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思いと実現

個人的に好きな回です。

コメディ要素もあるアメコミチックな小説ですがよければお付き合いください。



「とりあえず俺は一条であなたはケンジロウでいいですか?呼び方は」

一条はそうつぶやいた。

お互い本人の欠片であるから何者でもないのだ。

ケンジロウは悲しい顔でうなずいた。

「刀の中は私の思い出の空間だった」

ケンジロウはそう答えた。

「思い出・・・ですか」

一条は自分の学校生活を思い出した。

「広がる田園・・・トンボ・・・懐かしい」

一条はずっとそんな光景を見せられていたケンジロウの心に同情した。

「なにも干渉できない・・・私は死んでいる・・・」

ケンジロウは頭を抱えて話した。

「でも・・・今は違います・・・僕もいますし?」

一条は気休めだがそういった。

「まぁ・・・一人は辛かった。」

ケンジロウは思っていた人物ではなかったのかそれとも変わってしまったのか。

「あなたはなぜ村を守ったのですか?」

一条は悪いとは思ったが聞いた。

「守るという強い意思があった。実力はなかったが」

ケンジロウはそう答えた。

「美化されてるようだが私はみんなに逃げるチャンスを与えただけなんだ・・・みんな私に同情してきっと美化したんだよ」

ケンジロウは悲しみそして刀をとった。

「切腹じゃ!切腹じゃ!」

何度腹を指してもすり抜ける光景をみて一条は苦笑いをした。

「でも・・・なんか共感できますよ・・・実力はなくてもなにかをやりたいって気持ち」

一条は死因をほめるのもどうかと思ったがそう言った。

「お主の恩師が死にかけてるようだな」

ケンジロウはそういうと土間の方を指差した。

「・・・くそう・・・助けれない」

一条はどうすることもできなかった。

そして霊魂になったせいか体に気だるさを感じた。

「なんだか体と心に力が入りませんね」

ケンジロウがうなずいた。

「だが試してみるか?」

ケンジロウは刀を持って地面を切った。

少しだが傷がついたようだった。

「干渉・・・できる!?」

一条は驚き傷を眺めた。

確かに刀の傷だ。

「思い出の中で少しだけ幻想に干渉することができた」

ケンジロウは刀を鞘にしまった。

「だが私の力もこの程度か・・・」

ケンジロウはそういいまた座り込んだ。

「待ってください!!頑張れば現世にもっと干渉できるかも。」

一条は希望を感じた。

干渉できるなら助けることができるかもしれない。

「いいだろう・・・じゃあ怪物を押し倒すか」

ケンジロウと一条は怪物の方へ歩いた。

「くそ・・・息が・・・」

土間が苦しそうに走っていた。

「ギュルルル」

怪物の声で怯んだ隙に触手で絡まれてしまった。

「もう時間がない・・・!いきますよ!!」

一条は力んで怪物を押した。

ケンジロウも体当たりや刀で切るのを試した。

「くそ・・・びくともしない・・・」

一条は諦めかけても押し続けた。

「こんなところで・・・くじけるわけにはいかない・・・でござる」

ケンジロウは体当たりをしようとした。

そのとき怪物が土間の方へ歩いていった。

「やばい!ぶつかる」

一条はとっさにさけんだ。

「霊の状態だと制御が・・・ぐわあああ」

ケンジロウと一条は盛大にぶつかった。

「いてて・・・で・・・ござる」

あたりを見ると自分の方を見て指を差す土間の姿があった。

「一条の・・・幽霊!!」

その言葉を聞いたなにかは驚いた。

「これは・・・なんでござる?」

自分が何なのかを理解した。

「ケンジロウさん?」

そこにいた侍姿のなにかは自問自答を始める。

「ああ・・・これはなんでござろう」

土間は驚いて腰が抜けていた。

「つまり僕たちの力がぶつかって現世に僕たち自身を刻んだってことじゃないですか?」

一条らしき人格はそう答えた。

「一条殿・・・お主の思いが奇跡を呼んだでござる!!」

怪物が出た情報を来た自衛隊が突入した来た。

「怪物2体!!・・・侍!?」

自衛隊員は無線で応答した。

「侍の怪物と怪物がいます。」

自衛隊は怪物と侍姿のなにかに対して攻撃を開始した。

「待つでござる拙者は善良な侍でござる」

