第13話 政宗の姉
「小さい家だけど、泊まってこいよ」
政宗は将也にそういった。政宗の名誉を守る為に言うならば、これはあくまでも親切心から来てるものである。
親と仲が悪いといった訳ではないが、家に帰れないといった将也を気にかけ、そう発言した。
(怖い、顔がすごい怖い。何でそんな怖い声でいうの!?僕なにかしたのかな?)
ただ問題点を上げるならば、顔が怖く必死さが声に出てしまっている。
勿論、将也も政宗を信用しているので本気で怖がっているわけではないのだが、これは別問題である。
「でも、迷惑じゃないか?もう深夜だし...」
現在、1時30分
「大丈夫だから安心しろ」
そう言いきり、再度泊まれという。将也は他人の家に行くことに抵抗はあるものの、友達の家というものには憧れをもっていた。
それに別に異性の家に泊まる訳でもないのでいいだろうという考えがよぎった。
「じゃあ、言葉に甘えさせて貰う」
「ここが俺の家だ」
と、紹介されたのは普通より結構大きな家であり、決して小さな家ではなかった。
政宗は自分の家の玄関を開けて、中に入る。電気を付けて、将也も入ったところでバタバタと音がなった。
「ちょっとお!!!政宗!!アンタ夜中になんで帰ってきてんのよ!!どっかに泊まるか、早く帰ってきなさい!っていつもいつも...」
寝巻き姿の強烈な美女が現れた。顔はノーメイクな筈なのに印象に残るようなインパクトがあり、政宗そっくりな女性だった。
「うるせーよ姉貴!!!」
どうやら政宗の姉らしく、ギャーギャーいう美女にうんざりした感じで対応していた。
「何よ!?大体なんでこんな遅くに...って誰この子!?」
口論の途中で将也を発見し、大きな声をあげた。将也はそれにビビるが、女性は気づかない。
(そりゃ迷惑だよね、ごめんなさい!!お願いだから怒らないで!怖いよ!)
政宗系統のインパクトある強烈な美女は将也にとって恐怖の対象でしかない。
しかも190位ある政宗と同じく、女性も背が大きく、170後半~180位ある為に更に威圧感がでている。しかしそんなことは女性は知らない。
「ぇえ!!!なにこの子!誰!!...あ!分かった!分かったわ!全部理解できたから安心しなさい!」
納得したように頷く女性。それに安心し、政宗も将也を紹介しようとする。
「そうなんだ、この人は...」
「お母さーん!!!お父さーん!!!政宗が彼女つれてきたわよー!!!しかも結婚前提ですってー!!!」
「何も分かってねーじゃん!!!やめろバカ!!」
政宗が、女性の口を塞ぐが女性も中々体格がいいためか口を塞ぐことは出来ない。
「女は性欲処理の道具とか言ってて決して女の子連れてこない弟が!!まさか彼女つれてくるなんて...つまり結婚じゃない!!!」
「どこがつまりだ!?」
どうやら将也の中性的な容姿をみて勘違いしてしまったらしいく、しかも政宗の彼女だと思っているようだ。
「もの凄い真っ白な子!!!何かウサギちゃんみたいな可愛い子よ!!ねぇ!!聞こえてるー!!」
女性は大きく叫びながら、政宗を振りほどき奥の部屋へと行ってしまった。
「本当にやめろ!バカ姉貴!!」
政宗が呼び出そうと追いかけようとするが、女性がそれより先に戻ってきた。
「お父さんとお母さん夫婦旅行に出掛けてたんだわ!ごめんなさい、間違えた!」
「何なんだよ!?バカ!!」
「でも安心して!!私が二人の代わりをちゃんと受け持つわ!!」
大きな胸をバン!と叩き、興奮した面持ちでそういう女性。
ハイテンポに何が起きてるのか今一分からない将也だが、取り合えず分かるところだけ言った。
「俺、男」
... ... ...
若干の静寂が場を支配するが、女性がそれを壊す。
「... ...え?政宗...アンタ男と付き合ってんの?」
「何でそうなるんだ!?お前の思考回路はどうなってんだ!?いいか...」
「大丈夫!!大丈夫よ!!問題ないわ!!すべては見た目よ!見た目がよければそれでいいのよ!!安心して!!!」
「話聞けやぁぁあああ!!!!」
大きな声が家に響き渡った。
パワフルな姉キャラって好きなんですよ(^o^;)
政宗の姉の名前、何にしよう...誰か決めて下さい。