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思い出の向こう側

「本当にリュウは死んだのか?」

一条の父テツは言った。

「そうです・・・すみません」

土間が答えた。

「いえ・・・怪物が来るなんて予想できませんよ・・・悪いのは怪物を放ったやつです」

テツは結局死体は見ないことにした。

息子の死は明確だが自覚はしたくなかった。

そしてテツは何も食べてなかったことに気づく。

「思い出の食堂だな・・・」

テツは食堂の中に入った。

すると中にはハチの姿をした怪物がいたのである。

「助けて!!」

桜川は蜂の針を向けられながら叫んだ。

「キイイイ!」

蜂の怪物はテツを足で掴むと桜川の方へ投げつけた。

「いてっ・・・」

テツはその場に倒れた。

「キイイイイ」

蜂の怪物が叫ぶと大きな蜂達が食堂に入り込んでくる。

「うわあああ!私の店が!」

同じく捕まっている主人が叫ぶ。

「誰か!誰か!」

みんなして叫んだ。

もちろんその声は皆に聞こえた。

だが市民は逃げた。

無理もない怪物事件の後だ・・・。

自衛隊の部隊が到着するのはいつになるかわからない。

蜂達は食堂に巣を作り始めた。

「なんか騒がしくないか?下の街」

一条はつぶやいた。

「怪物の予感がします!私と同じ感じです!」

そういってリザードは走り出した。

「まってくれーでござる」

ケンジロウと一条も後に続いた。

「リュウ!お前はこんなやつらに対して・・・戦ったのか・・・」

テツは自分の息子がどれほど恐ろしいものと戦って死んだか実感した。

「俺は・・・お前が死に急いだと思ったが・・・違った・・・お前は・・・戦ったんだな・・・」

そういって涙を溢してテツは立ち上がった。

「息子が戦ったなら・・・俺も・・・戦うぞ!リュウ!」

テツはそこにあった包丁で大きな蜂を切り始めた。

「リュウ!俺は死なないぞ!」

蜂の怪物がテツに向かって針を刺そうとしたとき

テツは死を覚悟した。

「ぐうう・・・もうすぐそっちにいくぞ」

そのときだった。

蜂の体に飛び蹴りする男がいた。

サムライマンだ。

「死に急ぎはどっちだよ!親父」

サムライマンはテツに向かって一括した。

「リュウ!生きてたのか?」

テツはサムライマンによっていった。

「俺はなんというかリュウはもう死んでるんだがその欠片みたいなもんだよ・・・。とにかく俺は大丈夫だから・・・でござる」

そういうとサムライマンは刀を取り出した。

「さぁはじめるぜ!親父!俺はこの生活・・・わりと楽しんでるから心配すんな!」

刀を上から降り下ろし怪物の羽の片方を切った。

怪物は悲鳴をあげるも羽がすぐさま生える。

「なんてこった・・・。タフだな・・・でござる」

怪物は尻から針を飛ばした。

「やばあ!」

高速の針は一瞬にして腹に刺さる直前まで来た。

だが反射神経により脇差しの柄の部分に刺さったのだ。

「危ない・・・やっぱり三流だな・・・」

そういうと脇差しから針を抜き取って捨てた。

蜂は勢いよく手の針を前にし突進してくる。

「おおっと・・・動きがわかってても・・・速い・・・」

蜂の動きに追い付くのが精一杯だった。

「やっぱり若干速さが足りないな・・・」

サムライマンはそうつぶやいた。

「じゃあ私に任せてください!」

リザードはサムライマンに突進した。

その際ケンゴロウは分離して吹き飛ばされた。

「ちょっ!なにしてんですか!」

トカゲの見た目の男にサムライマンは変化した。

「これは!リザードマンね!」

桜川が叫んだ。

「がんばれ!リザードマン!」

みんながそう叫んだ。

「声援が聞こえます!でも体力持ちませんね!いきますよ!」

リザードマンは足に力を込めると一瞬にして蜂怪物の前に来た。

「グルルウ」

蜂怪物も一瞬といえる速さで針を刺そうとしたが

「瞬発神経なめんじゃないですよ!」

リザードマンのラリアットが炸裂した。

蜂怪物は壁に飛ばされ動かなくなった。

そして大きな蜂達は主を失ったせいか地面に落ちていった。

その直後霊魂の状態に戻ってしまった。

「かなり・・・短くなかったか?」

一条はそうつぶやいた。

「なんというか私のスタイルは野性的なので」

リザードマンが答えた。

「速いが消えるのも速い・・・うーむいまいち主力がないチームでござるなぁ」

そういってケンゴロウは頭をかいた。

「消えた・・・!?おいリュウ!」

テツはあたりを見回した。

「父さん俺の亡霊は元気でやってるからがんばれよ!」

力を振り絞って一条は話した。

「ん?リュウか?また姿がかわったな」

その姿は影のような姿であった。

「一瞬でしたが実体化できるようになったんですね!」

リザードマンは言った。

「やっぱり修行意味あるのかなまぁとにかく帰ろう!」

そしてあの山へまた三人は歩いていった。

「死んだ青年が影となってよみがえる!!デッドボーイね!」

桜川はメモをとりだした。

「あの・・・片付け手伝ってくれないか」

主人はほうきをもちながらあたりの残骸を外へ出していた。

「スクープよぉぉ!」

桜川は走っていた。

「元気なねえちゃんだな」

テツはつぶやいた。

「リュウの亡霊・・・か」

テツはそうつぶやいた後酒を手に取った。

「もらっていいか?なんか酒のみたくなってきた」

それに対して主人はうなずいた。

「いいよ。どうせ残骸で汚れてて客にはだせねーしな」

残骸だらけの食堂で飲んだ酒は忘れられないものだった。



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