第6話 赤松先生視点
BL色がちょっと強いです(-_-;)
俺は、五十嵐を職員室ん呼び出して説教をしていた。
職員室には俺様と五十嵐しかいない。他の教員どもは五十嵐にビビりどこかへと逃げている。
...ったく、こんなんでいいのか?
「これ以上、生徒に変な刺激を与えるのは...」
説教している理由は至極簡単、また五十嵐が問題をおこしたのである。
問題、といっても端から見たら五十嵐に何の不備もない。ぶっちゃけた話、五十嵐の信者が勝手にベランダから落ちただけである。
その事をちゃんと自覚している五十嵐は興味が無さそうな...と言っても無表情だから単なる予測だが、つまらなさそうな顔をして言った。
「内容が理解できません」
まぁ、そりゃそうだろうな。
こいつにとってクラスメイトとか信者とかどうでもいいことなんだろう。生まれながらの君主みたいな奴だ。
自分の一言一言で相手を翻弄するのはお手の物だし、勝手に周りが近づいてひれ伏しをする。
それをさも当然の如く甘受し、前提として受け入れ過ぎている。...ったく本当にこいつは...
「お前にとっては周りが奴隷になるのは楽しいだろうよ」
普段は神聖不可侵の如く自分からは何もしようとしないこの少年は時より退屈しのぎか何かで信者に話しかける。
まぁ、大抵は逃げているがコイツにとっては楽しいことなんだろうなぁ。
そんな嫌味としか思えない言葉に、五十嵐は淡々と言ってきた。
「なんですか?それ」
そんなの知らないとばかりに、心外だとばかりに珍しく、ほんの一瞬だけ怪訝そうな顔をして言った。
つーか、本当に可愛い顔してんな。これが女だったら俺様の嫁にしてやったんだがな...
「ほぉ、じゃあお前にとってクラスメイトってなんだ?」
五十嵐はその言葉に興味がないのか、どうでもよい質問だと思っているのか、面倒臭そうにしていた。
「おい、黙ってないでさっさと答えろ」
そう言われてやっと考える素振りをみせて、五十嵐は言った。
「犬、ですかね」
... ... ..
... ...こいつ、可愛い顔で今なんて言った?
犬?いま、クラスの奴等を犬って...
そこまで瞬時に理解し、俺様は口元を押さえて込み上げるものを殺そうとする。
「クククッ...アハハハハギャハハハ!!!!」
しかし、それは我慢のきかないもので久々な何かに本当に面白くてゾクゾクした。
「何か可笑しいですか?」
俺の反応に対して、五十嵐はそう頭を傾ける。犬は犬だろう、何が可笑しい部分があるのか?とばかりに。
「フハハ!!!いや、お前は可笑しくねーよ安心しな」
笑いすぎで酸素不足になるんじゃねーのかって思うくらいに笑った。
そして俺はコイツは天性の王様なんだなと分かった。多分いったらまた五十嵐は否定するだろうが、絶対にそうだと確信した。
「お前は本当に王様だな」
「ちがう俺は将軍だ」
俺の言葉に対して五十嵐は否定ではなく、改定を示した...
普段とは違う口調...将軍?どういうことだ?
俺が疑問で頭いっぱいになったのと同時に五十嵐も目を見開き、普段のコイツからは想像が出来ないくらいに、しまったと言う顔をした。
コイツ、こんな顔も出来んだ。
ヤベー...やっぱ顔、超可愛いな...キスまでならOKか?1万円はらったらキス1回とか出来ねーか?それなら俺、1000万位なら余裕で払え...
嫌々じゃなくて、危うく未知の部分に行きそうになったのを理性で止めて、本題に入ろうとする。
「おい、今...」
「すみません、僕はこれで失礼します」
問いただそうとした矢先に五十嵐は早口で、そう捲し立て職員室から逃げるように出ていった。
「将軍?...」
その単語で思い付くのは最近有名になっている、『白虎隊』のリーダー...
「考え過ぎか?」
俺は一人で呟いた。