考えてもしょうがない存在だから」
半分諦めに近いトーンだったが一同は決心した。
「流れてくる情報について意識を集中させましょう」
リザードはそうつぶやき一同は目をつぶった。
霊魂は通常エネルギーを常に生成し続ける・・・肉体を触媒として。
肉体がつきれば魂はそのうちエネルギーを失い消える。
そのため魂は次の生命を探し別次元をさまよう。
それがあの世だ。
つまり魂も生き物が食事をするのと同じようにそういうものだ。
神秘的ではなく科学的とも思えるような情報だった。
つまり世界はそういうふうにできている。
ただそれだけの事実だ。
太陽がじきに沈み月が見えるのとなにもかわない。
そしてその情報が現実味を増すとともにいよいよ救いのない自分達の不安定な存在について感傷的にもなった。
エネルギーを生成するための材料である肉体がなくなったあともエネルギーは残る。
しかしエネルギーを食い潰さず魂はエネルギーの消費のない次元へ行く。
そのためエネルギーはそのままになる。
「すごい情報量だ・・・」
一条はつぶやいた。
「なんか関係ない酸素と窒素の割合までわかりますね」
リザードはつぶやいた。
魂からエネルギーへ通常意思が流れ繋がった状態であるが死ぬと魂と肉体で意思が分裂したようになる。
魂によってエネルギーは魂の維持のみで使われ他のエネルギーに流れたり合体したりはしない。
だが一条のように欠片となると容器を失った水のようにエネルギーは他のエネルギーとも融合するようになってしまう。
エネルギーは意思によって使われる。
つまり意思のないエネルギーはただ消滅するだけ。
いくら大量のエネルギーをもっても大きな水の流れが産み出され流れていきそのうち蒸発する。
魂は容器ではなく容器を作り維持し続ける存在に近い。
つまり魂による制御がなければ意思という容器は消える。
ちなみにこの魂などの物質は暗黒物質と皆が呼ぶそれである。
魂は意思を作るが意思は欲望をつくる。
木に例えれば欲望が枝のようになりそれは容器を構成する。
通常大きな幹が純粋な欲望で枝がそれによる複合的な欲望だ。
もちろん枝が幹になることもある。
そしてそれを達成するためのもろもろが葉などである。
つまり死ぬ前に複雑な欲望をもつものほど意思はエネルギーを逃がしにくい。
結果一条ら人間のような欲望が複雑な生物は霊魂の欠片を生みやすい。
「色々夢がなくなるな」
一条はため息をついた。
意思はエネルギーを使うことができそれにより実体化や意思を物に移すこともできる。
これは思うことによって行われる。
意思が強く願えばそれほどエネルギーはうまく動く。
それにより肉体がなくても実態のように行動することが可能。
だが実態を意思とエネルギーだけで作ると不安定なものになりやすくエネルギーにより肉体を構成するため浪費も激しい。
その結果肉体が崩れる場合がある。
その場合も残骸などは残らずただ消滅する。
また擬似的な実態がダメージを受けることによりエネルギー消滅し新たな肉体を作るため消耗される。
「これが実態が消えるときか」
一条はつぶやいた。
意思はエネルギーによって維持されるというよりもエネルギー自身が意思である。
そのためすべてのエネルギーの消滅と同時に意思もまた消滅する。
意思はエネルギーに情報を記憶することができ消滅してしくエネルギーから今あるエネルギーに移る。
脳細胞の伝達とにている。
いわゆる脳とは魂や意思を構造が非常に似ておりそのような肉体をもつ一般的な生物は魂と意思だけで体を維持するよりも非常にエネルギー消費が小さい。
肉体が代わりとなって働く部分が多いからである。
これは走るよりも自転車を使って移動するほうが体のエネルギー消費が少ないのとにている。
「なんだかすごい情報量でござる」
ケンゴロウは頭を抱えた。
エネルギーからエネルギーへの情報伝達の際に通常魂により防がれている他の個体のエネルギー情報までもが伝達される場合がある。
これは次元関係なく行われこれによって知らない知識が霊魂の欠片の状態ではてに入る。
ネットワークのようにつながるため世界の情報が入るに等しい。
魂はエネルギーの流出と他の個体の魂にエネルギーが使われるのを防ぐため基本的に独自のエネルギー貯蔵をもつ。
エネルギー同士が繋がることによりエネルギーが持つ意思までもが融合する。
その意思には個別の意思も記録されているため離れる際に伝達され結果もとの状態に戻る。
ただし完璧ではなく人格は混ざる。
「ケンゴロウが現代的なしゃべり方をするときがあるのはこれか・・・」
一条がつぶやいた。
「拙者も横文字使うこともけっこうあるでござる」
ケンゴロウはそうつぶやいた。
意思となる欲望の枝が繋がると融合はより精度が高くなる。
ただしそれは人格の混ざりを起こし長時間融合をして枝の幹化をすれば次第に戻れなくなる。
すると徐々に一時的に保存されている個別の人格も伝達されなくなる。
「わかってきた・・・つまり融合状態を続ければそのうち同じになるでござるか」
ケンゴロウはつぶやいた。
また通常意思が強く保存を望むものは伝達の優先度が高く低いものはそのまま伝達がされない場合もある。
それを忘却と呼ぶ。
忘却は頻繁に起こるが生物の肉体にはその忘却したエネルギーの情報を伝達することができるものがある。
「これが物忘れ・・・?」
一条はつぶやいた。
「とにかく今僕たちが情報を素早くてにいれてるのもこの情報の優先度が高いから常に忘れない・・・それによって・・・ややこしい」
一条は頭を抱えた。
「ともかく拙者らは融合するでござる」
ケンゴロウは目を開けた。
「そうですね」
リザードもまたそうした。
「僕たちは元々意思だけだから過去の意思が消えていくっていうのは・・・唯一の一貫性が・・・」
一条はつぶやいた。
「倫理的な話はよそうでござる・・・拙者らはそういう事を一番体感する存在ではあるがゆえにでござる」
そうして一条達は融合した。
「大丈夫で・・・ござるですか?」
サムライマンはつぶやいた。
「3人融合ははじめてだから・・・」
サムライマンは頭をかいた。
「しばらく戦いは避けるべきですな・・・見たら助けずにはいられない山に篭って情報を断たないと」
サムライマンはこうして山から出なくなった。