自衛隊は話せるのを確認すると怪物だけに狙いを定めた。

「あなたは何者です!?逃げてください」

そう聞かれるが侍は答えた。

「そっちが逃げてください・・・でござる!」

刀を取りだしそして怪物の触手に向かって降り下ろした。

怪物の触手は両断され土間は動けるようになった。

「ありがとう・・・!その・・・侍さん?」

土間は入り口へと走っていった。

「ひと安心ですね・・・でござる」

怪物は怒り爪で侍に攻撃してくる。

侍は脇差しを取りだし爪の間に絡め速度を落とし怪物の足を蹴り飛ばした。

「グルル」

怪物は見切れない動きに混乱した。

「脇差しってああやってつかうのか」

一条の人格は感動した。

「お主の格闘技と合わせた戦いかたは珍しいでござるな」

ケンジロウの人格もまた一条の戦い方に感心した。

怪物は自問自答する侍に混乱し突撃してきた。

「考えるのをやめた!?」

怪物の捨て身の一撃は予想外で侍を吹きとばした。

ガラスが割れ外の自衛隊達の近くへ落ちた。

「いてえ・・・」

するとまた霊の状態になっていた。

二人の体は分離していた。

「止めをささなければ・・・」

ケンジロウはそう言い力を込めた。

「疲れた・・・」

一条の体力はつきかけていた。

さっきの融合状態での戦闘により疲労したのだ。

「一条殿・・・拙者・・・現世で戦い・・・闘志を思い出したでござるよ!」

ケンジロウは一人で現世へとあらわれた。

「さっきより体が重いでござる・・・」

ケンジロウは重い体を動かしながら怪物の方へ走り出した。

「グルルウ」

怪物はなにかが変わったことに気づき触手を伸ばし足に絡み付かせた。

「やりおる・・・ぐうう」

だがケンジロウは負けなかった。

侍の心を取り戻した彼は逆境にも負けない強さを思い出した。

「せいやあああ!」

触手を刀で切ると勢いに押し倒されるように怪物へと走っていき刀を降り下ろした。

予想外であった行動に怪物はなすすべもなく両断された。

「すごい・・・ケンジロウさん!」

一条はケンジロウに話しかけた。

「ヒーローだ!あなたの名前は!!」

あたりに人がかけよる。

「拙者は侍・・・。ケンジロウでござる」

とケンジロウはいった。

「消えたぞ!!」

ギャラリー達はいきなり消えたヒーローに驚いた。

「拙者はサムライ・・・までしか聞こえなかったな」

見ていた男の一人が言った。

「サムライマンじゃないか?」

また誰かが言った。

「そうか!サムライマンか!」

それを見たケンジロウがいった。

「ケンジロウでござる・・・」

そう悲しむ彼に対して一条は言った。

「僕たちで人を助けることができたんですよ!しかも最後はケンジロウさんだけの力で!」

一条は感動しながら駆け寄った。

「しかし倒せたのは弱っていたため・・・一条殿と拙者の戦いのおかげでござるよ」

そういうとケンジロウは歩いていった。

「どこいくんです?」

一条は尋ねた。

「あそこに怪物の霊が・・」

目の前にはさっき倒した怪物の霊がいた。

「ニンゲン・・・アリガトウ」

その言葉に驚いた一条は言った。

「ありがとう?自分の仇なのに・・・?」

それに対して怪物は答えた。

「ワレハケンキュウジョカラウミダサレタカイブツ」

怪物はカタコトで続けていった。

「ワレラハケンキュウデウマレタ・・・。ココロヲモッテイタ。ダケドチョウセイデワスレテイタ。デモオモイダシタ。」

怪物は続けた。

「研究所で怪物を・・・作っていたのか。」

一条はそう言った。

「怪物の心を忘れさせ残虐にしていたのか・・・」

ケンゴロウはそう言うと怪物に話しかけた。

「仲間を救う方法はあるのか?」

それに対して怪物は答えた。

「チョウセイサレルヒマデハミンナヤサシイ・・・チョウセイ・・・トメテクレ」

そう答え怪物は手を降った。

「サヨウナラ!」

だが怪物はいつまでたっても消えなかった。

「アレ・・・オカシイゾ」

怪物は頭を抱えた。

「一回霊魂として残ると戻れない」

ケンゴロウは答えた。

「ソウダッタノカー」

怪物は頭を抱えて座り込んだ。

そしてケンゴロウと一条が怪物の肩を叩いた。

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