第61話 長蛇軍
「長蛇軍って…どこだ?」
僕はみんなに聞く。
長蛇軍…ってなんだ?
「おいおい…まさか忘れたのか?雑魚は覚えてないってか」
政宗は呆れながらいう。
「かっけーっす…」
いや、だって連日連夜ずっと喧嘩に明け暮れていたんですよ?流石にどれがどの軍とか分からないし…逆に全部覚えている政宗が可笑しいと思う。
そんな意味をこめて政宗をみやれば、彼はやれやれのポーズをした。
「長蛇軍っつーのは、関西の一大組織の賊で…関東進出の為に昔、白虎隊に喧嘩をうってお前が撃退したう奴だよ」
「あの時の将軍…チェーンソー振り回してたっすよね…」
チェーンソー…あー…アレか。
いやいや、アレはまだ白虎隊の基地である工場があまりにも殺風景だから可愛くリフォームしようと、チェーンソーもってたときに来たんだよ。
下に置きたいのに殴りかかってくるから必死で避けてただけで…ってそうじゃなくて。
「なんでそいつらがまたここに来てんだ?」
「きっと、病院に入院してるって聞いて今が好機だと思ったのかと…」
「っちぃ、迷惑な奴らだ」
政宗は吐き捨てるようにいう。
確かに耳を澄ませば、窓の外からバイク音やら人の叫び声やら殴る音が聞こえる。
「おい、もう結構やられてるんじゃないのか?」
そう思って窓を見て見ると…長宗我部が暴れていた。
「何をしてるんだ」
長宗我部は主に蹴りを主体に周りをねじ伏せ、時にはそこ等辺にあるバールのようなもので殴っている。
「それが…久しぶりの喧嘩だヒャッハーと…白虎隊も巻き添えをくらうので非難させました」
「ってことは今、長宗我部の孤軍か…」
…もうコイツだけでもなんとかなるんじゃね?と思ったが、流石に長宗我部一人では荷が重く…結構殴られてダメージが蓄積されている。
うわ~痛そうだな…と思っていると。
「なので、将軍には出て欲しいのです!」
可愛い後輩がそういった。
……ん?
「俺に…出ろと?」
あの大乱闘の中にでていけというのか?と口をひきつらせていると、政宗はポンと俺の肩をたたいていった。
「不本意かもしれねぇが…今は出ろ」
「将軍が出れば…またなんとかなります!」
次々にそういってくる子達……グズン。出ろというのね?
まぁ、相手の目宛は俺な訳だし?最悪俺だけボコられればいい訳だし?
あ、なんかそう思うと納得したし別にいっかと思えた。俺一人の命で住むならば御の字だ。
「分かった」
そう了承すれば、全員ホッと安堵のいきをつく。
うんうん安心しろ、俺が守ってやるぜ。
「では、ここを出て何処か安全なば…」
「いってくる」
そういって俺は窓を開けて淵に足を置き…外へと飛んだ。
「えぇええええ!?」
「は!?何やってんだ将軍!?」
「おいこらあの男誰か止めろ!」
上で何かを言っているが下に下りることで頭がいっぱいなので聞こえない。
必死でバランスをとって地面に下り、アスファルトのしたを転げて衝撃をやわらげる。
「…あぁ…」
痛くない!痛くなんてない!と必死に自己暗示をかけながら立ち上がると…前にズラッとカタギじゃないやつらが勢ぞろいしていた。
「やっと将軍のお出ましか…」
そういってニヤッと笑う男は、首から顔にかけて蛇のタトゥーが刻み込まれ…舌が真っ二つに割れていた。
あぁ、そういえばチェーンソー振り回した時に誤って彼の下を切ったんだった。
なんて記憶を辿りながら、俺もニッと笑っていってやった。
「あぁ、来たぜ…」
ボコられにな!




