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第57話 会議

「はい、今から将軍と母親の仲直り作戦会議を始めるっすよー!!」


 ヒューパチパチ!!


 炉鵜沢は一人で口笛をふいて、一人で拍手をした。いきなり連れてこられた政宗や沙織は頭に『?』を出している。


「おいまて、どういうことだ?」


 政宗はこめかみを押さえながら、説明を促した。この後輩は将軍への忠誠心は確かなので、そこら辺の心配はしていないが、余りにも突拍子がなく、理解がついていかなかった。


 聞かれた炉鵜沢は、了承して説明を開始する。


「そのままの意味っすよ。将軍と将軍のお母さんである薊さんを仲直りさせるんす」


「このメンバーを選んだ理由はなんだ?」


「それはですね、政宗さんは将軍の右腕でしかも冷静なんすよ。他のメンバーだと勢い余って薊さん襲撃しそうですし、つーかするっす。沙織さんは父親が薊さんの弟なんで、情報を知ってると思ったんす。元親さんも選ぼうとは思ったんすけど、あの人は将軍への忠誠心がピークになってるんで殺しますね」


「……」


 思った以上にちゃんと考えているらしい後輩に少し驚きつつも、そういえばコイツはバカだが頭はわるくないんだったなと認識を改める。


「でも……将也さんはお母様と仲直りしたいのかしら?」


「というか、もう関わりたくないって感じだったぞ?無理に仲直りさせるのは辞めた方がいいんじゃないか?」


 それは一つの解決策である。人間、どうしても相性が合わず、愛せない奴はいる。それは親子でも存在するので、無理に仲直りさせるよりかは、もう関わりを絶ちきってしまうのも必要じゃないのかと。


 しかし、炉鵜沢はそれに首をふる。


「違うっすよ。将軍のアレはそうじゃないんす。多分、不運や不幸、偶然が重なった結果、こじれまくってグシャグシャになった感じがするんす……


 でも、そうじゃないかも知れないっす。俺の考えが当たっているのかも、当たっていたとしても手遅れの可能性もあるんす。だから……


 これは俺が、友達としての勝手なエゴで自分勝手にやるものなんす!」


 自分勝手と公言しながらも、その思いは将軍への友情や愛で溢れていた。


「どうしても嫌っていうなら俺一人でも、いいっす……どうします?」


 炉鵜沢は、強制を促そうとは思っていない。今回の件に関しては本当に将也の地雷だと理解しているからだ。


 将軍は自分の家族や親の話を聞かれると、嫌がる傾向にある。意図的にはぐらかそうとしたり、もう聞くなと睨みつける。それはまさしく地雷であり、失敗すれば完璧にアウトだ。


 実際には、白虎隊を心から愛し、沙織に少なからずの好意を抱いている将也なので怒りをぶつけることはない。しかし、裏切られたと思って自分から距離を置くことはあり得るだろう。


 得るものが殆どなく、失うものが大きすぎる。得るものがあるとしたら、将軍の幸福だけなのだが……


「やる」


「やるわ」


 二人は即答で答えた。

 これで正しいのかは分からないが、正しくなく、自分勝手にやりたいかやりたくないかでいえば、やりたい。


「本当に……いいんすか?」


「えぇ、いいわよ。もし失敗したら切腹するわ」


「将軍に不快な思いをさせるんだ、俺も命をかける」


 迷いなしに男前に答えた沙織と政宗。


 ぶっちゃけ、失敗してもパンチ一つで許して貰おうとした炉鵜沢は少し自分が恥ずかしくなりながらも、覚悟を決めた。


「よし!やるっすよー!


 失敗したら、俺は償いとして塩酸一気のみっす!」



ずっと更新してなくて、本当にごめんなさい!

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