幸せを願う 後編
細やかながらの壮行会は思ったより人が集まっていた。今まで両陛下を慕っていた人ばかりだ。そして久しぶりに見る私にも皆が声を掛けてくれ再会をしばらく楽しんだ。
もう2度と会えないと思っていた人達に会えとても感謝している。隣にいる皇女様は連れ去った側の人なので気まずそうではあるが意外と堂々としている。
ふと遠くにフローラを見る。参加を固辞していたがどうしてもと両親が誘ったらしい。少し雰囲気変わったが元気そうで良かった。亡き兄の友人と婚約を結んだと聞いた。隣にいる人達がそうなのだろう。あのフローラが選ぶぐらいだからとても良い人なんだろう。見ているだけで愛されているのは感じとれる。彼女を見ても胸が締め付けれる事はなかった。わかってはいたが複雑だな。
手を取っていた皇女様が急に離れた。私の目線で彼女が元婚約者だと気づいたのだろう。仕方が無いなって思いながらもう1度手を取り外へ連れて行く。あぁ完全に落ち込んでる。彼女に心がまだあると思ったんだろう。
涼しい風に吹かれながらベンチに座り手をギュッと握る。戸惑った様子で私を見ている。私が貴方に情を移してる事など気づいていないのだろう。
可愛がられてるとは言え敗戦国に婿を連れていきたいなど反感を買うに決まっている。さらにまた行きたいなど。自分の事より私を1番に考えてくれる可愛い皇女様。私などとっくに君のものなのに。
「泣きそうなんですか?」
「見る目が優しくて…やはりとんでもない事をしてしまったと…」
「私は最初はもう諦めしか無くて、もう人生終わったと思ってました。」
「ごめんなさ…」
「違う。謝らないで下さい。私は貴方が好きです。誰よりも私を想ってくれる貴方を大事にしたい。嫌々受けた婚姻でしたが、今は毎日楽しいです。貼り付けた王子様より素が良いと言ってくれる貴方のおかげです。」
「…好き?」
「はい。誰よりも貴方を愛しています。」
手の甲に口付けをする。呆然とするお姫様をこれから大切にしていこう。
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私は幸せなので大丈夫ですと、あの時と違い両親達とは笑顔でお別れが言えた。戦争により思っていた道とは違うけど皆の幸せを願う。




