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第31話 車の中

「そういえばさ、君の家の場所しらないんだけど、何処にあんの?」


運転している車の中で、青崎はヘラヘラとしながら将也に聞いた。


「ここ」


「いや、ここら辺に家とか無いよね?」


将也が指定した場所は住宅地ではなく、マンションもなく、完璧に人が住むようなところではなく、人が住んでいる場所から離れた場所だった。


廃れた工場の跡地やら、廃棄されるゴミやらがある場所だ。近くには繁華街があるが、そこも人が住むとこではない。


「ねぇねぇ、どういうこと?あ、俺のこと警戒してる?」


「(この人本当にヤダな、何でこの人やたらめったら体触りまくるんだよ....今も尻触られてるし....)」


とにかく今は青崎から逃れたいことでいっぱいの将也は車のドアを無理矢理開けようとするが、カスカスと音がなるだけでドアは開かない。


その事を予測していた青崎はニヤッと笑う。


「危ないよ~運転中に開けようとかさ、もう少し楽しも『ガチャ』...ガチャ?


ぇえ!?」


「(あ、本当に開いた....)」


何かが開いたような音がしたのでそちらに目を向けると、将也が開かない筈のドアを開けていた。


昔、彼女が自慢気に言っていた『内からドアを開ける』裏技を覚えていたので試しにやったら開いたのだ。


「ちょっとちょっと!!危ないから一旦閉めろ!」


キキィイーー!!!!!


本気で飛び出そうとしている将也に驚き、青崎は大きな声を上げてそういい、急停止する。

その勢いで、ドアは閉まってしまう。


急停止した場所で、息を整えてから将也の方をみる。


「君さ、頭可笑しいって言われない?」


「言われたことない」


将也は本来、素で頭が可笑しい部分もあるのだが、それ以外で周りは勘違いして可笑しなことをするので、余り言われない。

とにかく将軍が安全であればいいのだ。


「(あぁ、成る程、言わせないんだな)」


青崎は将也の言葉を曲解して理解した。


「とにかく、帰る(こんな変な人ともう関わりたくない!!)」


高速で動く車から、外へとダイヴすることも大分へんな事だが、将也は気にしない。


「まってよ!まだ話したいことがあるんだから!!」


ドアの方へと行く将也を力づくで止めたせいで、狭い車の中で押し倒す形になる。


軽い口を言ってるが、その行動の早さから結構な猛者であることが伺える。


(なにが) 見聞(ききたい) ?」


将也の喋りが若干壊れていることから、大分パニックになっているのが伺える。


それを冷静だと勘違いした青崎は男として若干苛立ちながら、将也の服を掴んだ。


停止(やめて)


その言葉は青崎には届かない。


ゆっくりと将也の服を上にあげ、白い肌が見えてくる。その事に初めて将也は顔が無表情ながらも必死で暴れようとする。


もし暴れることが出来たならば、状況は打開できたかもしれないが、狭い車の中でそれは叶わない。


服を上までめくりあげ、陶器のように白く美しい肌が露出した上半身を舐めるような手つきで触ってくる。

ヘソの部分から始まり、ゆっくりと上にいくように触ってくる。


長身の男が小柄な少年を車の中で押し倒し、更には服をめくり上げて露出した肌に触りだす。


端から見ても見なくても、年若い美少年が歳上の美形に襲われている図にしか見えない。


しかし、それはすぐに終わりを告げた。


胸元辺りまで触った後、青崎はヘラヘラした顔から一転して真剣そのものとなった。


















「あんさ、この傷って何?」


青崎が触ったのは胸元にある、まるで何か(内蔵)を取り出して縫ったような、一生消えないであろう手術傷の痕だった。


まぁ、これが主人公が死を身近に感じる理由です。

将也は内蔵の一部をとある誰かにあげてます。

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